moment90 side:unkown




そうだなあ。

彼女はうるさいのが苦手。

意味のある音、たとえばコンサートとか音楽は大きい音でも大丈夫だけど、雑音、それに話し声がたくさん聞こえる、たとえば狭いカフェとかで大きな声で話してる人がたくさんいるところは苦手。



急に予定が変わるのも苦手。

あとは曇りの日と湿気も嫌いだね。

雨の日は悲しい顔をしてる。


ものを作るのが苦手。

料理も嫌い。
できるけどね。おいしいんだけど。


彼女は晴れの日が好きで

虹が好きで
ネコが好き

あったかいのが好き

本をたくさん読むし

あとはいい匂いも好き。

まるいのと、もふもふが好き。


ものを一列に並べるのが得意。



あとはゆらゆら揺れてることもある。

無意識らしいけど。


一緒にいるようになって、仕事をしてたときにはわからなかった彼女がいっぱいいた。

新しい面がいっぱいあって、すごく発見で、


同時に気後れした。




水槽を泳ぐネオンテトラを
今日も飽きずにじっと見ている。


「なあ」

「んー?」


話しかけても振り返らない。

「好きだね、それ見るの」

「うん」


大野さんの、プレゼントね。


「はるかは、どう思ってる?」

「え?何を?」

やっと振り返った。

「ここにいて、楽しい?」

「?」

「オレと、ここにいて、楽しい?」


「うん」

「…」

「え?どうしたの?」


「不安になる。たまに。

…どっかに行っちゃうんじゃないかなって」


「どこにも行かないよ?」

「…」


「なんかあったの?」

そう言いながら水槽から離れて彼女がオレのところに来るあいだに、彼女のケータイが鳴った。

「ん?電話だ…

もしもし?大野さん?

あー、うん、おさかな?元気だよ。うん。ちゃんとお世話してるよ笑 大丈夫だって笑」

そう電話で笑って話しながら彼女は部屋に入っていった。



あー。
おもしろくない。

なんだよ。なんで部屋に行くの?
ここで話したらいいじゃん。


大野さんと。笑いながら。話してて。



オレといるとき
彼女は笑っていたのか?





ドアが開いて、彼女が出てきた。

「あ、二宮さん私ね、」


「いいから。」

「え?」

「さっきの。気にしないで。」

「あ、そうじゃなくて、」



何か言いかけたっぽいけど、オレは聴く気になれなかった。



自分でもバカだなあと思う。


今日だけ、許して。
勝手を許して。


彼女はこういうとき絶対に深追いしてこない。


責められた方が楽だった。

でも責めてほしいとも言えない。


何にも言わない。
ずるいよね。
いつもこうやって甘えてるんだ。

こんなんでいいわけがないんだけど。


なかなか素直に言葉にできなくて
いつもこうなる。


明日謝ろう。

ケーキでも買ってこようか。





オレも、雨に打たれたい。






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