リラコ
LGBTを”治せる”薬があったとしたら、自分は―― 高校三年生のハルカ。友人とのおしゃべりや受験勉強で、日々はゆるやかに進んでいた。しかしあることが原因で、医者になる夢を絶たれてしまいそうになる。そんな中、ハルカが出会ったのは「LGBTを治せる薬」だった。 そうして日常は、少しずつ変わりはじめる……。
短編「遥かかなたのバニラ・ティー」の(1)- (5)
ほぼ毎日、三題噺の掌編小説などを投稿します。 シュールなものから現代ドラマ風のものまで。
僕は、よほどのことがない限り「差別主義者」という言葉を使わない。いや、正確に言えば、「使わない」というか「使えない」。 もちろん、「この人には使える/この人…
はじめに 78歳であらせられる白石正輝区議に23歳の若造が意見するのも恐縮なのですが、この声が届けば良いなと思い、ここにしたためます。 世の中を良くしたい・少子化…
「出会いアプリ五個くらい入れてるけど、ねえ」 香菜は両眉をあげる。「そんなに?」 「やっぱり出会いアプリはね、彼氏作りに向いてない。ヤリモクが多い」 「それはそ…
シーン16 エンディングハルカたち4人は、夢の島「ネズミーランド」に来ている。この日は、大学の合格発表日。4人は、次に乗るアトラクションを決めるためにベンチで地図を…
シーン15 マナミへの説得〈輝く製薬〉の会議室。マナミとタカフミはすでに座っている。ハルカが会議室に入ってくる。 ハルカは学校の制服姿だが、スラックスとネクタイを…
シーン14 ハルカが母に打ち明けるハルカ、こっそりハルカ宅に戻ってくる。すでに夜は遅い。 しかし食卓には、ハルカ母が座っている。 ハルカ 母: おかえりなさい。 ハル…
シーン13 憩いの場との和解ハルカ家から一時間ほど歩いたところにある大きな公園。ハルカは、一人がけ用のベンチにぽつんと座っている。ベンチはほかに3つあり、それぞれ…
シーン12 ハルカ家の衝突ハルカ、ハルカ家に帰宅。すでにハルカ母とハルカ父は夕食を食べ始めていた。 ハルカ: ただいまー。 ハルカ 母: 遅かったわね。自習? ハルカ: …
シーン11 タカフミからの相談どこかの公園。ハルカはベンチで誰かを待っている。待っている間、何かの参考書を開いている。 タカフミ: ごめん、待たせて。 ハルカ: どう…
シーン10 ヘテローシスを飲ませた結果カナタ、シュンスケ、アカリの3人がいつものように空き教室でだべっている。 カナタはただ机に座っているだけ。シュンスケは問題集を…
シーン9 「ふつう」なハルカ家ハルカ母・ハルカ父・ハルカが帰宅している。巨人の帽子をかぶっていたり、タオルを肩にかけていたり、メガホンをもっていたりと、野球観戦…
シーン8 絶好調の経過報告〈輝く製薬〉の会議室。ヘテロ-シスの経過報告会。 タカフミとハルカは、テーブルに座ってプリントに書き込んでいる。 ハルカ: あー、やっと最…
シーン7 3人、ハルカと話してハルカはなにかの参考書を読みながら歩いている。スカートを履き、リボンを付け、ヘアピンをつけている。 カナタ: ハルカー! シュンスケ: …
シーン6 3人、ハルカをめぐっていつもの空き教室にて。カナタ・シュンスケ・アカリはすでに集まっている。 カナタは、シュンスケに教えられながら問題集を解いている。 ア…
シーン5 円満なハルカ家ハルカ家。ハルカ母とハルカ父はテレビを見ている。 ハルカ 父: あーあーあーあー、そこで暴投か。 ハルカ 母: この子、二、三年前に甲子園に出て…
シーン4 〈輝く製薬〉へ〈輝く製薬〉の会議室。ここはヘテローシスの臨床試験の説明会。空いている二席には、ホチキス止めされたプリントの束とペンが用意されている。 …
