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山本てら
2023年8月14日 09:18
夏草の名さへ忘るる秋ぐもり色一重ぬぎ捨てしかな秋曇またの名を愁ひといふや秋曇
2022年11月6日 15:45
子の腕は隠れぬままに冬隣冬近し髀肉の嘆の入り日かな角膜のセピアに染まる冬隣
2022年11月4日 09:44
見納めの鰯雲かな達者でな鰯雲なごり惜しきか追ふてくる白波と恋のかけあひ鰯雲
2022年11月3日 09:09
秋晴れて空よりそそぐ元気かな気の塵を道づれにして落つる葉やむなしさは一時保留の秋日和
2022年11月1日 16:33
来ぬ人の来ることはなしそぞろ寒肌寒や人の変はらぬつれなさよ降りもせず光もささぬ暮秋かな
2022年10月31日 15:06
風とひかり手を取りあひて秋日和秋陽や夜の化粧の朝帰り朝のひかり新聞たばこ男の秋秋晴や前途断ち切る鳥の影曇るたび冬のフェイントしたたかに
2022年10月20日 09:48
どの窓もくもりて冬の初めかな身を寄せしまどゐの跡や窓の露深く吸へば永らふここち秋暁や襟正すこころざしかな秋の朝日をかくす衣はいづら秋晴るる
2022年10月19日 16:20
秋の山やうやう晴れてほがらなり高らかに実をもち上ぐる柿の腕風を切る衣の隙間ひややかに並み立てる長袖シャツの影の舞秋日影さまざまのこゑ空に舞ふ
2022年10月17日 16:13
しめやかに草木にほへる秋の雨雨つぶに落ちたるのちも金木犀年頃の男の子は栗か明日葉か明日葉や雨にもめげず女狩り今年米雲にとぢられ過食かな
2022年10月14日 10:21
眼裏に古への影里芋や万葉の恋の野遊び里芋や里芋の皿を横目に歌合殿の足袋は芋茎の香り銀杏城衣被とろりと逃げて我に返る
2022年10月13日 16:04
秋雨や語り足りぬかその背中秋雨や手をのばしても濡れるのみ秋雨や傘にしみ入る孤独かな
2022年10月11日 17:18
秋の雲ときにはよきかな懇ろに愛の雲秋の空隙に満つるかなかすれつつ気高き筆のうろこ雲
2022年10月10日 16:37
その月も欠けたるところ同じかな手にふはり月にあづけし君の声十六夜もともに笑ふよふらここと*七田苗子さんが、拙句をもとに、ビードロのように儚げな透明感を持つ美しい物語を紡いでくださいました↓
2022年10月6日 10:03
もの思ふ心の兆す秋霖や秋雨にみどり子さへもとぼとぼと子の声はいづこへ雨の車窓かな秋雨に取られし影は土の中シャーペンを押せば静けき秋の雨