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こと葉の記憶

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永久保存庫。

私たちは
覚えたこと経験したことは、忘れると
そう教えられてきた。

果たして
忘れるという表現は正しいのだろうか。

実際は忘れているのではなく
思い出せていないだけだと、私はそう感じる。

ありとあらゆる経験は全て保管されている。
私たちが知らないのは記憶の取り出し方。

私の局在化。

人の目に触れるほどに
公で脚光を浴びるごとに
私と言うものが局在化していく。

私と言う存在が一点へ集中していくに従い
人を惹きつける力は、より一層の強みを増す。

そうして
世界から切り離された私と言う象徴に
私自身が圧し潰されてしまうのである。

だから人目を避け恐れる

最後に遺るもの。

私たちは
ありとあらゆる事象と結びつき
雁字搦めになっている。

物を手放す。遺ったのは私たち。
私を手放す。遺ったのは想い。

何かを手放すたびに
世界と一体化していく私。

この世界に飛び出して
何かを得るためだけに奔走していた。

そのたびに
世界から切り離されていく

巌を削りし。

弱く見えているものは
必ずしも弱くない。

軟弱な水が巌を削り
弱弱しい根が硬い地面を貫き
触れることが叶わぬ風が家をも壊す。

私たちの目に弱く映るものが
本当に弱かった試しが無い。

真の強者は
余計な干渉を避けるために
弱く見えるように振る舞う。

知らぬ間に負けている。

コントラスト像。

明暗の差異で像が顕わになる。
想像も実像も同様に。

幸福感が強くなれば不快な像が顕わになる
疑念が強くなれば信仰心が生じる
悪が跋扈すれば正義に強く憧れる
愛が深くなれば敵が増える
知識が増えれば自信を失う

何かを求めようとすると
それを否定するものが追いかけて来る

具現へと流る。

私たちは当たり前に行動する。
その行動で私たちは意識を具現化している。

生命活動とは、いわゆる意識の具現化。

この世界で何かをすれば
それは意識を具現化した、ということ。

宇宙の始まりは
意識が行動に至った状態。

私たちは意識を具現化するために
生を受けたのである。

私のゆらぎ。

未来について思いを巡らす私は
発散していく。

人生で形成した自我について考える私は
収束していく。

発散は未来志向の私。
収束は経験依拠の私。

私は広がりもすれば集まりもする。

その時、私が何を考えているかで
私は、膨らんだり縮んだりしている。

私はゆらいで彷徨う。

存在意義の消滅。

そのものの存在意義。
存在する目的が達成されたのなら
存在する意味を無くす。
故に目的達成と同時に存在できなくなる。

仕事の目的は問題解決。

この世から
全ての問題が解決されたのなら
仕事は消滅する。

一方
社会の為に仕事を存続させようとする程
問題は生まれ続ける。

感情の譲渡。

私は過去の経験を
あなたに当て嵌めて、
あなたの感情を察するのである。

私が感じるあなたの感情というのは
あなた自身の感情ではなく、
私自身の経験から来る感情なのである。

私はあなたに感情を譲渡する。

そうすることによって、
あなたは感情をもった人間になるのである。

均衡の崩れ。

選んだ途端に均衡が崩れる。

善か悪かのどちらかを選べば
必ずその対称となるものが生まれ
それが他者に割り振られる。

釣り合いの取れた天秤。
私が片方の皿の上の善を取り上げたのなら
もう一方の皿は沈み、その上の悪は
大地に流れ落ちる。

私が選択したがために、
生じる争い。

崩れ落ちる。

意識すればするほど
それは崩れ落ちる。

よく見ようとすればするほど
それは霧散する。

思い出そうとすればするほど
奥へと引っ込んでしまう。

世界は天邪鬼。

集中しようとすればするほど
斥力が優位になって
崩壊が始まる。

この世界でじっと見ることは
許されていない。

深い層と広い空。

深い層に潜っている時は
視界が悪く、遠くの景色が見えない。

故に全体の像が見えず
それゆえ自分中心の強度が強くなる。

深い層で長い時間過ごすと
いつの間にか孤立し自分の位置を見失う。

だから
深い層に潜った時は時々、
水面から顔を出して大空を見上げ
自分から離れる。

過去を変えし者。

過去とは現在を基準とした
相対的な概念。

概念の制約上
私たちは現在以外に存在することは
許されていない。

タイムトラベルしようとも
常に私の時間軸は現在が中心となる。

ゆえに過去は常に
空想の中の概念であり続ける。

未来から見た今は過去。
過去を変えられるのは今。

存在感の強度。

私は確かにここに居る。
居るには居るが、存在が認知されていない。

私の話題が、そこにはない。
故に私はそこには居ない。

存在の強度が小さければ
話題にすら挙がらない。

存在の強度とは何なのだ。

関連性、共通性、影響力、重要性、話題性

これらが強度に影響を与える因子