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仁義なき戦い

ウィーンのCafé SperlにはHausordnungなるものがあります。Hausordnungという単語は「施設利用規則」とでも訳せば良いでしょうか。旅行前、「ウィーンでは久しぶりにCafé…

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15時間前
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フードとフィルター

旅先のウィーンで書店に立ち寄った時のことです。チェコ出身の写真家Josef Koudelkaの伝記を見かけました。彼が手にしているLeica M4についているレンズが私がその前日に買…

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4日前
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Summicron 35mm F2

我が家にSummicron 35mm F2がやって来てちょうど1週間経った今週木曜日、MMK(Museum für Moderne Kunst)へ行き、このレンズを使用して写真を撮ってきました。 この第1…

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5日前
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Wien

4月下旬…と言っても、つい先週のことですが、週末、ウィーンへ行きました。以下はその時に撮影した写真です。 週末を利用した短い旅行でしたが、天候に恵まれた(晴天か…

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6日前
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最後のレンズ

先日出かけたウィーンで、一世一代の大きな買い物をしました。 それはレンズ。写真を撮るためのレンズです。こう書くと「なんのこっちゃ」と思う方も少なからずいると思う…

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10日前
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Maria Laach

Maria Laachってご存知ですか。 現在も活動を続けている修道院がある素晴らしいい自然に囲まれた場所です。そして、週末は買い物客で賑わう場所でもあります。修道院と自然…

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2週間前
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Tübingen

今日はチュービンゲン(Tübingen)の写真を投稿します。仕事がある夫をシュトゥットガルト(Stuttgart)に残し、10年前の夏、一人で出かけた街です。写真はで全てRolleifl…

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3週間前
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Leicaってどうなのよ

客観的な評価とは全く別のレベルで、あるカメラに対する「合う、合わない」というどうにも捨てきれない個人的かつ感覚的な相性ってあると思います。 私の場合、人生で最初…

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3週間前
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Rolleisoft

Rolleisoft。Rolleiflex用のソフトフィルターです。ずいぶん昔に買ったものの、全く使わないまま長らく放置していました。イタリア旅行の準備をしている時にそれを偶然発掘…

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1か月前
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はるか遠い未来の人へ

前回の投稿で書いたように、先月3月末、私たちはシエナに4日ほど滞在しました。そしてその後、夫の遠縁の叔母が待つフィレンツェへ向かいました。今日はそこで撮った写真を…

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1か月前
25

Siena

夫にとっては母親代わり、私にとっては欧州の母である夫の遠縁の叔母が住むイタリアへ8日間ほど行ってきました。3月末のことです。叔母が住むのはフィレンツェですが、今回…

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1か月前
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ドイツの大学で英語を読む

今日の記事は、最初に学籍登録した公立大学通学に挫折した後間もない2022年11月に書いた記事です。ちょうど、昨日noteに投稿した以下の記事の続編にあたるので、ブログから…

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1か月前
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長かった2年半

ある日、「去年の今頃は、ポルトにいましたよ」とiPhoneが教えてくれました。 私は、コロナウィルス禍の終わりが見えてきた2021年11月にドイツの大学へ進学することを決め…

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1か月前
24

カメラの維持費

少し前のことになります。 ある日、散歩に持ち出そうとRolleiflex 2.8F Planarを手にした時、裏蓋の貼り革の縁が剥がれてきていることに気付きました。手元にある接着剤で…

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1か月前
23

Bad Ems

その生涯を閉じる前の約20年間、ドストエフスキーは断続的に何回もドイツを訪れています。一昨年とある本を読んで以来、私はその足跡を追うように毎夏ドストエフスキーが訪…

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1か月前
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ドイツのクロワッサン

ドイツのパンというと、私の頭に真っ先に思い浮かぶのが黒パンです。様々な種類の麦の粉の配分を変えたり精製の度合いを変えたりして焼かれるパンは、実に色合いが豊かで見…

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1か月前
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仁義なき戦い

