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あづま路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる脳筋型文系。 booth→ https://leport.booth.pm/ suzuri→ https://suzuri.jp/chinkaido

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    消しゴムはんこ・『ケルズの書』より雄牛

    アイルランドの至宝『ケルズの書』より、翼のある雄牛の図案を消しゴムはんこで制作しました。 消しゴムはんこ 『ケルズの書』より雄牛 【寸法】  縦43㎜×横45㎜×高さ21㎜ 【素材】  持ち手……木材  印面 ……プラスチック(消しゴム) ※ご購入前にご確認ください※ ・寸法はおおよそです。 ・作品を制作する過程で試し押しをしています。インク残りがありますが、使用には問題ありませんので、ご理解をお願いいたします。 ・商品は消しゴムはんこ(木製取手付き)のみです。作品画像の小物等は含まれません。 ※消しゴムはんこについて※ ・消しゴムはんこの印面は繊細です。使用するにつれ、印面にワレ・カケが発生する可能性があります。 ・お手入れ時に、柔らかな布で優しくインクを拭き取ることで、寿命をのばすことができます。練り消しゴムの使用も効果的です。 【モチーフについて】 『ケルズの書』と雄牛  アイルランドの至宝『ケルズの書』は、ケルト美術の最高傑作のひとつであり、世界で最も美しい本ともされる福音書である。ケルズ修道院に保管されていたことからこの名がある。その内容は四福音書の写本であり(このうちヨハネによる福音書は一部残存するのみ)、ほぼすべてのページにわたって壮麗なケルト文様の装飾が施されている。修道院で制作されたと考えられているが、装飾のモチーフはケルト的な要素を多分に含んでおり、キリスト教と土着信仰であるケルトの融合を示す作品でもある。  今回のモチーフである翼のある雄牛は、福音史家のひとり聖ルカの象徴とされる。キリスト教美術において多用されるモチーフだが、『ケルズの書』においては独特なデザインが目を引き、あたかも夜空を飛行しているような印象さえ覚える。  『ケルズの書』は現在、ダブリン大学のトリニティ・カレッジ図書館に収蔵されている。デジタルアーカイブでいつでも見ることができるので、是非その美しさに酔いしれてほしい。 トリニティ・カレッジ図書館デジタルライブラリー 『ケルズの書』(https://digitalcollections.tcd.ie/concern/works/hm50tr726?locale=en)
    1,720円
    椿海堂
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    消しゴムはんこ・マヤ文明「うさぎの神」

    マヤ文明の土器に見えるうさぎの神を、消しゴムはんこで作成しました。 消しゴムはんこ マヤ文明「うさぎの神」 【寸法】  縦43㎜×横52㎜×高さ21㎜ 【素材】  印面 ……プラスチック(消しゴム) ※ご購入前にご確認ください※ ・寸法はおおよそです。 ・作品を制作する過程で試し押しをしています。インク残りがありますが、使用には問題ありませんので、ご理解をお願いいたします。 ・商品は消しゴムはんこのみです。作品画像の小物等は含まれません。また、取手はついておりません。 ※消しゴムはんこについて※ ・消しゴムはんこの印面は繊細です。使用するにつれ、印面にワレ・カケが発生する可能性があります。 ・お手入れ時に、柔らかな布で優しくインクを拭き取ることで、寿命をのばすことができます。練り消しゴムの使用も効果的です。 【モチーフについて】 マヤ文明「うさぎの神」  ものの本にてこの、うさぎの神を発見した。本来の図案には左側に続きがあり、箱状のものが描かれている。解説によれば文字を記しているところらしい。  しかし、これ以上の情報を見つけることができなかった。『Paris Monographs in American Archaeology』という雑誌(おそらく学術誌か)が、このうさぎの神をロゴマークにしているようなのだが、私の探し方が悪いのか、どの遺跡の、どのような土器に描かれているのかが、さっぱりわからない。  ともかく印象的なうさぎにはちがいない。どことなく鳥獣戯画のうさぎにも似ていて、親近感を覚えるひともいるだろう。  目つきの悪いこのうさぎ、おひとついかがだろうか。
    720円
    椿海堂

