吉田大樹

リベルというのをやっています。あと、最近は「自由」について考えたりしています。 htt…

吉田大樹

リベルというのをやっています。あと、最近は「自由」について考えたりしています。 http://liber.community/

最近の記事

破壊を抑えようとする悪魔。

 最近は「自由」について考えています。最近といっても、2022年の2月頃から考えているので、もうすこしで2年が経とうとしています。なんでそんなことを考えているのかというと、僕が今やっている「リベル」というものの目的がたぶん自由であるためであるからです。でも自由というのは普段から使っている言葉なわりに考え始めると難しい概念で、それについてじっくり考えてみようと思いました。もう少し根本的な理由としては、僕が目的や意味にこだわる性格だからなのかもしれません。  今は自由に関する定

    • 分からないというスポット。

       前に読書会で「人それぞれだよね」といって終わることに虚しさを覚えるという話が出て、僕は心の中で同意していた。  しかし一方で、人と人とは分かり合えるかというと、それはなかなか難しいとも思う。相手が本当のところ何を考えているのか・思っているのかなんて、分からない。そもそも話す方にしても自分のすべてを言語化することなどたぶんできない(しかしその努力はしたい)。  「人それぞれ違うよね」といって解散することは虚しいけど、かといって「分かり合えるよね」というのもはばかられる。  

      • 時間の囲い。

         あらかじめその時間を確保しておくと、余計なことをする。  今日は久しぶりに読書会に参加した。読書会では読書の時間も設けられているのだが、僕は本を読むよりも、ネットで調べ物をして著者の詮索をすることに時間を費やした。疑問は次々と湧いてくる。  その一方で雑事の合間をぬって自分だけで読書をする場合は、本を読むことだけに時間を費やす。結果として読書会ではあまりページが進まないが、合間をぬった読書はページが進む。もっというと、合間をぬった読書は読んだページをカウントしているよう

        • 集まって膨らんで、生活にもどっていく。 ー読書会で意識していることや方式について

          (文量:約10,000字)  休日の朝にZoomを開いて、読む本の紹介をして、本をもくもく読んで、感想を共有しあって帰っていく。それだけの読書会が、1年半以上、ほぼ毎週続いています。  始めたのは2020年のゴールデンウィーク、コロナ禍にともなう緊急事態宣言が東京に出た頃でした。連休で時間がたっぷりとあるけど家でじっとしていてね、というなんだか不自由な休息が与えられたことをきっかけに始めました。  読書会はリベルという屋号のもとで行っています。リベルとはどういうものなのかは

        破壊を抑えようとする悪魔。

          はまりつつある本『ソフィーの世界』

          『ソフィーの世界』、これ児童文学のおもしろい系で、はまりつつあります。 まだ序盤しか読んでいないけど、哲学的に考えることの意味を考えることができそうな本です。 14歳の少女のもとに、誰からかはわからない手紙が毎日のように届く。 手紙の主は、哲学の歴史を古代ギリシャ以前にさかのぼって教えてくれたりする。 哲学によって人は何を手に入れたのか、この前読んだところにはそんなことが書かれていた。 哲学とはなんだろうか。 簡単なことをただ難しく考えているということでは決してな

          はまりつつある本『ソフィーの世界』

          即興とは、自由とは

          読書会を主催する側にいると、終了時間を気にしているし、話の方向も気にしている。 (読書会は、本の紹介をして、各自もくもく読書をして、感想をみんなで共有する、という流れで行っている。) 終了時間が過ぎすぎてしまうことはいけないだろうし、時間が詰まっていってしまっては後に話す人の話がゆっくりと聞けない・話せない。 話題も、感想を話してくれた話題に関することで他の人の話が重なっていくことが望ましい。 と思いがち。 たしかにそういうきちっとしたところがないといけないのだろう

          即興とは、自由とは

          信頼するということ。

          ある場面において、予定不調和な球が投げ込まれたとき。 自分がそれを収めることができる可能性が高いとしても、その場にいる人たち全体でその球を受け入れようとすること。 自分はぐっとこらえてみること。 それが信頼するということなのではないだろうか。 そうすると、おもしろい方向に転がっていくことがある。 自分の予想できること、自分の力を及ぼしたことなど、それほどおもしろいものにはならない、かも。

          信頼するということ。

          理論のマウント力。

          せっかく話が盛り上がっていたのに、「こういう理論があって」とか「(有名人の)誰々が言うには」という話題を持ち出してしまうと、そこで対話的ないい雰囲気が突如として停止してしまうことがある。 それぞれから発せられる言葉で、層のように発想が積み上がっていたのに、止まるのだ。 「やっちまった」とあとから気づく。 理論や著名な知見には、大きな力がある。 それが絶対的に正しいもののように思えて、閉口してしまうのだ。 あるいは、その理論についてイチから説明を求めることも、それはそ