2020年10月12日 20:21
僕は、よほどのことがない限り「差別主義者」という言葉を使わない。いや、正確に言えば、「使わない」というか「使えない」。 もちろん、「この人には使える/この人には使えない」というボーダーラインは人それぞれで、そこは色々あって当然だと思う。 したがって、僕がここで書き留めるのは僕なりのボーダーラインというか、ボーダーラインをめぐる自分の中の葛藤を言語化したものにすぎない。「僕の考え方が絶対正
2020年10月7日 03:24
はじめに 78歳であらせられる白石正輝区議に23歳の若造が意見するのも恐縮なのですが、この声が届けば良いなと思い、ここにしたためます。 世の中を良くしたい・少子化を止めたいという真っ直ぐな思いをもって発言したのに、なぜかその発言が差別扱いされる。そんな事態に、驚きと戸惑い、あるいは怒りさえ感じていらっしゃるのではないかと思います。 僕は白石区議の真っ直ぐな思いに敬意を表します。足立区をより
2020年4月11日 23:32
「出会いアプリ五個くらい入れてるけど、ねえ」 香菜は両眉をあげる。「そんなに?」「やっぱり出会いアプリはね、彼氏作りに向いてない。ヤリモクが多い」「それはそうだよねえ」「あー、顔面偏差値、五千兆とかほしかったな。東大生っていう肩書き、全然モテないし」「それなー」、香菜はメニューに目を落とす。「はーあ」 運動会系の学生たちを視野のすみにおさめながら、ジョッキを傾ける。着ているジャージ
2019年12月16日 08:23
シーン16 エンディングハルカたち4人は、夢の島「ネズミーランド」に来ている。この日は、大学の合格発表日。4人は、次に乗るアトラクションを決めるためにベンチで地図を開いて相談している。
シーン15 マナミへの説得〈輝く製薬〉の会議室。マナミとタカフミはすでに座っている。ハルカが会議室に入ってくる。ハルカは学校の制服姿だが、スラックスとネクタイをしている。マナミ: ああ昨日は夜遅くのお電話すみま――あれっ! その格好はどうしたんですか?ハルカ: あとで話します。それよりも相談したいことってなんですか?マナミ: ああ……。えっと、そうですね! うん。そうしたらそこに。ハル
2019年12月16日 08:22
シーン14 ハルカが母に打ち明けるハルカ、こっそりハルカ宅に戻ってくる。すでに夜は遅い。しかし食卓には、ハルカ母が座っている。ハルカ 母: おかえりなさい。ハルカ: ……ただいま。ハルカ 母: お腹は? 空いてる?ハルカ: ううん。ハルカ 母: そう。ハルカ: ……。ハルカ 母: 大丈夫?ハルカ: うん。ハルカ 母: 何か言いたそうじゃない。ハルカ: ……あのさ、自分、やっ
シーン13 憩いの場との和解ハルカ家から一時間ほど歩いたところにある大きな公園。ハルカは、一人がけ用のベンチにぽつんと座っている。ベンチはほかに3つあり、それぞれ等間隔で設置されている。すでにヘテロ―シスの効果は切れており、ハルカは自分の今の格好(スカート、長い髪、etc.)にうんざりしている。父との喧嘩もあいまって、どうしたら良いのか、どこに行けばいいのか、わからない。アカリ: (舞台袖か
2019年12月16日 08:21
シーン12 ハルカ家の衝突ハルカ、ハルカ家に帰宅。すでにハルカ母とハルカ父は夕食を食べ始めていた。ハルカ: ただいまー。ハルカ 母: 遅かったわね。自習?ハルカ: まあ、そんな感じ。ハルカ母、食卓にハルカの分の食事の準備をしている。ハルカ 母: 期末テストは大丈夫そう?ハルカ: うん。ハルカ 母: 進路表は?ハルカ: 出さなきゃ。ハルカ 母: 明日までって言ってなかった?