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Shirokanipe ranran pishkan/銀の滴降る降るまわりに【読書記録:知里幸惠『アイヌ神謡集』】

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 先月、岩波文庫から補訂新版として『アイヌ神謡集』が出版された。1923年8月に初めて刊行されてから、100年の節目である。
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 いわゆる古典をつまみ食いで済ませてしまった不詳私だが、反省を込めてここ暫くは古典的名著の繙読に勤しんでいる。
 新年度に入って生活リズムが変わり、今まではなかった2時間の電車通勤をするようになって、読書時間がぐんと増えたのは僥倖であった。ここぞとばかりに貪るように、ここ数年ぶんの積読を消費中だ。

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 自動車免許をお持ちの方ならば、運転適性検査を受けたことがおありだろう。免許がなくても、就職活動に伴う自己診断などで、あるいは単なる暇潰しに、似たようなことをなさった方もいるかもしれない。
 私も例に漏れず、かなり詳細な設問に答え、機械的に己の性質を分析されるという、腑分けでもされているような仕打ちを幾度も乗りきっている。

 その度に私は、傍目にはわからないだろうが、ひとり鉛筆を片手に葛藤し、恥

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 昨年、母方の大叔父が亡くなった。
 私から見るとだいぶ遠縁になる方なので、ご時世もあって葬儀には行かなかったのだが、母親や祖父母は参列した。

 大叔父の奥様と私の祖母は、お嫁さんと小姑の関係に当たる。嫁姑問題の亜種として、不仲になりがちな立ち位置のふたりなのだが、妙に共通項が多く仲がとても良い。

 大叔父が亡くなってから、葬儀が行われるまで、諸事情があって二週間ほどかかったのだが、その間にも

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 築ウン十年の安借間をねぐらとする筆者なのだが、近頃蔵書の増加が著しく、人間の生息域を侵犯するまでに至っている。
 会う人ごとに力説しているのだが、この増え方は異常としか言いようがない。間違いなく、私の家の本は繁殖している。私の知らないところで子供を産んでいるに違いないのだ。そうでなければ、部屋の主である私が寝床と机回り以外を生活に使えていない理由が説明できない。

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長編伝奇小説を読もう【読書記録:駒田信二訳『水滸伝(一)』

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 ひょんなことから、講談社文庫版の『水滸伝』全八巻を譲り受けた。『封神演義』『三国志演義』『西遊記』など、中国で生まれた著名な長編小説は好んで読んできたのだが、『水滸伝』は未読であったので、楽しんで読み始めた。
 なお、私が今回読んでいるものは1984年に初版が出たもので、少々読みにくい部分もある。これはこれで古典を読んでいる感覚があって乙なものだが、2017年に新訳版が講談社学術文庫より刊行され

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【詩】はじまりの夜【歌詞】

【詩】はじまりの夜【歌詞】

夜半、遠くに不如帰
街角は月明りに凍え
春の修羅さえ大気に溶けて
瞬きほどの暗闇に憩う

夜半、近くに仏法僧
窓辺は星明りを帯びて
ぬすびとすら近寄らぬ場所に
世界の秘密を置いてきた

夜をのみほせ
あまねくひとしく覆いくる夜を
太陽の光線に眩んで
さがしていた答えを忘れる前に

夜を貪れ
無窮の彼方、インドラの網の果て
青い孔雀が虚空を駆けて
はじまりの秘技が隠される前に

夜半、路傍に仏法僧

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しるこサンドともう会えないひと

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 ある日のお茶の時間のことである。私は時折、お師匠様(仮称。私の専門分野の先達)の勤める職場に武者修行に伺っているのだが、そこでは10時と15時のお茶休憩が徹底されている。実にホワイトな職場である。

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 私がうきうき

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AI君と記事を書いてみよう

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 最近、noteにβ版としてAIアシスタント機能が搭載された。ChatGPTといい、SFが夢見た人工知能の世界はすぐそこまで来ているようだ。
 暗雲立ち込める21世紀だが、SFファンとしてはわくわくが止まらない時代である。私が死ぬまでに、加速度的な技術進歩の行きつく先をどこまで見られるのか、仄かに恐ろしいと同時に楽しみでならない。

 さて、今回はnoteのAI君(愛称はあるのだろうか)がどれほど

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