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言葉を織り続けること

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村上読者たちと安寧なる寝床

村上読者たちと安寧なる寝床

昨日の夢へ知人の井畑さんが出てきた。
井畑さんの近所に私の前の前に住んでいたアパートがあったので
井畑さんら友人と市街地へ飲み会に行ったときタクシーを乗り合わせたり 代行運転の帰りに同乗させてもらったりしていたのだ。
あと自分が会社を辞めかけていたころが、井畑さんが個人事業主である事業において事務所を構えようかとしていた時期だったためビルの一室改装DIYに楽しく参加したりした。
なんで夢に出演した

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ぶつ切りのわたし

ぶつ切りのわたし

 いくら人間関係を繰り返してもまだ慣れられず、考える。
自分という人間を100%他人に預けて理解してもらうことは不可能だということだ。
自分の一部しか渡せないし、手渡しても全く違う色として相手側には見えることだってある。
様々な人にぶつ切りの私を渡す。
 そして私の肉体が死んだ日には、配偶者、血縁者、友人、先輩後輩に葬式に来てもらい渡してあったぶつ切りの私を組み立てて欲しい。
 そうしてガンダムプ

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体

 体が一番近くに来たときに、心の方が一番遠くに離れて行ってしまうのがかなしい。悲しくて泣きそうで哀しくて寒々しい。

後から来たる者すべてを塗りつぶしてゆかん

後から来たる者すべてを塗りつぶしてゆかん

 ムッシュにある日問われた、曰く「何か隠していることは無いかい」と言う。つまりは秘密にしていることがあるのであれば早めに手の内を明かしてほしいというような話であるのだが、距離の近しい人には話さないが、このリンクを知っている人やSNSの引用にてこのnoteの醜態をさらして秘密を打ち明けているので、読んでくれれば嬉しい。

2021年の私といえば、旅に出ていた。旅は旅でも観光や巡礼や出張などではない。

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生活様式節目のお盆

生活様式節目のお盆

 毎年8月13日と15日はお盆のお墓参りだ。御先祖一同を迎えに行って、また送って帰る。毎年通るお墓に続く道は、田んぼに挟まれている。実るほど首を垂れる稲穂を見ると、夕方の涼しい風が感じられて遠くない秋をそこに見る。

 今年は丸々1週間の長さの連休だった。かといってアジア諸国への旅行はおろか、長距離の移動が不可能だ。縁側で湯だって、エアコンの効いた部屋でクールダウンするというサウナか何かのようなの

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既視既視のあの人

既視既視のあの人

「あー、悪い方の意味で」で始まる「この人に私昔どこかで会ったこと、否、遭ったことあるな」という人間に久しぶりに遭った。
 奴らは手を替え品を替え先輩として、職場の先輩・上司として私の前に現れる。
 10代の頃は、彼女や彼らのいない共同体に進んで属したり、あるいは共同体に属していなかった。そのため20代の私がしなければならなかったのは、耐性をつけるための訓練であった。
 その人間と今日はオンラインで

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波よせて Waves

波よせて Waves

English below 下に英語
 自然現象の、海の波でも滝でも風でも、乗り物の電車も飛行機も、楽器も、どうぶつも、それらの魅力は音だ。

 街中の小さな川にあまり引き寄せられないのは、音が少ない清流であるからであり、また、真っ暗な夜の海でも脅威と隣り合わせて心に静寂をもたらしてくれるものは絶え間なく繰り返す波の音だ。

 半島のはじっこを車を走らせていて空が開けそうな景色を道の脇に感じとり、

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ミルフィーユ なぜ書くの

ミルフィーユ なぜ書くの

二日平日の休みだった。
ものすごく久しぶりにフットワークが軽くなり、厳重体制でも営業再開してくれた早稲田松竹へ映画を観に。
「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」レミ・シャイエ監督のアニメーション
帰りには丸善書店で「ここは、おしまいの地」こだま著を買ってずっと電車で読んだ。
また今日はシネコンがレディーズデーなので観にきた。
「わたしの若草物語 ストーリー・オブ・マイライフ」グレタ・カーヴィ

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白紙を塗りつぶす

白紙を塗りつぶす

 世の人がいう恋愛というものは、ぬり絵のようなものだとふと思う。あの、あらかじめ枠が決められ、描きやすい用紙へ刷られた紙のこと。

 どんな色を使い、どんな配色にしようかと嬉しい悲鳴をあげて悩む段階は、まだよく知らない相手にまつわることに考えを巡らせているところだ。成就するまでが楽しいものが恋だということは、白紙のぬり絵をもらったわくわくする気持ちのことを言っているのである。

 色彩豊かな塗り絵

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すべてがLになる

すべてがLになる

 なんかこの外出自粛要請の最中、ずっと文章をぼりぼりお菓子を食べるように読んでいるのだけれど。

 本にまとめられていること、つまり言葉にして文章に落とし込まれていることって100パーセント著者の考えなのかと疑ってしまう。だから小説のようにフィクションであってわざと真実を混ぜ込んだりしている人もいるだろうし、自分の頭の中で考えられている事柄、思い浮かべる風景、音、匂いを頭の中にあるそのままの状態で

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