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Mizuho Toyotomi 【短歌】 通販: https://c2at2.boo…

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Mizuho Toyotomi 【短歌】 通販: https://c2at2.booth.pm/   ご依頼: 3zuhotori★gmail.com

記事一覧

toron*歌集『イマジナシオン』を読んで

 toron*さんの歌集「イマジナシオン」は、2022年2月に書肆侃侃房から出版された。出版情報が回りはじめてすぐに、Twitterやインターネットでも話題となった一冊である。何…

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1年前
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【匿名配送はじめました】短歌同人ねこくるよ

短歌同人ねこくるよ管理人の豊冨瑞歩です。 平時より短歌同人ねこくるよを応援してくださっているみなさま、誠にありがとうございます。 以前から通販サイトとしてBOOTH…

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1年前
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杉山太郎歌集『花鋏の音』を読んで

 杉山太郎さんの歌集『花鋏の音』は、2022年5月に青磁社から出版された。発行から何度も読み返して、感想を何度も書き直して、今日ようやく以下の文章として自分なりに納…

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1年前
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飯島晴子第一句集『蕨手』読書会に参加して

 先日、東大俳句会の学生読書会における、飯島晴子の第一句集『蕨手』(わらびて)の読書会に参加した。簡単な言葉で表すと「怖い」俳句が多い印象だった。聞くところによ…

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1年前
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告知(あみもの短歌とネプリ)

こんにちは。 短歌に関する告知です。 ・あみもの短歌 短歌連作(6首)を寄稿しています。 p.12「他人とわたし」豊冨瑞歩 こちらからお読みいただけます。 ・…

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2年前
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1・2月のねこ歌会(オンライン) ねこくるよ 記録

短歌同人ねこくるよのメンバーで、テーマ詠「虎」・字題「雪」・字題「夢」で1・2月のねこ歌会(2022)を行いました。 本記事は、その歌会記録になります。 ↑…

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2年前
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#2021年の自選五首を呟く

昨年は大変お世話になりました。 今年もよろしくお願いいたします。 #2021年の自選五首を呟く  というハッシュタグがTwitterにあったので、こちらでも書いてみることにし…

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2年前
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忘年歌会2021 ねこくるよ

2021/12/28 記 はじめに短歌同人ねこくるよのメンバーで、破調・テーマ詠「クリスマス」・テーマ詠「防寒具」でオンライン忘年歌会を行いました。 本記事は、その歌会記…

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2年前
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岡本幸緒歌集『ちいさな襟』を読んで

日比谷線神谷町駅午前九時なだらかな坂のぼりてゆけり /岡本幸緒『ちいさな襟』「ちいさな襟」  ちょうど先日、日比谷線を使って神谷町駅に降り立ったところだった。神…

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2年前
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短歌同人ねこくるよ 通販開始のお知らせ

11月23日(祝)文学フリマ東京 お疲れ様でした。 大盛況の中、私自身も【セ-26】短歌同人ねこくるよ の売り子として一日中楽しむことができました。初めて直接ご挨拶でき…

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2年前
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田中律子歌集『森羅』

プレミアムフライデーには菜の花をいつぱい摘んであなたとねむる /田中律子『森羅』「木の芽月ーー春を病む」  プレミアムフライデーという制度は、2017年に個人消費額…

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2年前
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『寒気氾濫』を読んで

神でさえ弛んでおればぶよぶよのつぶしてみたき満月のぼる /渡辺松男『寒気氾濫』「橋として」 キャベツのなかはどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする…

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2年前
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『星貌』堀田季何 を読んで

俳句共和国アルペジオの音は同時に消える /堀田季何『星貌』  「俳句共和国」がもし目の前に用意されたとして、わたしたちは入国しようとするだろうか。わからない世界…

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2年前
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toron*歌集『イマジナシオン』を読んで

 toron*さんの歌集「イマジナシオン」は、2022年2月に書肆侃侃房から出版された。出版情報が回りはじめてすぐに、Twitterやインターネットでも話題となった一冊である。何度も読み返して、今日ようやく自分なりに納得できる形の感想となった。

 toron*さんの短歌は、言葉ひとつひとつがとても美しく繊細に光っている。丁寧な観察により、読者の心に響く歌となっているように感じる。

 また、本歌

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【匿名配送はじめました】短歌同人ねこくるよ

短歌同人ねこくるよ管理人の豊冨瑞歩です。

平時より短歌同人ねこくるよを応援してくださっているみなさま、誠にありがとうございます。

以前から通販サイトとしてBOOTHを利用させていただいておりますが、この度「あんしんBOOTHパック」による匿名配送(送料:370円)をはじめました。

匿名配送に対応した商品は、「ねこくるよ No.4」(新刊)、「ねこくるよNo.2」(既刊)、「ねこくるよ No.