2019年12月16日 08:20
シーン11 タカフミからの相談どこかの公園。ハルカはベンチで誰かを待っている。待っている間、何かの参考書を開いている。タカフミ: ごめん、待たせて。ハルカ: どうしたの? 急に。タカフミ: ちょっと、ね。ハルカ: ふーん。タカフミもベンチに座る。タカフミ: ちょっと、なんだろう。相談したいことが、あって。ハルカ: なに?タカフミ: ……ハルカってさ、今幸せ?ハルカ: え?
2019年12月16日 08:19
シーン10 ヘテローシスを飲ませた結果カナタ、シュンスケ、アカリの3人がいつものように空き教室でだべっている。カナタはただ机に座っているだけ。シュンスケは問題集を解いている。アカリはやはり『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』を読んでいる。カナタ: もうすぐ期末とか最悪すぎるーー。アカリ: 今回は赤点何個目指すんですか? 九個?カナタ: うるせーー。シュンスケ: そろそろ
シーン9 「ふつう」なハルカ家ハルカ母・ハルカ父・ハルカが帰宅している。巨人の帽子をかぶっていたり、タオルを肩にかけていたり、メガホンをもっていたりと、野球観戦に行っていたことがわかる。ハルカ 母: あのときの盗塁が良かったわねー。ハルカ: あれなかったら多分負けてた。よね?ハルカ 父: ああ。ハルカ 母: ちょっと久しぶりにはしゃいじゃったわ。ハルカ: もうさ、超恥ずかったんだけど。
2019年12月16日 08:18
シーン8 絶好調の経過報告〈輝く製薬〉の会議室。ヘテロ-シスの経過報告会。タカフミとハルカは、テーブルに座ってプリントに書き込んでいる。ハルカ: あー、やっと最後の質問!タカフミ: うん。ハルカ: (書き込みながら)なんか今日、会ったときからずっと元気ないけど。大丈夫?タカフミ: ……うん。……だいぶ変わったね。ハルカ: でしょ? (ハルカを上下観察して)もう普通の女の子。タカフミ
シーン7 3人、ハルカと話してハルカはなにかの参考書を読みながら歩いている。スカートを履き、リボンを付け、ヘアピンをつけている。カナタ: ハルカー!シュンスケ: やめたほうがいいって。アカリ: そうですよ。ハルカは、その声がしたほうを一瞬見て、慌てて参考書に目を戻す。カナタが舞台に入る。カナタ: ハールカ。カナタ、ハルカの前に行くが、ハルカは参考書に夢中のふりをして避ける。
2019年12月16日 08:17
シーン6 3人、ハルカをめぐっていつもの空き教室にて。カナタ・シュンスケ・アカリはすでに集まっている。カナタは、シュンスケに教えられながら問題集を解いている。アカリは『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』という本を読んでいる。カナタ: え、なんでそーなるの?シュンスケ: ここはこうじゃん? っていうことはこうなって、解けるじゃん。カナタ: え、でもこの条件だとこうなってるよ
2019年12月16日 08:16
シーン5 円満なハルカ家ハルカ家。ハルカ母とハルカ父はテレビを見ている。ハルカ 父: あーあーあーあー、そこで暴投か。ハルカ 母: この子、二、三年前に甲子園に出てたわね。ハルカ 父: この調子じゃ二軍落ちだな。ハルカ 母: そういえば前、三人で東京ドーム行ったわねえ。ハルカ 父: あー、あったな。ハルカ 母: まだハルカも中学生の頃ねえ。ハルカが帰宅する。スカートとリボンのほか
シーン4 〈輝く製薬〉へ〈輝く製薬〉の会議室。ここはヘテローシスの臨床試験の説明会。空いている二席には、ホチキス止めされたプリントの束とペンが用意されている。ヘッドホンをつけて単語帳で勉強しながら、ハルカが入ってくる。そして空いている席に座る。置いてあるプリントをペラペラとめくって読み始める。その次に、猫背気味でマスクをつけているタカフミが入ってくる。ハルカの隣の空席を埋め、プリントを手に取