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つぶやいてちょコッチョリーノ

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生姜の炊き込みごはん #まいにち土鍋

生姜の炊き込みごはん #まいにち土鍋

暑かったり雨が降って肌寒かったり。
体温調節に心くばりたいお天気が続いている。
着るべき洋服もなにがなにやら。

先日、漢方の合宿参加について少し触れたが、ノートが一冊なくなるくらい講義で書き込んだ内容を復習する時間がほしいなと悶々としている日々。先人たちの知恵がうごめく東洋医学の学びは深い。野草が茂る自然界も広い。ゆえに、この勉強、一生つづけても終わらないだろう。

先日の合宿では、乾姜(しょう

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ピスタチオのドーナツとまるくまるくと願う展覧会 #まいにち土鍋

ピスタチオのドーナツとまるくまるくと願う展覧会 #まいにち土鍋

ピスタチオのドーナツを子が買ってきてくれた。「ホーカス・ポーカス」のドーナツだ。全てうまくいきますようにと呪文を唱えながらまるいドーナツを食べる。

スープ皿の把手を丸くしている理由はいくつかある。大きな指にも子どもも指にも使いやすいサイズを探求しつづけた。

それともうひとつ。我が子が3歳くらいのとき作品を見て「おいしそうな色やおいしそうな形が好き」と言っていた。それだ!と思った。

展覧会「道

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新茶とお茶缶

新茶とお茶缶

老舗茶屋

数年前より、土鍋コッチョリーノをご愛顧いただいている「茶のつたや」さんは、創業昭和3年。高田馬場にて90年の老舗茶屋。「新茶が到着しました」という記事を読み、ご納品する足はリズムよく。

感染防止対策として開放しているエントランスからは、興味深くお店をのぞいていかれるお客さまの様子がわかりなんだかウキウキする。高田馬場駅すぐ早稲田通りに面しているため、学生さんが静かにまったりと昼過ぎの

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フリーゼにトマトをのせて夏がはじまる

フリーゼにトマトをのせて夏がはじまる

あの夏が見つからない
「フリーゼと夏」

土鍋をかかえてイタリアを旅するプロジェクト「旅する土鍋」を数年間つづけてきたけれど、去年からあの重みはカラダに戻ってこないし、あの雲の音も、海の音も、あの味も見つからない。

あれからずっと、もう何十年も、あの味がないと夏がはじまらない。好物でしょ?と、毎年持たせてくれた窯で焼いたフリーゼ。

(イメージ写真)
トスカーナに住む千穂さんが焼いてくれたフリー

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きっとね、あとで笑おう LUNA PIENA

きっとね、あとで笑おう LUNA PIENA

満月の下のパーティ

土鍋で満月の下のパーティ。
去年もできず、きっと今年もできず。
写真は、おととしの満月の夜、ミラノでつくった土鍋メニュです。

20:00に消灯される東京の空。満月に期待をこめた小望月に呼び止められました。東京の月もきれいです。近ごろ一度にいろいろな事柄が天から降ってきて、試練なのか恵みなのか。命と命がぶつかりあう我らの星だから、ざわめきでできているのかもしれなくて。

待て

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八重のヤマブキ

八重のヤマブキ

春のタケノコ

わたしという名のタケノコは、誰にも抜かれず太陽にぐいぐいと引っ張られる。

土から顔を出し外界の空気に触れたその節目は、気まぐれな春の天候にさらされる。ぐっしゅりと雨をふくんだ土から出たばかりなので、冷たい風が吹くと寒いけれど、やわらかい陽の光でも充分あたたかい。どうやら、わたしのからだは、しなやかであるらしい。

皮をはぎ光を浴びて、節目はどんどん強くなる。
柔い節目が要のところ

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ものの芽 -あなただけのものである証-

ものの芽 -あなただけのものである証-

ものの芽

うつわや調理器具の発達のなかで、わたしたちの欲求はどこに行こうとしているのでしょうか。貧困に飢餓、災害や疫病の災禍にて、あらためて考えます。

民藝とかアートとか、そんな単語が出てきますが、検索などせず、肩のチカラ抜いて、ものの芽を感じてくだされば。

温度あるものとは

物質的な豊かさだけでなく
「健全な美」を。

「民藝とは何か」(日本民藝協会 参照)