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杉山太郎歌集『花鋏の音』を読んで

 杉山太郎さんの歌集『花鋏の音』は、2022年5月に青磁社から出版された。発行から何度も読み返して、感想を何度も書き直して、今日ようやく以下の文章として自分なりに納得できるかたちとなった。本書は塔21世紀叢書第408篇にあたる。笹の絵をはじめとした和風なデザインに、質感のよい表紙という美しい装丁である。

 ページを捲ると、歌が始まるよりも前に「序文」として栗木京子さんの解説を読むことができる。先

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飯島晴子第一句集『蕨手』読書会に参加して

 先日、東大俳句会の学生読書会における、飯島晴子の第一句集『蕨手』(わらびて)の読書会に参加した。簡単な言葉で表すと「怖い」俳句が多い印象だった。聞くところによると、飯島晴子は吟行によって句作しているとのことであるが、『蕨手』における作品では、吟行で見える景色よりもかなり深いところで詠まれたものが多い気がして、句作の過程が不思議である。
 飯島晴子は句作開始から2000年までの間に第六句集まで出し

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告知(あみもの短歌とネプリ)

こんにちは。
短歌に関する告知です。

・あみもの短歌

短歌連作(6首)を寄稿しています。

p.12「他人とわたし」豊冨瑞歩

こちらからお読みいただけます。

・外大短歌にゆかりのある人ネプリ

外大短歌会ネットプリント

短歌連作(5首)を寄稿しています。

p.1「どうする」豊冨瑞歩

他にもテーマ詠や俳句など……

コンビニのコピー機で、2022年3月29日23:59ま

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1・2月のねこ歌会(オンライン) ねこくるよ 記録

短歌同人ねこくるよのメンバーで、テーマ詠「虎」・字題「雪」・字題「夢」で1・2月のねこ歌会(2022)を行いました。

本記事は、その歌会記録になります。

↑ 新刊です!

【虎】

あなたには湧かない興味 虎の顔していても虎柄の服でも  (豊冨瑞歩)

環状線回り続けて臆病なわたしの虎をバターに変える  (れもんぜすた)

寅年は勇猛果敢になりたいね、そしたら私を守ってほしい 

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#2021年の自選五首を呟く

昨年は大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
#2021年の自選五首を呟く  というハッシュタグがTwitterにあったので、こちらでも書いてみることにしました。

空いているバスで立ってて怒られてゆっくり座るところを探す

お互いにそうなんだろうけどよくもそんなに友達面できるよね

奇跡的にわたしから好きになった犬とときどき駆け回る夢の中

目の前でぽよぽよ跳ねる球体がわたし

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忘年歌会2021 ねこくるよ

2021/12/28 記

はじめに短歌同人ねこくるよのメンバーで、破調・テーマ詠「クリスマス」・テーマ詠「防寒具」でオンライン忘年歌会を行いました。

本記事は、その歌会記録になります。

歌会記録(◎ 首席歌)

・破調っぽい自由詠

じゃあこれがよいお年をになる夜だ うつむいたら足を出す速さできらきらする雪 (ワトゾウ)

バカの飯、バカの音楽、めちゃめちゃ最高なものに対する賛辞がバカ (鴇

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岡本幸緒歌集『ちいさな襟』を読んで

日比谷線神谷町駅午前九時なだらかな坂のぼりてゆけり /岡本幸緒『ちいさな襟』「ちいさな襟」

 ちょうど先日、日比谷線を使って神谷町駅に降り立ったところだった。神谷町駅周りの坂はゆるく長く続いて、例えばそのうちの一つの坂を登った先にあるオークラプレステ―ジタワーの正面エントランスは、一階ではなく五階に位置している。自然と人工物のバランスがとてもよい綺麗な道で、感覚的にも大変な勾配というわけではなか

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短歌同人ねこくるよ 通販開始のお知らせ

短歌同人ねこくるよ 通販開始のお知らせ

11月23日(祝)文学フリマ東京 お疲れ様でした。
大盛況の中、私自身も【セ-26】短歌同人ねこくるよ の売り子として一日中楽しむことができました。初めて直接ご挨拶できた方も多く、とても嬉しかったです。

「短歌同人ねこくるよ」は、短歌とねこちゃんを楽しむ仲間8人で構成されています。昨年の12月から活動を開始し、月一で歌会を行ってきました。今年春の文学フリマ東京で短歌同人『ねこくるよ』No.1とい

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田中律子歌集『森羅』

プレミアムフライデーには菜の花をいつぱい摘んであなたとねむる /田中律子『森羅』「木の芽月ーー春を病む」

 プレミアムフライデーという制度は、2017年に個人消費額の向上をねらって日本政府と経済界が提唱したものである。月の最終金曜日に社員が残業をしなくてよい会社があるのはそのためだ。このおかげで、例えば旅行業界の売上高は大きく向上したと言われており、消費の拡大に効果的な制度だったと証明されている

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『寒気氾濫』を読んで

神でさえ弛んでおればぶよぶよのつぶしてみたき満月のぼる /渡辺松男『寒気氾濫』「橋として」

キャベツのなかはどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする /渡辺松男『寒気氾濫』「橋として」

土という滅びる巨人ほろびつつ樹根まるごと抱きて眠る /渡辺松男『寒気氾濫』「橋として」

 大学歌会のあとで短歌に詳しい先輩から、最近気になる歌集として、現代短歌クラシックス『寒気氾濫』(渡辺松男)

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『星貌』堀田季何 を読んで

俳句共和国アルペジオの音は同時に消える /堀田季何『星貌』

 「俳句共和国」がもし目の前に用意されたとして、わたしたちは入国しようとするだろうか。わからない世界とは、最上の興味と最上の恐怖を煽るものである。また、「アルペジオ」として最初に鳴らした音が最後に鳴らした音の終わりまで続くとき、見せられているのは音の寿命の差異だろう。世の中のものの寿命に差があるという現実も、同じように興味と恐怖を思わせ

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