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もうとっくに終わってるはずだった「LAST&SEX」の事。
ついに幕が開きます。石田衣良さん原作「LAST&SEX」
4話中の1話「ラストホーム」の脚色をしました。
脚色コンクールの入選作品です。
思えば脚色ってどうやるんやろうと、手探りで指定されてた石田衣良さんの作品を読んだのももうおととしのこと。
読んですぐこの作品しかないと思って「ラストホーム」を選び舞台作品へと再構築していきました。
内容は深く言いませんがホームレスの話です。
そして僕は勝
「むすびかずら」九話 K君の思い
先生の残した手記はここで終わっている。
この手記は先生の鞄の中に残されていたものだ。
先生の消息が分からなくなり随分経ってから、ボランティアで捜索してくれていた人がZ町の山中で鞄を発見した。
その鞄は木のツタに複雑に絡みつき、幹にのめり込みそうなほどの状態であったらしい。
ボランティアの人は首をひねりながら、最近ツタに絡まったとは思えないほど木と一体化していたと言っていた。
鞄の中は原稿
「むすびかずら」八話 蛇目
もじゃもじゃ頭の歯が2本しかない男。
突然現れたその男にもう今日のバスはない事を告げられた私は男の言われるまま、いや男の厚意に甘えてZ町まで車で乗せていってもらう事にした。
不安がなかったと言えば嘘になるが、これも何か導きのようなモノなんだろうと腹をくくった。
もじゃ男の車は、サビだらけの軽ワゴン車で走り出すと尻がむずがゆくなった。
「先生はついてますな。あそこに一日いても、人っ子一人会わ
「むすびかずら」七話 訪問
夕べあれほど見送りは結構と言ったのにK君夫妻は駅まで来てくれた。
昨日見せた切符の時刻を記憶していたらしい。
遠慮などではなく列車の見送りはほんとに苦手だった。今生の別れでなくとも車窓から小さくなっていく知己を見ていると引き裂かれるような、二度と会えぬような気がして苦しくなってくる。
なので、列車の中ではしばしセンチメンタルな心持になっていた。
列車が動いてしばらくしてから、咲さんが持たせて