意味がよくわからなくても、

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そして陶芸道という一本道を行く

そして陶芸道という一本道を行く

東日本大震災から10年。
わたしは東京でそれを記憶することに。
同時に、10年目の一本道を見つめています。
正解のないコロナ禍で。

あの道

実家の両親、そして仕事に出ていた家人とも連絡が取れないまま一晩が過ぎ。家人のふるさと福島は大丈夫だろうか。ネットがつながらず安否確認アプリどころではありませんでした。

毎年、なにができるか考える。
毎年、あの日の前後の書いたブログ「こどもたち」を読み返す

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土に還るお弁当箱

土に還るお弁当箱

クラウドファンディングにて支援させていただいた、野上優佳子さん(弁当家)が手掛けたBENTO box COFFEE で、せっせと塩麹を醸している。

土に還る

このお弁当箱は竹粉とコーヒーかすからできている。植物繊維により成形可能である「プラントファイバーセラミック」という新素材であり、土中にて、完全生分解するらしい。

食べやすくて洗いやすい

ほぼ毎日×15年間、息子にお弁当をつくってきた。

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はぐくみのうつわでありたい

はぐくみのうつわでありたい

時間や体力が心底ないときは、それすらもできないやと思うことがあります。だからといって、便利ばかり探せば解決するのかな。

もっともっと、どうでもよくて、逃げてゆく湯気のような声がかけられたらいいなと思っています。いや、声をかけるのとも違う。逃げてゆく湯気のようなものを、はぐくみたいのです。

だからうつわをつくります。
やさしい温度、ときに強い火と一緒に。
もう少し、つくります。

望むものがたく

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内側を想ってろくろをひく 「はぐくみのうつわ」

内側を想ってろくろをひく 「はぐくみのうつわ」

うつわは内側を想ってつくる

ああいう形になあれと、ひとつひとつ内側から「願い」をこめながら土をひきます。ろくろびきのうつわは、内側をはぐくみ、内側から形を考えるオブジェクトです。外観デザインは使い勝手や景色として想いに残るものなので、内側から形を生んだら、外側にも注力します。

茶碗や鉢、土鍋の本体などは、ろくろの上で土を上げてゆき、中身を想像しながらひきますが、土鍋の蓋というのは「逆さま」です

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「それでも地球のかけらはまわる」

「それでも地球のかけらはまわる」

ガリレオは本当に言ったのか、言わなかったのか。どちらにしても、あの名言は地球を「ヒロイン」にさせた。

このところの地球はどうしたものか。
デスペラードな存在になってしまったのは、確実にわたしたち人間のせいだ。荒ぶる神を守護しなければならないのは、本来、人間であるわたしたちなのに。

そんなとき、もうさあ「バカだねえ」と口から出てくるようなことしかできいないでしょと、開き直りたくなるから、この作品

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サンマのようにおよげ2020

サンマのようにおよげ2020

明日は知らない一年に変わってゆくのだろうか。

嘆きばかりでない、大海原は、プランクトン(古代ギリシャ語「漂う」に由来する遊泳能力を持たない生物)と、それを追いかける生物との可能性で満ちている。

嘆きもせずに日本から遠ざかるサンマたち。今年は無理に食べようとしないだろう。
美大の温床でもある芸祭の中止に、文句をいったって生産性を失うだけだと上を向く若人たち。
海を泳ぐサンマも、ジェネレーションも

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都会の空にあいた穴「ワタリウム美術館」

都会の空にあいた穴「ワタリウム美術館」

青い空が気持ちよかったので、昼休みの1時間くらいだけでもおもてに出ようかと工房を留守にする。あの、空の穴がみたくなって、青山のワタリウム美術館で開催中の「生きている東京展」に行こうと決めた。

内容の詳細は、ワタリウムのWEBサイトを参照いただきたい。開館当初からずっと思ってきたことだが、抽象的な展をわずか数行で淘汰するパブリックリレーションにも、いつも学びがある。(余談だがアーティスト坂口恭平を

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