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シナリオ『失言園(シツゲンエン) Langue Lost』
〈作品のキャッチコピー〉「わかりあうことに意味があるなら、失われた言葉は、いつか取り戻せる。」
〈キャラクター〉
〇アント(Ant)―〈学校〉の元教師。大柄な男。アバターは猫。数十年前の生徒惨殺事件に衝撃を受け、トラウマを抱えている。誰にでも親切だが、特に子どもには優しい。
〇バーバ(Baba)―〈学校〉の守衛アンドロイド。コミュニケーション・ツールであり、戦闘にも使えるインターフェイス「ハエジ
朝ドラ『虎に翼』についてのBlueskyポストまとめ(1)
(気になった、もしくは自分が何か書けそうな回のみ感想をポストしています。日付はポストした日のため、必ずしも本放送日回と一致していない場合があります。また、ポスト時の感想に一部加筆、修正しています)
○2024年4月15日
劇中劇「毒饅頭殺人事件」、寅子の想像上の配役は、母のはるが尽くした男に捨てられ、男の家からもむげにされる女給役になってる。女給は悲しみと怒りで、毒を盛った饅頭をこさえ、男の一家
BFC千字戦習作2「あっち」
桟橋の突端に立って、尾田は遠くをゆびさした。
「俺は、もうひとつの世界を見つけた。お前にも見せたい」
「また始まったよ。お前のそういうの、かなりうんざりだ。大人になれよ。社会を生きろ。もうひとつの世界なんてないんだよ」
「いや」尾田はかぶりを振った。「子どもとか大人とか、そんなの関係ない。見えるか、見えないかの差さ」
「だったら、ぼくには見えんね。見たくもない」
尾田はちょっとうつむいて、また
BFC千字戦習作1「迷路」
白い城の庭には花が咲いていて、世界一美しい花弁でありました。獣たちはその花に喰われることを夢見ていましたが、庭が迷路になっていて、方向がわかりません。ですが、ハレー彗星が地球に最接近する前年、獣はその花の場所がわかります。えもいわれぬ臭気を放つからです。甘い毒の香りでした。
わたしの、いなか、の、じけん「アパッチ族の最後」
(夢野久作文学賞「わたしの、いなか、の、じけん賞」応募作です。一部表現を改めましたが、内容に変更はありません)
福岡県粕屋郡宇美町を中心にした辺りでは、いつからか知らないが、裸足のことを「アパッチ」と子どもらの間で言っていた。片田舎ではあったが、バスは1時間に数本走っているし、スーパーマーケットだってあった。道路は舗装され、子どもは当たり前だが靴をはいている。それでも、アパッチは子どもらの憧れ
ショートショート「天井のない家」
(第1回「NIIKEI文学賞」ショートショート部門応募作です。誤字を訂正しましたが、内容に変更はありません)
雪が降り積もり、玄関の戸が開かなくなった時は、二階の窓から下に降り、雪かきを手伝った、豪雪地帯によくある記憶。
借金を負った父と母が別れ、僕を連れて新潟の地を去って二〇年。無人の三ツ屋浜駅を出て、一五分程歩いて着いた場所は、ただの更地になっていた。母は他界した。父は失踪し行方知れず。
Twitterでツイートするのと、こうやってnoteでつぶやくのは、ちょっと「構え」が違いますね。前者は「自由連想的」に書けるのに対して、後者はセラピストと向かい合って「理性的」に書く感じ。
明日はピース・バック(小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギー・バック」カバー)
♪(ラップ)1 2 3を待たずに/16連射砲撃のはじまり/ブーツでドアをドカーッとけって/「ヴォイナーッ」と叫んでドカドカ行って/テーブルの主権プラスモー覇権/ウォッカでいっきに流しこみ/イェップで幹部にセイ ダー/ON AND ON TO DA BREAK INTO/てな具合に ええ行きたいっスね いっスねーっ イエーッ!! 領有―っ/よくない コレ? コレ 翼賛? 弾圧 泣く泣く泣く獄死/近
もっとみる「超越系」的、宮台的 プロフィールに代えて
僕の経歴を書くといっても、特に受賞歴などはありません。一応書いてみると、以下の通りです。
1993年、明治学院大学文学部入学。在学中、評論家の浅羽通明氏・プロデュース、思想家の呉智英氏が講師を務める、孔子『論語』を講読する私塾「以費塾」に半年ほど通う。
様々な大学の学生が集まり、テーマ別に分かれてディベートを行う「国際学生シンポジウム」に参加、社会学者の橋爪大三郎氏がアドバイザーを務める分
男と女の間には、深くて暗い川がある 『先生の白い嘘』論
■男性性と女性性の拒絶
鳥飼茜のマンガ『先生の白い嘘』は、読んでいると鉛を次々と口に放り込まれるような感覚を覚える作品だ。どんどん身体が重くなってきて、最後には身じろぎもできなくなってしまう。それでも読み続けると、それが不思議と解けてきて、たまった鉛を解放感とともに吐き出すことになる。
主人公である教師の原美鈴は、親友の美奈子の婚約者、早藤にレイプされ、女性性を拒絶するようになる。自分のヴ
映画・音楽評〈映像の海、音楽の雨〉 神山健治監督映画『ひるね姫』に、昨今の日本に跋扈する「日本スゴイ系」への強烈なカウンターを見出す。
(※ネタばれがありますので、ご注意ください)
■自動車という「未来」
ロバート・ゼメキス監督『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(85、89、90)で、タイムマシンはプルトニウムで動く車というかたちをとっていた。TVドラマ『ナイトライダー』(82~86)では、AIを搭載したスーパーカーが人間に協力し、悪に立ち向かう。車は「輝かしい未来」を象徴する文化的表象だった。しかし、テクノロジ
宮台真司の思想 〈終わりなき日常〉編
■〈巨大なフィクションの繭〉を出よ
社会学者の宮台真司は、自身が原発推進派であったことを公言している。しかし、日本の原発政策・行政のデタラメさを知って、日本には原発をマネージする能力がないことを痛感したという。
「ぼくは原発の住民投票運動にかかわる中で『民主主義の本質は多数決ではなく、〈参加〉と〈包摂〉だ』と言い続けてきました。〈参加〉をパラフレーズすれば、〈任せて文句を言う〉ならぬ〈