寺山修司の短歌「刑務所にあこがれし日は」
『血と麦』の小題「砒素とブルース」の「参 Soul, Soul, Soul.」に収められている。
■語句あこがれし日――「あこがれている日」。「し」は助動詞「き」の連体形。「き」は基本的には過去の助動詞であるが、完了としての使い方もある。その場合、動作・作用が完了し、その状態が存続しているという意味(~している、~してある)になる。
煮たる――「煮ている」。「煮たる」は、動詞「にる」の連用形「に」に、助動詞「たり」の連体形「たる」が付いたもの。助動詞「たり」はここでは、存