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映画 『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』 覚え書き
今春、日本でも劇場公開された映画『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』。
デヴィッド・ボウイ財団公認、ブレット・モーゲン監督・脚本・編集によるこのボウイ映画については、ずっと書き出せずにいたのだが、やはり今年中に書いておこうと思う。
生前ボウイが保管していたアーカイヴ映像と楽曲、(本人による)語り/インタビュー音声のみならず、彼がインスパイアされた映画・絵画といった他者アートも交え
追悼 ジェフ・ベック (特別篇)
今年に入ってからというものの、音楽ファンには悲しい知らせが続いているが、
1月中旬に飛び込んできたジェフ・ベック突然の訃報には、本当に打ちのめされてしまった。
それから3ヶ月以上たった今も、そのショックを引きずっている。
奇しくもベックが死去した1月10日は、デヴィッド・ボウイ7回目の命日だった(ベックの盟友、ロッド・スチュワートの誕生日でもあるそうだ)のだが、現在公開中の映画『デヴィッド・ボ
怒りをこめてふり返れ (特別篇)
” 「私が誰かわかっているね」と彼が言った”
との歌い出しで始まるデヴィッド・ボウイ、1979年の楽曲 ”怒りをこめてふり返れ” (原題 "Look Back In Anger")は、冒頭に登場する天使と歌の「語り手」である主人公との対話 ”らしき”内容の歌詞となっている。
これについては、すでに海外の考察サイトや田中純さんの著書『デヴィッド・ボウイ 無を歌った男』でも指摘されているように、か
Did you play at maximum volume?
海外では先週から劇場公開が始まったデヴィッド・ボウイの公式ドキュメンタリー映画、"Moonage Daydream"(ブレット・モーゲン 脚本、監督)。
なぜか日本での公開は来年3月とのことだが(国内のIMAX上映館数が確保できなかったとでもいうのか)ここは気を取り直して、同時にストリーミング配信が開始された今作のサウンドトラック盤を聴いている。
長さ2時間以上、CD2枚組(日本では11月18
God only knows (what I'd be without you)
先日、映画『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』を観た。
ブライアン・ウィルソンという、とてつもなく巨大な才能を持つアーティストの今に密着、その素顔を伝えるこのドキュメンタリー作品には、長年彼が抱えてきた深い孤独と悲しみ、そしてその先にある喜びがしっかり映し出されていた。
60年代のビーチ・ボーイズでの成功、その後の長い"失われた歳月”を経て、ソロとして奇跡の復活を果たすその波乱に満ちた半生は
Toll The Bell ①
先日開催されたレコード・ストア・デイ2022では、毎年恒例となった感のあるデヴィッド・ボウイのニューリリースがふたつあった。
特に自分が注目していたのは、昨年リリースされた90年代ボックスの特別編的な『Brilliant Adventure EP』で、アルバム『アウトサイド』(1995年)期の初出レア音源が4曲収録されている。
(もうひとつは前出ボックスでオフィシャル初登場、今年1月に拡張版と
★ (Blackstar)
今日、1月10日はデヴィッド・ボウイの命日。
早いもので彼がこの世を去って丸6年ということになる。
2016年以降、正月明けのこの時期は彼の誕生日(一昨日の1月8日)と命日が立て続けにやって来るのだが、やはりまだ今は彼の死を悼む気持ちの方が上回ってしまう。
そして、その6年前にリリースされた『★』の衝撃は今聴いても何ら薄れることはない。このアルバム全編を貫く(かつてない)異様なテンションは一
90年代のデヴィッド・ボウイ
先日、ボックス・セット『ブリリアント・アドヴェンチャー 1992-2001』が日本でもリリースされたデヴィッド・ボウイ。
自分はまだ入手していないが、ティン・マシーンでの活動を経て、ソロ・アーティストとして再始動~復調していく90年代ボウイを振り返るにあたり、このボックスは格好のアイテムとなりそうだ。
この時代のアルバムはどれもリアルタイムで接しているが、当時の評価を思い返すと、ソロ復帰作『ブ
The Stars (Are Out Tonight)
キース・リチャーズ(㊗78才)と同じく、本日が誕生日のブラッド・ピット(こちらは58才)は以前から好きなハリウッド俳優だが、近年映画プロデューサーとしても活躍する彼の演技は年々、円熟味を増していると思う。
個人的には、『セヴン』(1995年/ボウイも同年曲”ハーツ・フィルシー・レッスン”を提供)などのデヴィッド・フィンチャー監督とタッグを組んだ作品が特に好きだが、近作では2019年に相次いで日本
怒りをこめてふり返れ(ライヴ篇)
デヴィッド・ボウイの "Look Back In Anger"(1979年曲) のステージ初披露は、発表から4年後の1983年だった。
そのシリアス・ムーンライト・ツアーでの演奏は当時の大ヒット・アルバム『レッツ・ダンス』のサウンドに合わせたホーン編曲がなされていたが、ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスとのダンス作品用にリメイクされた1988年の新ヴァージョンを挟み、ボウイが次にこの曲を取り上げ
怒りをこめてふり返れ 1979/2017
デヴィッド・ボウイ、アルバム『ロジャー』(1979年)収録の ”Look Back In Anger” は、3分間の長さながら雄大なスケールを感じさせるナンバーで、カルロス・アロマー(ギター)による中盤のソロ・パートや、デニス・デイヴィス(ドラムス)が鳴らすライド・シンバルのベルがこの曲に疾走感をもたらしている。
ボウイが最高のリズム・セクションを有していたこの時期、そのデイヴィス、アロマー、ジ
怒りをこめてふり返れ 1988 ③
デヴィッド・ボウイが1988年に新録音した“Look Back In Anger” は、同年7月のラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスとのパフォーマンス(ダンス)用にアレンジ/拡張された7分の長尺ヴァージョンとなっており、導入部と後半部にそれぞれ2分強の新たなパートが加えられている。
この前半/後半のインスト・パートは、翌年ティン・マシーンのツアーで数回演奏される”Now” にも流用されるのだが、
怒りをこめてふり返れ 1988 ②
1988年7月1日、ロンドンのドミニオン・シアターにてカナダの舞踏団、ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスと共演したデヴィッド・ボウイは、この日のためにアレンジした”Look Back In Anger”の新ヴァージョンを披露。
その後重要な音楽パートナーとなるギタリスト、リーヴス・ガブレルスとの初ステージでもあった。
そして、それから2か月後の9月10日、このコラボレーションはニューヨー
怒りをこめてふり返れ 1988 ①
日本では来月下旬にリリースされるデヴィッド・ボウイのボックス『ブリリアント・アドヴェンチャー 1992‐2001』は、彼のアーカイヴ・ボックス・シリーズの90年代編にあたる。
この時代のボウイにとって重要な存在だったのが、ティン・マシーン期からの右腕だったギタリストのリーヴス・ガブレルスで、本ボックス収録の『アウトサイド』(1995年)『アースリング』(1997年)『アワーズ』(1999年)に全
D・ボウイ、”過程を見せない”美学とは?
デヴィッド・ボウイがこの世を去ったのは2016年の1月10日。
あれから5年以上経った今もボウイに関する話題には事欠かず、彼の名を冠した作品のニューリリースは活発に行われ、他にも出版物をはじめとする各アイテムの発売、(過去出演作の再上映を含む)関連映画の公開も続いているようだ。
その中から今回は先月、京都国際映画祭2021で再見した写真家・鋤田正義さんのドキュメンタリー映画『SUKITA』(2