仁義なき戦い

ウィーンのCafé SperlにはHausordnungなるものがあります。Hausordnungという単語は「施設利用規則」とでも訳せば良いでしょうか。旅行前、「ウィーンでは久しぶりにCafé Sperlへ行こう」と話している時に、夫がCafé SperlのHPでこのHausordnungを見つけました。
「Café Sperlでは昼の12時以降、座席でのラップトップ使用は禁止なんだって!」

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フードとフィルター

フードとフィルター

旅先のウィーンで書店に立ち寄った時のことです。チェコ出身の写真家Josef Koudelkaの伝記を見かけました。彼が手にしているLeica M4についているレンズが私がその前日に買ったレンズと同じだったので、「おっ」と思いAmazonで検索してその本をカートに入れておきました。

ウィーンから帰ってきて何日もしないうちにカートをのぞくと、Amazonがこの本について当初より5ユーロも安い価格を提

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Summicron 35mm F2

Summicron 35mm F2

我が家にSummicron 35mm F2がやって来てちょうど1週間経った今週木曜日、MMK(Museum für Moderne Kunst)へ行き、このレンズを使用して写真を撮ってきました。

この第1世代のSummicron 35mmは、とても人気のあるレンズだそうです。そのレンズ構成から「8枚玉」とも呼ばれています。製造本数がさほど少ないわけではないのに相場がけっこう高いのは、その絶大な人

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Wien

Wien

4月下旬…と言っても、つい先週のことですが、週末、ウィーンへ行きました。以下はその時に撮影した写真です。

週末を利用した短い旅行でしたが、天候に恵まれた(晴天かつ気温が低かったので長時間屋外を歩き回りやすかった)ので、楽しい毎日を過ごすことができました。連日20000歩近く歩いたので、夜もグッスリ眠ることができて、非常に健康的な旅だったように思います。

実はウィーンは私の大好きな旅先で、東京か

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最後のレンズ

最後のレンズ

先日出かけたウィーンで、一世一代の大きな買い物をしました。

それはレンズ。写真を撮るためのレンズです。こう書くと「なんのこっちゃ」と思う方も少なからずいると思うのですが、Leitzの古いレンズはモノによっては資産としてカウントしても良いくらいの値がついていたりするのです(もちろん新製品のレンズも笑えないほど高いのですが)。今回買ったのは、そのLeitzの古いレンズの中でも最も人気がある(=相場も

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Maria Laach

Maria Laach

Maria Laachってご存知ですか。
現在も活動を続けている修道院がある素晴らしいい自然に囲まれた場所です。そして、週末は買い物客で賑わう場所でもあります。修道院と自然豊かな場所が何故買い物客で賑わうのか疑問に思った方は、どうぞこの記事を読んでみてください。2022年4月に書いた記事です。

ドイツ語C1試験を終えた日の夜、私は思わず呟きました。
「どこか綺麗な場所へ行きたい」
夫が応えました

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Tübingen

Tübingen

今日はチュービンゲン(Tübingen)の写真を投稿します。仕事がある夫をシュトゥットガルト(Stuttgart)に残し、10年前の夏、一人で出かけた街です。写真はで全てRolleiflex 2.8FとPRO400Hで撮影しました。

チュービンゲンには1477年に創設された古い大学があり、その昔、私の古い友人がこの大学に留学していました。
「チュービンゲンってどんなところ?」
「すごい田舎だよ。

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Leicaってどうなのよ

Leicaってどうなのよ

客観的な評価とは全く別のレベルで、あるカメラに対する「合う、合わない」というどうにも捨てきれない個人的かつ感覚的な相性ってあると思います。

私の場合、人生で最初に自分で買った本格的カメラであるHasselblad 500c/mは、いくら使っても一向にピンときませんでした。ドイツに移住する時一緒に持ってきて、やはり写真を趣味にしている夫に、丸ごと「これ、使って」と手渡して以来、このカメラには一指た

