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aoi minakami
2021年4月8日 12:52
詩集[poèmes](ポエムス)は2020年、ドイツ人陶芸家Tina Kentnerと合同で開催した<poems & pottery> (詩と陶芸) 展で発表された作品をまとめた詩集です。当時の二人の活動・生活拠点であった京都の身近な自然や季節の移り変わりをインスピレーションに、バッググラウンドや創作ジャンルの違う二人の世界観が交差しました。⇨ note マガジン exhibition "po
2020年8月5日 12:07
昼の残りのクスクスとドレッシングをさっとかけたトマトフランボワーズが隠し味に効いたライス・サラダ食後の温かい紅茶遠浅の海をあっという間にかけていきインクのにじみみたいになった子供達の影薄いピンクから水色、グレーのグラデーションを描きながらゆっくりと暮れていく、イエールのサンセットまだ暖かさを残した砂浜淡い色合いの中に浮かんでいる白いヨット強くなりはじめた夜風などものとも
2021年2月13日 22:16
閉じられた日々の中で日常は静かに循環していた。外から人が来なくなったとて人々が一時この街を忘れ去ったとて我々の日々は進んでいく。密集していた人や車の数が減り、以前より静かな日々にはなったけれども…2020年は確かに例年と違うことも多かった。毎年人でごった返す、桜が満開の川辺は細々と花見客が歩いているだけだったし、真夏の日差しが降り注ぐ、早朝の大通りも往来がまばらで空いて
2022年10月19日 16:18
雨戸の隙間から夜明けの気配が漏れ出るテラスから見える仄かな青い、海と空海沿いの街灯と集合住宅のいくつかの明かり海辺の道路をもくもくとランニングする人につれられ半ば勢いで外へ飛び出す一歩一歩踏み出すごとに白み始めた空がじゅわり、じゅわりと暁の朱に染まる海沿いの道を過ぎ去っていく車たち…一日はもう始まっている車の切れ目を縫って向いの通りへ海に背を向けて、丘の階段を
2020年7月30日 15:32
石のアパートに挟まれた狭い路地早朝の清浄な空気光はまだ届かず濃い影が落とされるどん突きに海の青が見えるここからは眩しさにはほど遠い彼方のきらめきと足元のざわめきの両方に引っ張られるように一つしかない体はもどかしげに歩を進める背の高い扉勇壮な細工を誇るファサードは経年や排気ガスのために煤けそれが何とも言えぬこの街のルーズさを代弁しているきまぐれに通りを曲がり
2020年8月20日 21:35
帰国前の最後の日曜明と美礼はどちらが声をかけるでもなく連れ立って出かけていった午後の広場は春を先取りしたような陽気に包まれ冬ごもりをしていた人々が陽光とビールを求めて集まっていた冬場はなかなか太陽が姿を現さない降り続ける雨がハタとやみ雲の切れ目から一瞬光が差すと通りでも市電での中でも人々は一瞬動きを止めて、空を見上げるそして見知らぬ者同士でも顔を見合わせながら微笑み合