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ちいさいひとたちと

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子どもとの関わりにおいて、「見ること」を大事にしたい。なにしてる?どんな顔してる?なに見てる? このマガジンには、その振り返りを中心に、子育て記事をまとめていきます。 ちいさいひ… もっと読む
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記事一覧

お母さんの請求書

お母さんの請求書

お母さんの請求書。
そんなタイトルのエピソードが、小学校のころの道徳の教科書にあった。

去年、息子が「学校の授業で、“お母さんの請求書”っていうのを読んだよ」と言うので、「今も同じのあるんだ」と驚いた。

あらすじは上のリンクが参考になると思う。
私としては、子どものころも、今思い出しても、少し腑に落ちなかった。
そのお母さんの行動は、少し意地が悪い気がする。
息子が書いた、手伝いに対する手間賃

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私は私の親より良い親だろうか

私は私の親より良い親だろうか

私は、私の両親より良い親だろうか。

無意味な問いとは分かりながら、時々、そんなことが心をよぎる。

私の両親には、良いところもあった。
ただ、子どもに対して関心が薄かった。

私には2歳違いの姉がいて、彼女にとって私は邪魔者だった。姉も両親からの関心を思うように得られない、と感じていたのだろう。いろいろとつらいことがあり、私は子どもの頃、早く大きくなって姉と別々に暮らしたい、と思っていた。
姉が

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去年より60日短い夏休み

去年より60日短い夏休み

スペインの小学校と日本の小学校、違いはなんだろう?

息子の小学校(日本)の個人面談で、先生とこんなやり取りをした。
先生「仲の良い友だちもできて、授業も積極的に参加していますよ」
私「息子は日本の小学校はほとんど通ったことがなかったけれど、馴染めているようでよかったです」
先生「スペインの学校はどんな感じだったんですか?」

先生の質問に対し、私は、「モンテッソーリ教育の学校だったので、スペイン

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大人の欠点

大人の欠点

大人の欠点は、しゃべりすぎることかもしれない。

柚木麻子の小説「本屋さんのダイアナ」。何かも正反対な2人の女の子が出会い、互いに惹かれたり反発したりしながら成長していく物語。

私が図書館で借りてきたのを中2の娘が先に読んだ。一旦読み終わった後もパラパラページをめくったりして、なにか感慨があるようだった。続いて私も読んだ。興味深いストーリーで、先が気になって数時間で読み終えてしまった。
娘の年代

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私が教育に求めること:感受性を眠らせないこと

私が教育に求めること:感受性を眠らせないこと

教育の目的はなんだろう?私が自分の子ども達の将来に関して、望んでいることはなんだろう。

私の子ども達(日本で言えば、中学1年と小学2年)は、モンテッソーリ教育を取り入れた学校に通っている。以前、メキシコでも同様の学校に通っていた。けれど、実は私自身はモンテッソーリ教育とはどのようなものかよくわかっていなかった。
日本にいる母から、「どんなものなの?」と尋ねられて、「一人一人の興味とか特性を尊重す

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大丈夫。

大丈夫。

息子(7才)と娘(12才)が、ソファに並んで座っていた。
3人掛けのソファを、彼らは勝手に半分に分けてそれぞれの領土としている。その境界線から、息子の肩がはみ出した。姉は黙って押し返す。弟は怒って姉を蹴る。
それを見ていた父(私の夫)が、「そんなことしたらだめだよ。お姉ちゃんに謝って」と言う。

そこで、息子の場合、どうなるか。
もちろん謝らない。
言い聞かせようとすると、怒りの矛先は父に向かう。

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サンタクロースっているんでしょうか

サンタクロースっているんでしょうか

小学1年生のクラスの保護者のWhatsAppグループで、こんなメッセージの共有があった。

ネズミのペレスは、子供の抜けた乳歯をお金と交換してくれるネズミ。枕の下に入れておいた歯が、朝になると硬貨に変わっている、というやつ。
東方三博士は、1月6日に子供たちにプレゼントを持ってきてくれる。スペインでは伝統的にはサンタクロースではなく三博士だったのが、最近は両方からもらえたりするらしい。

つまり、

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スマホがなかった頃は?

スマホがなかった頃は?

数年前、日本で知人一家と食事をした際、知人の子どもたちがスマートフォンでゲームをして過ごしていることが印象に残った。
私自身は家族を伴っていなかった。
そもそも、その店に小さい子を連れてくるというので、「大丈夫かな?」と私は思っていたが、彼らは外食時はいつもそのスタイルで解決しているみたいだった。
おかげで、大人たちはゆっくり話せたけれど。

さて、スペインの食事時間は日本より遅い。しかも、おしゃ

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類推

類推

日本で言うと、小学1年生の息子。
言葉に興味がある。

今朝、クローゼットを片付けている私のところにやって来て言うには、「ひとつ前の秒ってなんて言う?」
私「1秒前、かな」
息子「ふぅん…」
なにか考えている顔。
息子「“去年”があるから、“きょびょう”もあると思うけど」
ふむ。

先日もこんなことがあった。
私の読んでいる本を覗いていた息子。
「“こせつ”があるなら、“だいせつ”もあるかな?」

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散歩/ハモン

散歩/ハモン

マドリードは日ごとに夏らしくなってきた。午後はプールの水が心地よい。

それでも、朝晩は涼しい風が吹く。
週末の朝は、早起き仲間の息子と二人、散歩に出る。

マンションの庭を抜け、重い鉄の門を押し開ける。
昼間は車の行き交う大通りも、朝7時なら、まだ静かだ。通りの反対側に渡り、マンサナレス川に向かって階段を降りる。

川沿いの遊歩道を一回りして、鴨の親子を観察する。息子は芝生のスプリンクラーで水遊

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お金ないからカレー

お金ないからカレー

今は10代の娘が幼かった頃。
スーパーで買い物をしていて、私と同じように赤ちゃんを抱っこしたお母さんとすれ違った。
その人は、5歳くらいの女の子の手を引いていた。
女の子が「今日のご飯は?」と尋ねた。
お母さんは、「お金ないからカレー」
抑揚のない声で答えていた。

なぜこのことが記憶に残っているのだろう。

カレーって安上がりなの?と、率直な疑問を覚えたからかもしれない。

それより、「お金ない

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ゲームが楽しいんだなぁ

ゲームが楽しいんだなぁ

夕食の準備ができた時、息子がゲームをしていたので、やめるように言った。いつもの約束事として、自分でタイマーをセットしてゲームをするのだが、そのタイマーではもう少し時間が残っていた。タブレットを片付けたものの、いいところだったらしく、彼は納得がいかなかったようだ。私と上の子は食事を始めたが、息子は私をにらんで泣いていた。
どうしたの?なあに?と聞いても、なにも言わない。ただ、一定の執念で泣き続ける。

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5才児語録 番外編

5才児語録 番外編

今回の5才児は、息子ではない。

先日、父と、私の子どもたちと車に乗っていた。

5才の息子はガソリンスタンドの洗車機が好きで、その話をしていた。

父「洗車中に窓、開けたらどうなるかな。顔を出したら、家で顔を洗わなくてよくなるよ」

ここに、もう一人の5才児がいた。

5才児語録 #7

5才児語録 #7

よくある話…

(1)たぬきの鳴き声は?
「たぬたぬ」

(2)まっすぐな穴を掘れば、地球の反対側にいけるかな
私「でも、反対側に出る時、足から飛び出しちゃうよね」
5才児「頭から飛び込めばいい!」