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超ショートショート

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自作の短い小説まとめ
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私と男と女

夜の9時。
仕事終わりの私は、家の最寄りである小さな駅で降りる。

その駅で降りたのは、私と男と女の3人だけだった。

小さな駅といっても、私は男のことも女のことも知らなかった。
男と女もどうやら知り合いではないらしい。

ただ3人共、仕事終わりらしき服装をしており、疲れきった他人どうし特有の空気が流れる。

ホームから改札まで、無言の時間が続く。

・・・ ・・・

ピ、ピ、ピ。

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今日のももたろう

今日のももたろう

ある所におじいさんとおばあさんが住んでおりました。

休日のある日、おじいさんは趣味の畑をしにでかけ、おばあさんはキッチンでお菓子作りをしておりました。

おばあさんがお料理を楽しんでいると、“リリリリ”電話が鳴り響きます。

「あれ、電話なんていったい何の用だろうか。」

電話からきこえる声はお義姉さんの声でした。

「子どもを一人預かってくれないか。」

おばあさんはびっくりして、急いでおじい

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サクの気持ち

サクの気持ち

私は一鉢の植物と暮らしています。近所のショッピングモールで見つけた少し大きめの観葉植物。種名は忘れてしまったけれど、水をやり、葉を根なで、愛でています。

私はサクという子と暮らしていました。図書館で出会った可愛らしい妖精でした。私と感情を共にして、家族のように過ごしていました。サクは、もうこの家にはいません。だけど、サクは今も私の側にいるような気がするのです。

世界には動物、植物のように妖精

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【絵本風】ふわふわなパンケーキ

【絵本風】ふわふわなパンケーキ

みぃちゃんは、あまいお菓子が大好きな女の子。
ある日気づけば、みぃちゃんの目の前には大きなパンケーキが。

「わぁ~おいしそう!」
みぃちゃんは小人さんのようです。

パンケーキの上を
とんで、はしって、おどって、
そして、ぱくっとひとくち、ほおばりました。

「ふわっふわ!」

みぃちゃんが、かんどうしていると、
今度は大きなみぃちゃんがやってきて、パンケーキを食べ始めます。

ガンッ。
フォー

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ユリトとヒマリ

ユリトとヒマリ

向日葵。
僕が彼女と会うのはいつも夜。塾の終わりに親の車を待つ少しの時間だけ。
太陽に照らされる君にも会いたいと思うけれど、なぜか会いに行くのを忘れちゃう。
だから、僕は蛍光灯に照らされる君しか知らない。

蛍光灯に照らされる君は美しい。真っ暗な世界で、下に雑草を生い茂らせて。光はスポットライトのように君だけを照らす。
その姿は、君の周りだけ特別な空間にしている気がするほどで、君の近くにいると聞き

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オヤスミに誘う冷たいテ

カタカタ、扇風機の音だけが響く部屋。
夏の夜は、こんなに静かだったっけと思うほど、外からは何も聞こえてこない。

僕はただベッドの上で横になっている。
片づけるのが面倒くさくて、冬用の布団を隅においやったままにしている狭いベッドの上にだ。

暑くて、眠れない。
思考もまわらない。
ただ、目を閉じているだけの時間が流れていく。

どれくらいそういった時間がたったのかは分からない。
扇風機のタイマーは

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私のオルゴール

私のオルゴール

らん、たーたん。らん、たーたん。らんたたたた、らんったんっ。

紫色のドレスを着た女の子のお人形が私の部屋でエーデルワイスを歌い出す。

ゼンマイをカチカチといっぱいいっぱいに回すと、彼女は首を回しながら歌い出す。

らん、たーたん。らん、たーたん。らんたたたた、たんったんっ。

オルゴールだ。
懐かしい気持ちにさせるメロディーをあたたかい音色で奏でてくれる。

ずいぶん昔に、おばあちゃんが旅行の

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バスに乗って

バスに乗って

バスがやってきた。

ー後方ー

私はバスに乗る。

乗車口からは、その空間の全貌は分からない。空いているのか、埋まっているのか。

後方で立つのは違う雰囲気が漂う車内、不安になりながら階段を登る。

座れたのはタイヤの上の席の一つ後ろ。前後が少し高い。囲まれている感じがして、安心感がある。
前をむけばオジ様の頭が見え、窓の外を見れば隣を走る車の運転手と目が合いそうになる。

途中、背の高いお兄さ

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ゆめ・おち

ゆめ・おち

異様な腹痛に驚いて目が覚める。
体は冷や汗をかいており、寒い。ギュッと布団をたぐり寄せる。

これ私の布団じゃないっ。

いつもと違う厚さ、かたさ、そして香りに違和感を覚える。なんなんだ。
次第に目が慣れてきて辺りが薄っすらみえる。
布団は完全に自分のものではないし、天井も違った。違和感が恐怖に変わる。怖い。

とっさに体を起こそうとすると、両腕を何者かにガシッとつかまれる。
さっきまで気配さえ感

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その扉にキスを。

その扉にキスを。

遠くに見える貴方を見つめながら私は私と貴方をさえぎる扉を閉める。

その扉は、引き戸だった。

左手で引手をつかみ、徐々に貴方のいる世界を見えなくする。

私は貴方から目を離せないけど、貴方から私は見えているのだろうか……。

扉がしまるまであと少し。止められない想いが身体を動かす。

今まで、引手を引いていた手が離れ、彼の世界に突き出される。

……いやだ、この扉、やっぱり、しめたくない……

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[短い小説]砂浜に描いた子の行く先は。

[短い小説]砂浜に描いた子の行く先は。

「ねえ、何しているの?」

私は友人であるケイと海に来た。
波はキラキラと輝き、心地の良い音を奏でている。

ひとしきりシャッターを切り終えた私は、少しだけ遠くで座り込むケイに声をかける。

「う―ん。絵?を描いてる。」

一瞬、滲んだ疑問符に急かされ、歩幅が広くなる。

「ん、ナニコレ?」

砂浜を見るとなんとも反応に困る絵が描かれていた。
思わず出た言葉に淡泊な返答が返ってくる。

「生物」

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[小説?]隣な僕と君

[小説?]隣な僕と君

僕と君は生まれた時から隣にいたね。

芽を出すのは僕の方が少しだけ早かったかな。僕は君の芽が開くのをじっと待っていることしか出来なかったからよく覚えてる。
初めて鳥がとまった時、緊張して動けなくなったこともあったね。今じゃ、僕たちから巣立つ雛を何羽も見送っているけど。

僕と君は長い間、1つの存在だったね。

でもある日、君の足元に花が咲いたんだ。ピンク色の小さな花が。
僕は喜んでみせたけど、だい

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短編小説 何重もの世界に

短編小説 何重もの世界に

灰色の薄暗い街の中、黒ずくめ集団が列をなして歩いている。そんな世界に真っ白な雪が降りおり色を添える。

先頭の男が一軒の家の前で止まった。軒先には1組の親子がいた。雪は今も降り続いている。

親子は黒ずくめではなかった。雪が降るほどであるのに非常に薄着であった。先頭の男は親らしき方に話かける。

「何をしていたんだ。」
「別れの挨拶さ。」
「あの子を置いて何処かへ?」
「もちろんさ。」

「何処に

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