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若者のすべて〜アジアプロ野球チャンピオンシップ2023
2023年は3月のWBCで始まり空前絶後の熱狂を生んだ。野球ファンにとって幸せなスタートとなり、コロナ・ウイルスで闇に包まれた野球界に光明がさした。来年はプレミア12が控えており、3年後のWBCも今から待ちきれない。満腹、大満足の2023年だが、なんと国際大会のデザート、最後のシメが残っていた。
『アジアプロ野球チャンピオンシップ』
初耳の人も多いだろう。WBCに比べて知名度、注目度ともに低く
黄金週間のベースボール
みどりの日の意味は知らないが、野球を観るなら深く澱んだ緑のベルーナドームがふさわしい。新宿から西武線に揺られて387円。朝10時50分に西武球場前駅に着くと、抜けるような青空が迎え入れてくれた。
首位と最下位の対決。本塁打王の山川穂高、近藤健介、柳田悠岐。日本を代表するホームランヒッターを擁するホークス。ライオンズはこれといった打者がいない。まんべんなく全員でコツコツとホームランを積み上げる。何
『母の温度』に寄せて
尾崎豊の奥様・繁美さんの連載コラムを仕事前に読む。毎朝の愉しみである。24歳で夫を亡くした繁美さんは喪失感に向き合う時間もなく、目の前には2歳の裕哉。マスコミから追い回される日々から逃がれ、意思の通じないボストンでの苦闘。子育てという愛のしるしは格闘の軌跡でもある。
noteで読んだ一編『母の温度』は、男兄弟で育った僕に、母娘の関係性を覗かせてくれる。母と娘のキャッチボールを見ているようだ。子は
スタジアムからの贈り物
関内駅の赤煉瓦を背に、数メートル歩くと野球場が見えてくる。ドーム球場が増え「ボールパーク」「フィールド」の名称が次々と輸入された令和。「スタジアム」の呼称はZOZOマリンとMAZDA、そして企業名ではなく地名が残っているのは「横浜スタジアム」だけになった。
企業名が入ると愛称が生まれない。横浜スタジアムは地名があるからこそ「ハマスタ」の愛称が生まれ、球場名から風を感じられる。
昼は赤煉瓦、夜は
真夜中のキャンドル〜代々木八幡公衆トイレ
明治通り、環七通りと並ぶ東京で有名な通り。首都高と並走し、品川区から板橋区までを結ぶ。東京では珍しいほど広い通り。B'zやGLAY、椎名林檎の作品にたびたび登場する。そんな山手通りにあるトイレが『代々木八幡公衆トイレ』である。
映画『PERFECT DAYS』で最も登場回数が多く、最も多くの物語が描かれている。
主人公の平山(役所広司)は代々木八幡宮の苗を持ち帰って育て、死んだ眼をしたOLと並
桜色の夕暮れ〜恵比寿公園トイレ
夜を待つ公園は寂しさに包まれる。一日を終えるひと、これから一日を始めるひと。夕暮れに霞み、あったかい晩ご飯にワクワクしながら家路につく。令和二年八月に完成した恵比寿公園トイレは行き交う人々と車の黄昏を見守っている。
「無」を凝縮した背中は一見トイレだと気づかない。恵比寿駅から歩いて五分以内なのに、ずいぶんと閑静な公園。お世話になった登山家が上京した当初は恵比寿に住んでいたと言っていた。
夕方五
たったひとりの最終決戦
1990年10月17日。生き方を決定づけられた。12日後に7歳になる前、この日が人生を産まれ直したバースデーだった。
ドラゴンボールのTVスペシャル『たったひとりの最終決戦』
サラリーマンの悲哀と抵抗、男の死に様を描いたアメリカン・ニューシネマ的アニメ。そんなものを見せられたら6歳の生き方が変わってしまうのも無理ない。会社員になってから「社内不適合者」と呼ばれ続けたのも、たった独りの戦士に憧れ