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Feature FUTURE

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PLANETS CLUB「 こども未来部」メンバーによるリレーマガジンです
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#子ども未来部

節約の果てにあったもの

節約の果てにあったもの

TwitterのTLを眺めていたら、白央さんがこんなことを仰っていた。

確かに、過去、節約はまだ美しい風習だった頃があったに違いない。
もう随分長く主婦が読むような雑誌に、テレビに定期的に節約の字が踊っていた。
新婚当初、1ヶ月で「この食事作りはこれから先、ずっとやり続けなければならないのだ」と絶望を味わった。そんなものはまだ可愛らしい。家族が増えていくと更に難易度が上がっていくシステムになって

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熱を出したときのこと

熱を出したときのこと

子どもの発熱は親にとって代わってあげたいことの最たるもの。
真っ赤な顔してふうふう荒い息をして苦しそうな我が子は胸を締め付けられる。
長男はすぐ熱を出し9度まであがる。
熱を出すと寝られない子で、叫んでごろごろして立ったり歩き回ったりで、ちっとも良くならない。
幻覚をみるタイプなので、寝ていてもいつもうなされる。
ひとときも目が離せない。
小さい時は抱っこでも熱で苦しい為に暴れ、大変だった。ぐった

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春と桜と憂鬱と

春と桜と憂鬱と

春🌸です。
新学期を控え、私の同僚も何人か新1年生の保護者となり準備が大変そうだ
社交辞令というか、世間話に「どう、新1年生は?楽しそう?」と聞いてみた。「神経使って疲れる」との返事。それはそうだ、本音だと思う。
私も準備に抜かりがないか、着せる服はどうだろうか、自分が着ていくスーツは浮いていないか、などと気を使ってヘトヘトで、あまり晴がましい気持ちではなかった。憂鬱だったかもしれない。
彼女が

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癒されるべきはオトナ、それでも

癒されるべきはオトナ、それでも

映画「ファースト・ラヴ」
観てきた。もちろん、イケメン大好きはくさいのこと、目当ては中村倫也氏である。
窪塚洋介氏は若い頃に好きだった。今回はかっこいい役どころだった。若い頃のとんがった性質を抑えていて、時の流れを感じる。
そんなことはどうでもいいな、今は。すみません。
本題、映画の感想ではなく映画を観て想起したことをネタバレしない程度に言うと、トラウマの話なんである。
身も蓋もない話をすれば誰だ

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長男と大学受験の謎ルールを変えた話

長男と大学受験の謎ルールを変えた話

昨年の暮れ、長男が大学のAO入試に合格し、早々に進路を決めてしまった。滑り止めから何から全滅して、3月も終わろうかという頃になって国立大学の後期日程で奇跡的に合格をもぎとった自分から見たら、あまりにも羨ましく腹立たしい進路の決定だったが、まあめでたいことだった。

なにせ子供の大学入試などやったことがないし、しかも長男はいわゆる学力全振りの一般入試ではまるで歯が立ちそうもない成績であったので、AO

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飽きるほど繰り返しても、

飽きるほど繰り返しても、

「こんなことなら好きなこと、見つけておけばよかった、好きなこと楽しいことなんてなんにもなかった!仕事ばっかりで私には、なにもない」
母が堪りかねて吐き出した言葉は齢八十を過ぎてなおこんなことに執着するものなのかと、驚嘆した。
残酷なのかもしれないが、その時「今さら」という気持ちを抑えられずにいた。
それと同じだけ、母を哀れに思う気持ちがないまぜになり、なんと声をかけたらいいのかわからなかった。

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スピリチュアルは20%

スピリチュアルは20%

実はタロット占いができる。
好奇心ではじめて、センスがあったのか当たると評判になり大学時代よく占った。知っている人だけでなく知らない人もよく占うし、行列もできた。

絵解きは完全にセンスだ。多分、語彙力と関係が深くカードの出るタイミングと絵の意味がわかれば、文脈が理解でき語彙がある人であれば、ある程度、絵解きはできる筈だ。出る位置とカードの意味の組み合わせ、ここにセンスがいる。
不思議さを見出すな

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悪気がないという陥穽

悪気がないという陥穽

普段から思ったことを口にするタイプの子は身の回りに1人はいる。
他人事のように言っているけれども若いころは無知で自分自身そのきらいがあったかもしれない。何やらキャラが立つような気がしていた。
いつもなら「今それを言っても仕方ないだろう」という発言をいくらでもスルー出来るところを今回は言わなくてはと意識する間もなく窘めていた。自分が発する言葉に少し驚いたくらいだ。
それは世間話から始まった。幼い子ど

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金木犀薫る庭で

金木犀薫る庭で

少しひんやりした風にまじって薫る秋の気配。
金木犀が咲き始める。
「あ、金木犀」
1年間その花のことをすっかり忘れているのに風とほのかな芳香に人は破顔する。
「そんな季節なんだね」
そんな当たり前の光景に少しばかりの羨望を感じてしまう。
10年以上前に遡る。
その年の3月に初めて報道があった新型のインフルエンザはブラジルで発生した。あれよという間に世界中に広がり10月には我が子の学級閉鎖という事態

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迷子に対するアニキと妹の距離

迷子に対するアニキと妹の距離

心配性だ。
とてつもなく心配性。
昨今の幼い子どもに対する酷い事件は目を覆うものばかりだし目を離したわずかの隙に事件は起こる。
子どもたち、特にムスメが視界から離れると恐怖にかられる。
「何が嫌かってめっちゃ大声で名前叫ぶじゃん。あれが嫌だった。声大きいし怖くて怖くて」大きくなってからムスメに聞くと私とはぐれれると半狂乱の私が大声で名前を叫ぶので「ヤバいおかあさんが狂う💦」と焦ったそうだ。はぐれ

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誰の側にいて学ぶか、が問題。

誰の側にいて学ぶか、が問題。

AIは枠組が大事だ。
量的なものから探し出すことに長けていてもその枠からはみ出すことはない。
AIがテーマの仮面ライダーゼロワンをみていた。
初代から仮面ライダーが好きだ。改造人間となった悲哀を背負って戦う本郷猛の姿が魅力的だった。
今作の主人公AI会社社長飛電或人は悩まないタイプかと思いきや結構悩む。極めて現代っ子のライダーだ。
AIを信じ人間と共に生きる未来のために戦うライダー。コロナで書き込

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料理人に纏わるサスペンス、そして食で育てる事

料理人に纏わるサスペンス、そして食で育てる事

「美食探偵」ドラマ版を観ていた。
食に纏わる事件を食で解決するという触れ込みだったが大して探偵要素は無い。
この世界観では警察は機能してないし主人公の行動は説明不足だしツッコミ所はあるけれど、私は1話を観て泣いてしまった。
どこに?と言われそうだけれど。
自覚もないままに抑え込んでいたものをドラマをみていて不意に突きつけられた。
この物語では食事をつくる人を蔑ろにしたことが『罪』だったからだ。

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