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「切り絵で世界旅」(はじめに)コロナ禍の日々、私は世界を旅していた
●きっかけは、コロナ禍での過ごし方だった
2019年12月、中国・武漢市から始まった新型コロナウィルスは、瞬く間に感染拡大し、世界は不安と恐怖に支配された。予定していた中国福建省の「土楼ツアー」も当然のように中止になり、世界各都市のロックダウンでどこにも出かけられない不自由極まりない大自粛時代がやってきた。
2020年1月にふと考えた。はて、私はこのコロナ時代をどう過ごせばよいのだろうか。コ
「切り絵で世界旅」カイマルクの地下都市(カッパドキア/トルコ)カイマルクの地下都市で一生を暮らす人の気持ちは?
奇岩で有名なカッパドキアへ。広大なエリアの中で、最初にカイマルクの地下都市を訪れた。地下都市といえば、ジュール・ベルヌの小説『地底旅行』が思い出される。またカイマルク自体、TV番組『世界不思議発見』で地下都市の様子が紹介されたので概要はわかっていたものの、実際に見学するのはもちろん初体験であり、興味は募るばかりであった。
さて、カイマルクの地下都市へと入って行った。ランプで照らされた薄暗くて
「切り絵で世界旅」バリ・ハイアット・ホテル(バリ島/インドネシア)70年代創業の老舗ビーチリゾートホテルのレトロ感を堪能
2013年5月下旬、初のバリ島旅行を楽しんだ。4泊したバリ島での宿泊先は、東海岸のサヌール地区にある「バリ・ハイアット」。1973年創業の老舗ビーチリゾートホテルであり、とにかく広い。約14万㎡もの広大な敷地に、ロビー、レストラン、プール、テニスコート、宿泊棟(390室)などが建っている。
偶然にも前年に同じホテルに泊まった知り合いのM教授曰く。「007が出てきそうなリゾートですよね」。言われ
「切り絵で世界旅」生ケチャ、初体験(バリ島/インドネシア)複雑なリズムと神憑ったエネルギーに魅了される
パリに行ったことはあるが、バリは初めてだった。最大の目的は、インドネシアのバリ島で行われる舞踏劇「ケチャ」を観ることだ。
ケチャを知ったのは、フェリーニの映画『サテリコン』だった。迷路をさ迷っていた主人公にミノタウロスが襲ってくる。そのときの音響効果として、「チャ、チャ、チャ」の不思議なかけ声が、それも多数の男性の声が重なって悪夢のように繰り返されたのだ。後に、それがバリ伝統のケチャダンスで
「切り絵で世界旅」出家式(バンコク/タイ)男性は生涯に一度仏門に入ねばならない仏教国
1987年、初めてタイを訪れたときのこと。まずキックボクシングを見るためにスタジアムまでタクシーで駆けつけたのだが、残念ながら休日だった。ドライバーはきっと休日であることを知っていたはずなのに黙っていたのだろう。
そこで翌日、タイ観光の定番の一つ「タイ古典舞踊とタイ式ディナー」を予約して、バンコクの南西約30kmにあるローズガーデン(現在、サムプラン・リバーサイドに名称変更)に向かうことにし
「切り絵で世界旅」スチールパン(ゴールドコースト/オーストラリア)マラソン完走後に聴こえてきた天国の音色
3度目のゴールドコーストツアーで、ラッキーなことにゴールドコーストマラソンの開催時期と重なっていることがわかり、無謀にも10kmマラソンに挑戦することにした。高校時代以来のマラソンだから、不安なことこの上ない。
当日朝、バスに乗って会場に駆けつける。9時25分にスタートの合図。今日は完走が目的なので、マイペースで走ることにする。しかし気分良く走れたのは最初の2~3kmまでで、あとは苦痛の連続。
「切り絵で世界旅」サンクチュアリコーブの市場(ゴールドコースト/オーストラリア)オーストラリアを代表する総合リゾートにため息!
驚きたくて生きているが、驚き度数が高かったのが、1990年に訪れたゴールドコーストにあるサンクチュアリコーブだ。そのスケールと豪華さに度肝を抜かれた。終始、心を打ち振るわせながら現地スタッフに案内されてコーブ内を動き回ったものだ。
1987年創業のサンクチュアリコーブは、474ヘクタールの広大な敷地に、別荘エリアをはじめ、ゴルフコース、クラブハウス、レストラン、ショッピングセンター、郵便局、
「切り絵で世界旅」コーラルリーフ号(グレートバリアリーフ/オーストラリア)2泊3日のダイビングツアー。だが初日に挫折(泣)
1990年、初めてオーストラリアに行くことになった。行き先はケアンズ。コアラとカンガルーしかいない国で何をすればいいんだろう? 退屈するだろうな。盛り上がらならない気分のまま、オーストラリアのことを調べていると、ケアンズの沖には世界最大の珊瑚礁地帯グレート・バリアリーフがあるではないか。スキューバ・ダイビングには絶好の場所で、色とりどりの珊瑚類やナポレオン・フィッシュなどを堪能できるそうだそうだ
もっとみる「切り絵で世界旅」サンミゲル教区教会(サンミゲル・デ・アジェンデ/メキシコ)ピンク色の外観が目を引くゴシック調の教会
メキシコ中部にあるサンミゲル・デ・アジェンデは、メキシコ独立戦争の英雄アジェンデが生まれた町だ。芸術の町としても知られていて、アジェンデ美術学校には世界中から芸術家や留学生が集まってくる。その町のランドマークともいえるのが、中心部に建つサンミゲル教区教会だ。
ピンク色の外観と聳える椰子の木が並ぶ教会は、これまで見た多くの教会とは違う雰囲気である。日本で家の外観をピンク色にした漫画家がいたが、ピ
「切り絵で世界旅」パドレ・テンブレケ水道橋(メキシコ)寡黙に佇む世界遺産の水道橋を見上げる
テオティワカン遺跡からプエブラへ移動途中、バスが停止した。一見何もない平原に水道橋が建っている。パドレ・テンブレケ水道橋だ。
パドレとは「神父」の意味であり、テンブレケ神父の水道橋ということになるになる。16世紀にフランシスコ会のテンプレケ神父が地元民の協力のもとにアメリカの先住民が用いていたアドべ(砂や粘土から構成された天然建材)を使って完成させたもので、最も高いところでは38m にもなる。
「切り絵で世界旅」テオティワカン遺跡(メキシコシティ/メキシコ)神官が増えすぎて滅んだ(?)古代遺跡に登る
メキシコ旅行のハイライトの一つがテオティワカン遺跡だった。エジプトのピラミッドは転落事故防止のために登れなくなったが、ここは階段で頂上まで登ることができる。文字を持たず、太陽神を拝み、生贄を捧げた古代文明。ワクワクさせるには十分だ。
メキシコシティーの北約 50kmにあるテオティワカン遺跡は、紀元前後から8世紀頃まで栄えたとされるが、この都市を築いた民族は不明だ。南北に延びる死者の大通りを中心
「切り絵で世界旅」サボテン(メキシコシティ/メキシコ)メキシコ全土で食べられている食用サボテンに挑戦
「ああ、紛れもなくメキシコに来たのだ」と実感できたのが、メキシコシティからテオティワカンへの向かう途中で見た、平原一面に広がるサボテンの風景だった。外国人が昔の日本に抱いたステレオタプなイメージがゲイシャ、フジヤマとするなら、メキシコの場合はサボテン、ソンブレロだろう。
サボテンの種類は2500種類以上あるが、メキシコでよく見たのはウチワサボテン(団扇さぼてん)とリュウゼツラン(竜舌蘭)の2