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20190101〜/コラムや日記、メモリ〜

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#コラム

大河ドラマ「いだてん」にはなぜ落語が必要だったのか

大河ドラマ「いだてん」にはなぜ落語が必要だったのか

箱根駅伝の季節が、今年もやってきた。

昨年もやっぱり箱根を見ていたのだけれど、コレ☝︎にも書かれているとおり、わたしが住んでいる家には、テレビがない。

ただし、実家を除いては、だけれど。

実家のハードディスクには、わたしが録画をお願いしていた番組や映画、舞台がはちきれないデータ量で溜まっている。

今回の年末年始の帰省で、一気見したのは大河ドラマ「いだてん」。

いままさにデットヒートを繰り

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2020年は、次の世界へ

2020年は、次の世界へ

2020、という数字の並び。

令和(れいわ)、という音の響き。

「サイエンスフィクションが、ノンフィクションに呑みこまれてもおかしくない、容赦ない未来がやってきた」と思わずにはいられない、単語と時代のシンクロ率の高さ。

そんな容赦ない2020年は「たくさんつくる」、そして「たくさん学ぶ」年にしたいな、と。

2019年は、2018年よりたくさん本を読めたかなと思う。

本を読むことは、時間が

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好きでいつづけたいから、離れていよう

好きでいつづけたいから、離れていよう

フィンランドのアーティスト、トーベ・ヤンソンの伝記を読んでいる。

トーベのいくつかの恋のエピソードを読んだけれど、彼女は付き合いが終わった恋人たちと、友人でいようと心がけ、実際に生涯の良い友人になったという記述が目立つ。

異性と友人関係が結べるのか否か……などという問いは、もうそろそろ昭和と平成の遺物になるのだろうか。

「異性同士でも友人関係は結べる」というのがわたしの答えだけれど、異性であ

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絵本『ビビを見た!』を読んで

絵本『ビビを見た!』を読んで

ぜひ読んでほしい、と借りた絵本『ビビを見た!』。

福岡アジア美術館で版画展を見たのは、たしか1年前。

その後、下川町から北上して1時間もかからない音威子府村(おといねっぷむら、と読みます)にある彫刻家, 版画家の砂澤ビッキの美術館への訪問が決め手で、木版画の力づよさにノックアウト。

以来、木の質感と彫りの躍動に、すっかり心うばわれてしまっていた。

ゆえに『ビビを見た!』の挿絵の版画たちは、

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電力を自給するイーストロンドンの劇場「Arcola theater」(アルコラシアター)のこと

電力を自給するイーストロンドンの劇場「Arcola theater」(アルコラシアター)のこと

2011年の3月11日に、震災が起きた。

その2週間後くらいに、わたしは池袋の東京芸術劇場にいた。

だいすきな野田秀樹氏の舞台を観るためだ。

今でこそ何もかも忘れて浮かれたような電飾で明るい都内だけれど、当時は節電と、発電所の停止で、広告の電子掲示板やきらびやかな照明などがことごとく消え、くわえて文化芸術にまつわるイベントなどは、軒並み延期や中止になった。