          理論のマウント力。

          同じことをくり返すから書く。

          なんだか同じことを何度もくり返すから、書くことで記憶にとどめやすくしようと思う。 最近のくり返しは、 先へ行こうとして足元が崩れること。 逆に、今を大事にしようとすると、自然と、ほんの少しだけだけど前に進める。 これは何度もくり返している。 きっと、先に進むこと、しかも速く、を良いこととする価値観が強すぎるからだろう。 とはいえ、孔子ですら「七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず」であるという(本当に本人が言ったのかはわからないけど)。 70歳頃になってはじめ

          同じことをくり返すから書く。

          知識が馴染むまで

           昨日、短編本を作り終えた。今回の内容は、人の不完結さ・弱さのようなものについて考えを深め、その上で一歩の踏み出し方を考えてみようというものだ。人の弱さを嘆くものでもなく、「人は弱い生き物だ」と感傷的になるものでもなく、そういった性質を備えて人は生きてきているのではないか、ということを考えている内容だ。ある知見をもとにすると、人は根本的な部分に不完結さや弱さを備え、そのおかげでうまく生きられてきているとも考えられるのだ。  短編本を作っている間は、心がざわついている。なぜか

          知識が馴染むまで

          改めてリベルについて

           昨年、2019年の9月に「リベル」をスタートし、1年と少しが経ちました。始める前はこんなことできるのかなぁと思って始めたのですが、少しずつ、自分たちのやりたいことも確認しながら形になってきていると思います。1年が経ち、リベルについて自分で考えられるようになってきてもいるので、少しずつ考えを残していきたいと思っています。今回は、なんでリベルというサービスをやっているのか、今時点の考えを書き残してみたいと思います。  リベルの着想は、自分がどんな事業やサービスをやるのか悩んで

          改めてリベルについて

          「リベル」というサービスを始めました。

          僕は、個人個人の、こんなことをやりたい、こんなものあったら面白そう、という内発性から生まれるサービスやプロダクト、活動、ひいては人生の選択に魅力を感じます。 ですので、一人ひとりの内発的モチベーションが続く社会にする、ということをミッションにしています。 そのような社会により近づくための一つの貢献が、今回始めた「リベル」です。 人と違うことをしたい、これまでにない新しい価値を提供したいと考えるほどに、視野が狭まる感覚をおぼえることが、僕自身ありました。 視野や思考の狭まり

          「リベル」というサービスを始めました。

          国王も柔軟性

          17世紀頃のイギリスでは、議会の力が強くなっていたようだ。 議会をないがしろにする国王は追放され、議会を尊重する国王は任期を満了できた。 この時にはまだ、国王が絶対的な権力を持つ、絶対君主制の時代であったにも関わらずだ。 その後、名誉革命を経て、国王の権力は削がれていき、現代に通じる議院内閣制が整っていく。 議院内閣制とは、行政を執り行う内閣が、議会の信任をもって成立している政体だ。 議会は、選挙によって国民に選出された議員で構成されるから、行政は間接的に民意が反映されてい

          国王も柔軟性

          正解のない時代のリーダーシップ

          現代、そして未来は正解のない時代であると言われる。 僕個人としては、そのように言われる背景には、国の成熟化が一つ大きく関わっていると解釈している。 明治維新以降は、欧米に追いつけとばかりに、殖産興業・富国強兵・文明開化というスローガンを国家が掲げた。 その後、日清・日露戦争において、日本などが勝てるはずがないと考えられていた大国に勝利し、強国の仲間入りをした。 そのまま、第一次世界大戦を経て、国家総動員の太平洋戦争に突入し、国民一丸となって戦った。 敗戦により焼け野原になっ

          正解のない時代のリーダーシップ

          慕う・従う

          慕うことと、従うことは違う。 慕うのは主体的で、従うのは従属的。 慕うのは相手をよく知らないとできないけど、従うのはルールや仕組みによって成される。 だから、時間がかかるかどうかという点では、慕うのは非効率的であり、従うのは効率的。 慕うのは、慕う人も幸せだけど、従うのは、従う人が幸せかは疑問。 慕われるのは、慕われる人は幸せを感じるけど、従われるのは、従われる人が幸せかは疑問。 慕うのは、人間的(動物的?)な意味合いでは良いが、効率的・分業的に動かなければいけない近代

          慕う・従う

          民主化の流れ

          思えば、「会いにいけるアイドル」は、民主化という流れの上にあったのか。 日本では明治維新以降、封建的な社会から民主的な社会に移行し、個人の時代になった。 ただ、いきなり個人の時代と言われても、その直後から自分で意思を持って行動するのは難しい。 それまでは、身分が決められ、お上の言うことにはたとえ理不尽だとしても逆らわず、従っていたのだから 最近は、いろんなサービスで「民主化」という言葉を聞くようになった。 明治維新から約150年経っているのに、なんで今??と疑問に思ってい

          民主化の流れ