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Rolleisoft

Rolleisoft

Rolleisoft。Rolleiflex用のソフトフィルターです。ずいぶん昔に買ったものの、全く使わないまま長らく放置していました。イタリア旅行の準備をしている時にそれを偶然発掘して、イタリアへ持っていったのですが、何せ全く使ったことがないフィルターなので旅先で撮影に失敗することを恐れ、結局使わずに帰ってきました。

昨日の午後、近所で咲き始めた菜の花を見るために出かける時、ふとそのことを思い出

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はるか遠い未来の人へ

はるか遠い未来の人へ

前回の投稿で書いたように、先月3月末、私たちはシエナに4日ほど滞在しました。そしてその後、夫の遠縁の叔母が待つフィレンツェへ向かいました。今日はそこで撮った写真を投稿しようと思います。

話はフィレンツェから大きく逸れますが、昨日オンライン・ショップでAugust Sander(1876-1964)の写真集を購入しました。August Sanderは、私が最も好きな写真家の一人です。ポートレートで

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Siena

Siena

夫にとっては母親代わり、私にとっては欧州の母である夫の遠縁の叔母が住むイタリアへ8日間ほど行ってきました。3月末のことです。叔母が住むのはフィレンツェですが、今回はその前にシエナに滞在しました。今日はその時撮影した写真を何件か選んで投稿しようと思います。

ギムナジウムの旅行で初めてイタリアに行って以来その魅力に取り憑かれ、その後何十年間にもわたり数えきれないほどイタリアを訪れている夫に「イタリア

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ドイツの大学で英語を読む

ドイツの大学で英語を読む

今日の記事は、最初に学籍登録した公立大学通学に挫折した後間もない2022年11月に書いた記事です。ちょうど、昨日noteに投稿した以下の記事の続編にあたるので、ブログから転載することにしました。

学籍登録した大学への通学を断念し、最寄り都市にある大学の講義を聴講し始めて2週間経ちました。そして思ったのです。ああ、私は学籍登録する大学を間違えた。通学時間は非常に大きなファクターだった。私はドイツ鉄

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長かった2年半

長かった2年半

ある日、「去年の今頃は、ポルトにいましたよ」とiPhoneが教えてくれました。

私は、コロナウィルス禍の終わりが見えてきた2021年11月にドイツの大学へ進学することを決めました。日本で4年制大学を卒業しているため、学歴としての資格は既にありますが、それに加えC1レベルのドイツ語能力を証明しなければなりません。長期間ダラダラ試験勉強しても、私の性格上効果は上がらないと見込んだので、短期集中。試験

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カメラの維持費

カメラの維持費

少し前のことになります。

ある日、散歩に持ち出そうとRolleiflex 2.8F Planarを手にした時、裏蓋の貼り革の縁が剥がれてきていることに気付きました。手元にある接着剤でテキトウに貼り付けてしまおうかと思ったのですが、以前どこか(確か、カメラ修理を職業としている方のブログだったと思います)で、「貼り革を不適当な接着剤で貼り付けてしまうと、修理の際に上手く剥がすことができず、その結果貼

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Bad Ems

Bad Ems

その生涯を閉じる前の約20年間、ドストエフスキーは断続的に何回もドイツを訪れています。一昨年とある本を読んで以来、私はその足跡を追うように毎夏ドストエフスキーが訪れた場所を旅するようになりました。最初はドレスデン(Dresden)、去年はヴィースバーデン(Wiesbaden)、そして今回はバート・エムス(Bad Ems)。

私とドストエフスキーとの付き合いは長く、最初に読んだのは大学進学を控えた

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ドイツのクロワッサン

ドイツのクロワッサン

ドイツのパンというと、私の頭に真っ先に思い浮かぶのが黒パンです。様々な種類の麦の粉の配分を変えたり精製の度合いを変えたりして焼かれるパンは、実に色合いが豊かで見ていてあきません。味も食感もそれぞれ微妙に異なります。概して、私はドイツのパンは非常に美味しいと思うのですが、それでも一つ、移住当初は納得がいかなかったパンがありました。それはタイトルにもある通り、「クロワッサン」と名付けられたパン。以下は

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