そのさなか、『南へ』という野田秀

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「甘え下手」の真実

「甘え下手」の真実

「甘える」ということについて、考える。

先日、数年来の友人たちと話をして、話題はわたしの甘え下手っぷりについて、展開された。

(物理的に)相手に身を委ねたり、(概念的に)事の展開を委ねたりするのが、苦手なわけではないけれど、どこか常に身構えている。

「わたしはこういうスタンスで、あなたと向き合っています」と一線を引く感じ。嫌味でも謙遜でもなく、そうした方がお互い実りのある時間になるでしょう─

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「わたしのためのもの」でないなら忘れられてしまう

「わたしのためのもの」でないなら忘れられてしまう

人間というのは、たいそう弱い。

「絶対に痩せるぞ」と意気込んだその日の夜に、お菓子をつまんでしまったり。

「明日から本気出す」と言っているうちは、本気が出ない。

「小説家になりたい」と言いつつ、一作も小説を書いたことがない人がいるように。

弱さを知っているから、ごまかすように、都合のいいことばかり覚え書きをして。

かく言うわたしも、12月から平日毎日noteを更新しようと決めたのに、出張

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学歴コンプレックスは癒せないけれど

学歴コンプレックスは癒せないけれど

11月24日に行われる「文学フリマ」@東京で、ふたたび冊子を出せることになりました。

「創作メルティングポット」のメンバーで、小説を書くのはこれが3作目だ。

・下戸がうらやむ怒りと酒【創作メルティングポット#06】
・「好きだからふれられない」という愛情表現と無限セクシュアリティ

「酒呑みに告ぐ」シリーズは、リライトして再編集版を出そうかと思っている。

自由演技(1回目)、百合(2回目)と

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キラキラしていてよ、東京。

キラキラしていてよ、東京。

三年間という期限付きの制度を使って、北海道へ引っ越して、二年半。

あと半年で、いったんのリミットが来る。

最近は──というか移住後二年が経過してすぐ、リミットが来た後のことは、ずっと考えているのだけれど。

「こうなったらいいな」という未来はあるも、そうは問屋がおろさない。

あれこれ声を上げてみたり、プレゼンテーションしてみたりするけれど、なかなか歯車は噛み合わない。

いわゆる就職活動的な

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たましいが抜けたあと

たましいが抜けたあと

noteのアプリを立ち上げたら、こんな企画が始まっていた。

なんてタイミングだ。

しかも、よりによって、アイキャッチ写真がゴールデンレトリバーだ。

わたしたちの家族は、つい1週間前、逝ってしまったばかりだというのに。

カーロは、2008年に我が家にやって来た。

千葉の房総半島出身、英国ゴールデンで毛が白いのが特徴。

くりん、としたまん丸の目は、歳を重ねるほどますますまん丸になっていった

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「好きを仕事に」は無理でした

「好きを仕事に」は無理でした

今日、同僚のお姉様から「あなたはいつから書くことを仕事にしたいと思ってた?」という質問を受けた。

うーん、と考えて、一番最初に物語を作って書いたのはもう何歳かも覚えていない頃でしたね、と答える。

それから自分で小説を載せるウェブサイトを作ったり(HTMLで)、ブログを作ったりして、27歳の今もこうして飽きもせずnoteを書いているし、わたしが書いた原稿にお金を払いたいと言ってくださる方もいる。

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「好きな人」と「好かれたい人」はいつも同じ、ではない

「好きな人」と「好かれたい人」はいつも同じ、ではない

「この人に好かれたい」という欲求は、きっと誰しも一度は持ったことがある。

親に好かれたい。

彼氏に好かれたい。

友達に好かれたい。

憧れているあの人に、好かれたい。

でも、「この人に好かれたい」と思っている相手と「好きな人」は、いつも完全に一致するわけではなかったりする。

「好かれたい」のはつまり「認めてほしい」から──なんてことも、ある。

もっと言えば「あなたに認めてもらいたい」と

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米寿の日

米寿の日

祖母、今日で、88歳。

末広がりの数字が、ふたつ。縁起のいい年齢として“米寿”と呼ばれる歳だ。

祖父は、もう15年以上前に他界してしまった。

旅行が好きで、よく夫婦で旅をしたという。

祖父は研究者で本をよく読んでいたし、祖母もまた読書家だ。

祖母は、昔から手先が器用だった。

わたしが小さいころ、シルバニアファミリーの人形数個と、持ち運びのできるお菓子の家だけ買ってもらったが、大きな家だ

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「スーパースター」に会える日は

「スーパースター」に会える日は

椎名林檎がボーカルをつとめていたバンド「東京事変」の楽曲の一つに「スーパースター」という曲がある。

ファンのあいだではよく知られているけれど、「スーパースター」の歌詞は、椎名林檎が野球選手のイチローを想って書いたものだ。

わたしが東京事変、ならびに椎名林檎沼に10000000%落ちてしまったのも、この「スーパースター」がきっかけだった。

ちなみに、アルバム「大人」に入っている「スーパースター

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