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映画、ドラマなどなど

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凡庸”映画”雑記「異人たち」多少ネタバレ

凡庸”映画”雑記「異人たち」多少ネタバレ

異人たちを観る。

とても地味な映画。されど、良い映画。

山田太一作。大林信彦監督の映画。これを、海外で元として映画化した。基本的な物語は同じ。最後のどんでん返しも。

良質で良心的に丁寧に作品を撮っているのが、好感が持てる。大林監督が彼独特の映像マジックで、ドラマティックな部分のある作品にしていたが、こちらは呆気ないほど、日常と異が重なり合う。その辺の差異のなさに、誠意と物足りなさを感じた。

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凡庸”映画”雑記「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」

凡庸”映画”雑記「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」

このアニメ全体に流れる、儚さと危うさが、とても惹かれてしまう。
何気ない普通の日々が、柔らかに流れる中、手の施しようもない破滅の姿。この塩梅の良さが、作者の知性と感性の高さを感じさせる。

なぜだか、破滅の姿を見せる物語が好きだ。

とても惹かれてしまう。これは侘び寂び、儚さを、つい口にする日本人の性なのだろうか。でも、愛している全滅の物語は海外製ばかりだ、「ハローサマー、グッドバイ」や「渚にて」

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凡庸“ドラマ”雑記「沈黙の艦隊」

凡庸“ドラマ”雑記「沈黙の艦隊」

どうしても国とか世界とか、その中で繰り広げられ厳しいやり取りなど、日本の中で日々あくせくしていると、我関せずとなってしまう。

世界の中の、日本という国の国民だから、自分と直結しているに違いない。だけど、遠い世界の物語として、世界中で行われている様々な、現実を捉えてしまう。

それどころか、日本国内での政治に対しても、傍観を決め込んでいる。恥ずかしい事だ。

世界の中で、今まで微妙な力のバランス関

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凡庸雑記「ゴールデンカムイ」これから楽しみにしている人には悪しからず(ネタバレはないけれど)

凡庸雑記「ゴールデンカムイ」これから楽しみにしている人には悪しからず(ネタバレはないけれど)

映画の「ゴールデンカムイ」が評判が良いので観てきた。

アニメを絶賛している身としては、どんなもんだろうかと、怖いもの見たさで映画館に足を運んだ。

初めは観るつもりは無かった。もう、アニメでいいんじゃないか。あれが、完成系じゃないかと思っていた。(本来漫画だからあちらの方が完成系なのだけど)だけど、巷の声はすこぶるいいし、プロモーション映像も悪くない。

とりあえずは、観とくべきか?良くても悪く

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凡庸”レンタル”雑記「PSYCHO-PASS  PROVIDENCE」

凡庸”レンタル”雑記「PSYCHO-PASS  PROVIDENCE」

Amazonプライムビデオで「PSYCHO-PASS PROVIDENCE」を観た。

映画館で上映していた時、大好きなPSYCHO-PASSシリーズなので、絶対観るべしと誓っていた。が、やっぱり映画館では早々と上映が終わり、見逃してしまった。

そのうち、数ヶ月か数年後には、AmazonプライムかNetflixで配信されるだろうと、諦め時を待つことに。そうして、数ヶ月後Amazonプライムで有料

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「PERFECT DAYS」(パーフェクト・デイズ)

「PERFECT DAYS」(パーフェクト・デイズ)

やられた、考えた、胸打った。

監督が「ベルリン・天使の詩」のヴィム・ヴェンダース。主演は役所広司。その他、個性的な役者の面々。どうしたって興味惹かれる。

しかし、地味な映画。早く観ないとあっという間に上演が終わりそうなので、1月1日年のはじめに観てきた。

びっくりするぐらい変わらない物語。

映画の初っ端。淡々と初老の男のトイレ掃除夫の生活を見せられて、これはちょと、良くある芸術系の凝った地

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凡庸”撮影”雑記「大東京」

凡庸”撮影”雑記「大東京」


急遽時間ができる

急遽仕事の開始時間が後ろにズレたので、いつでもどこでも持っている写真機で、気が赴くまま写真を撮り歩くことにした。

iPhoneのmapを見ると、かなり歩くと皇居にたどり着く。天気もすこぶ
る快晴だし、皇居の公園へ出発。

いかにもって感じの東京の店々を横目に進み、皇居のお堀を目指す。そこには、きっと、晴天の下で、赤と黄色にもえる紅葉の海原があると期待しながら。

時間を気に

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凡庸雑記「悲壮」ゴジラ-1.0が大いに評価されている、それでもどこからか槍や刀が飛んでくる

