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生まれた性にくつろげる人は、本当にいるのだろうか?〜赤坂真理『愛と性と存在のはなし』
盲導犬を訓練によって一人前にするはとても難しいのだそうだ。訓練すればすべての犬が盲導犬になれるわけではない。ではなぜ難しいのだろうか。それを考えたのが「環世界」という概念を生み出したドイツの生物学者、ヤーコブ・フォン・ユクスキュル(1864〜1944)である。
素人の自分が解説するのもおこがましいけれど、環世界というのは、個々の動物がそれぞれの仕方で認識している世界のことだ。「動物には世界がどう
進化はいかに「社会」を生み出すのだろうか?〜E・O・ウィルソン『ヒトの社会は動物たちが知っている』
子どものころは、巣から出てきてせわしなく動き回る働きアリを延々と見ていられたものです。そんな私たちにとってとてもありふれたアリという生き物が、非常に高度な社会を持っていることはよく知られるところでしょう。
女王アリが卵を産み、「ワーカー」と呼ばれる働きアリが仕事を分業し、家族がひとつになってコロニー(巣)を維持していく。その生態は驚くほどに多様です。巣の中に畑をつくって農業をする種(キノコアリ)
書籍編集者が担当した本を紹介するための長い言い訳
はじめまして。
私は渋谷にあるNHK出版という会社で、書籍、おもに新書と翻訳書の編集をしています。編集者として今年で10年選手になりました。
これまで編集を担当した本は追々ご紹介させていただくとして、登録だけして6年ものあいだ放置していたnoteを遅まきながら始めます。この場では、おもに自分の担当した書籍について、スタートからゴールまで関わった身としての立場から、その魅力を伝えたいと思います。