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いつも本屋で泣いている
海辺の田舎町の本屋でも
銀座の一等地のビルの高層階の本屋でも
安部公房「箱男」(新潮文庫)は税別630円。
安心する。
1人で行く旅先、誰かと行く旅先で
どうしても私は本屋に立ち寄る。
土地によってラインナップや陳列が違って素敵ね〜
とかいうことじゃない。
どこの本屋にも私が手に取ったことがある本が、私が購入したのと同じ金額で売られているのを目で確認して安心したいだけです。
たまに部屋の本棚に
箱の中身はなんだろな、的な気持ち
寒さとともに忙しい日々でした。
自分でも思っている以上に忙しい日々でした。
夏が終わったぐらいから、
なんとなく、しかしそこはかとなく、忙しなくて
部屋のグリーン達にもなんとなく申し訳ないことをして
会いたい人にもまともに会えなかったりして
目の下のくまが濃くなったり薄くなったりで一喜一憂した日々でした。
ちゃんと年納まるかな〜という一握の不安と、
まあでもなるようにしかならないよね〜という諦念
Gymnopédies No.1
ロマンチックな気持ちにはとてもなれなくて、私はなぜか祖父が亡くなった日に入った冷たい白い布団のことを思い出した。
うまく眠れなかった。
なんでじいちゃん死んだんだろう、と兄は天井を見つめたまま言った。
煙草の吸いすぎじゃない、と私は言った。
祖父の死因は膵臓癌だった。
じゃあじいちゃんが死んだのはタバコを売ってる人のせいだね。
うん、そうだね。
きっとそうだよ。
タバコを作ってる人が悪い。