凡庸雑記「悲壮」ゴジラ-1.0が大いに評価されている、それでもどこからか槍や刀が飛んでくる


国内外ですごい人気ゴジラ-1.0がすごい人気。日本だけじゃなく、アメリカでもかなり高評価。純粋に怖くて、面白いからここまで高い評価を得たのだろう。

監督の話だと、シン・ゴジラから影響をかなり受けたようだ。ただ、トレースしたのではなく、全くひっくり返したよう。

官僚ではなく、民間。家族物語を徹底的に排除した物語作りに徹したシン・ゴジラと真逆の、ベタな家族愛情物語。(ただ、全く血縁とは関係のない

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凡庸“創作”雑記「日本のことを描いた2作品」

凡庸“創作”雑記「日本のことを描いた2作品」

日本を描いた2作品
最近、日本を舞台とした作品を2作見た。それが、予想以上に面白かったので、少し呟いてみる。

一つはドラマ、もう一つはアニメ。どちらも、作ったのは海外のスタジオ。

最近は日本をネタとして、作品が作られることが多くなった。

別に、自分とは関係ないのだけど、嬉しくなってしまうのは、この国に住んでいる人としての、人情として、致し方無いこととして、広くご勘弁を。

本格ヤクザドラマ「

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凡庸“飛んで”雑記「翔んで埼玉飛んで見る」

凡庸“飛んで”雑記「翔んで埼玉飛んで見る」

翔んで埼玉の第二弾「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」を観てきてしまった。

全く観るつもりはなかったし、この間観た「ゴジラ -1.0」の、日本映画の枠を凌駕する素晴らしい記憶が脳裏にこびり付いたままなので、完全に、身もふたも教訓も訓示もない娯楽映画であるこれを観るのは、抵抗があった。

じゃぁ、なんで観たんだようとなるのだけれど、それは、すべては妻のせいである。彼女がどうしても観たいと言ったか

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凡庸雑記「進撃の巨人」

凡庸雑記「進撃の巨人」

今日、進撃の巨人ファイナルを観た。

延々と迷うことなく続いてきたこの物語の終焉を見届けて、ささやかながら歴史に立ち会った、思いがある。寂しいとか、まだ続きを観たいその想いは無く、ただただ感無量。

物語の骨子が、強く太く流れていたから、これだけ最後の瞬間まで、熱い思いが冷めずいられたのだろう。

漫画原作はいっさい読んでいないので、本当の意味でこの物語を理解しているかはわからない。それに、アニメ

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凡庸”感想”雑記「ゴジラ -1.0(マイナスワン)」少しネタバレ有り

凡庸”感想”雑記「ゴジラ -1.0(マイナスワン)」少しネタバレ有り


ゴジラを観てきたゴジラ -1.0(マイナスワン)を観てきたので、その感想。

普通に面白いゴジラ映画だった。

ちゃんと、強く、ちゃんと、恐ろしい。その場面がちゃんと続く。

予告すごく良かったのと、息子も行くというので、久しぶりに親子でと、観に行ったのだけど、期待を全くしていなかったおかげか、予想外に納得いく面白さだった。

ゴジラの破壊が素晴らしいとにかく、ゴジラが街を破壊する場面、戦艦や戦

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さっき「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を観てきたので思いつきをつらつらと。

さっき「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を観てきたので思いつきをつらつらと。

なんだか、感動もしないが、拒否もできない、なんだか不思議な映画だった。だらだらとわ言わないけれど、延々と続く場面、演技、をずるずる観ながら。変な眠気や考え事に悩まされず、3時間半を飽きずに見切ることが出来た。

監督の力量なのか、名優たちの演技なのか、はたまた濃厚な場面展開なのか、よくわからないけれども、変な居心地の良さを感じながら、銀幕の中で動く人々を傍観していた。

正直、過去数々のギャング映

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Netflixでいよいよ「PLUTO」(プルートゥ)が始まった。

Netflixでいよいよ「PLUTO」(プルートゥ)が始まった。

アトムを題材に浦沢直樹が新たに作り上げた意欲的な作品。多くのファンを得た名作。らしい。

残念ながら、僕は彼の作品は「パイナップルアーミー」、「マスター・キートン」それから「モンスター」以外は読んでいないので、噂では聞いていたが、実際自分の目で確かめてはいない。

正直なところ、初期の彼の作品、原作者は別にいて、絵を彼が担当。その作品たちが好きだった。「パイナップルアーミー」、「マスター・キートン

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