記事一覧

初ストリップを観た、感想

新宿歌舞伎町で、ストリップを観た。ストリップと言うのは皆様ご存知、踊り子がダンスショーの中でだんだんと脱いでいくのだ。 最初は着物をしっかり着込んで踊り、それ…

柏村悠
1年前
10

純文学とはなにか

 先日、友人と「純文学とは何か」ということについて話をした。彼女は、「純文学とは、終わりの読めない話のことだ」と教えてくれた。それは、彼女が直前に受けていた文学…

柏村悠
1年前
32

過去の詩 2

詩のリハビリを始めると言いましたが、依然新作はできていません。今回も変わらず過去作をあげます。 これは愁文会の会誌に載せた作品の中でも取り上げたものなのですが、…

柏村悠
1年前
5

発掘した短歌

小説の他に、というより小説より先に現代詩というものに手を出していたのですが、どうも私にはその二つ、つまり散文的なものが向いているようです。 短歌にも憧れがあり高…

柏村悠
1年前
3

詩のリハビリ開始

今日は初めて私主催で読書会を行いました。マルキ・ド・サド『美徳の不幸』の読書会でした。主催者としてきちんとできるか不安でしたが、皆様のおかげで楽しく進めることが…

柏村悠
1年前
7

黒歴史の発掘

今日は過去作の整理をした。今まで自分の処女作は高校生の時に書いたシリアス中編だと思っていたが、今日の整理ですっかり忘れていた中学生の時の作品を発見した。総字数38…

柏村悠
1年前
1

パンツ

 ギュッと力を入れると、この小さい布がそんなに含んでいたのかと思う量の水がシンクに落ちる。 「ほら、バンザーイ」  ドアの向こう側から聞こえるのは、耀太に体を洗…

柏村悠
1年前
6

初ストリップを観た、感想

新宿歌舞伎町で、ストリップを観た。ストリップと言うのは皆様ご存知、踊り子がダンスショーの中でだんだんと脱いでいくのだ。
最初は着物をしっかり着込んで踊り、それが終わると曲に合わせて手早く帯を解いていく。暗転してもう一度ライトがついたら、裸体が透け、局部さえもチラリと覗く衣装に早変わりしている。しかし、不思議と下品ではない。「ストリップ」というその言葉からはエロを想像しがちであるが、実際そこにあ

もっとみる

純文学とはなにか

 先日、友人と「純文学とは何か」ということについて話をした。彼女は、「純文学とは、終わりの読めない話のことだ」と教えてくれた。それは、彼女が直前に受けていた文学理論の講義で聞いたことだと言う。もしかしたら、正しくはちょっと違う言い回しだったかもしれない。しかし、だいたい、そんなようなことを言っていた。
 終わりが読めない、先が見えない、そんな小説は純文学と呼べる。しかし、犯人の分からないミステリー

もっとみる

過去の詩 2

詩のリハビリを始めると言いましたが、依然新作はできていません。今回も変わらず過去作をあげます。
これは愁文会の会誌に載せた作品の中でも取り上げたものなのですが、今のところ当時の評価としては最高峰です(当社比)。

「ハーバリウム」

私の夢
小さな貴方を
小さな瓶に浮かべて
硬く重い水の中で
なんにも知らずに
目を閉じていて

時を刻む心臓の音
手を伝って
ガラスを伝って
眠る貴方に届

もっとみる

発掘した短歌

小説の他に、というより小説より先に現代詩というものに手を出していたのですが、どうも私にはその二つ、つまり散文的なものが向いているようです。
短歌にも憧れがあり高校の時に少し書いておりましたが、音数の決まった韻文というのは難しいものであまり手応えを感じません。いや、正しくは、自分で納得がいかないのではなく、他者からの評価が詩や小説ほど良くないように思われる、ということです。
しかし、当時の短歌を発掘

もっとみる

詩のリハビリ開始

今日は初めて私主催で読書会を行いました。マルキ・ド・サド『美徳の不幸』の読書会でした。主催者としてきちんとできるか不安でしたが、皆様のおかげで楽しく進めることが出来ました。ありがとう。
そして、そこの話の流れで詩の話題になりまして、(たしか)kadoくんがnoteにあげろと仰いましたのでそうしていこうと思います。
とはいえ詩に向き合うのは実に3年振りくらいのもので、なけなしの才能が枯れてしまったよ

もっとみる

黒歴史の発掘

今日は過去作の整理をした。今まで自分の処女作は高校生の時に書いたシリアス中編だと思っていたが、今日の整理ですっかり忘れていた中学生の時の作品を発見した。総字数38,204字のライトノベル風長編が、実際の処女作だった訳である。かなり薄くなった記憶を何とか思い出すと、これは中2の夏休みに「富士山についてなら何でもいいから書け」という課題で書いたものだった。その後中3で無理やりねじ込んでいた富士山要素を

もっとみる

パンツ

 ギュッと力を入れると、この小さい布がそんなに含んでいたのかと思う量の水がシンクに落ちる。

「ほら、バンザーイ」

 ドアの向こう側から聞こえるのは、耀太に体を洗われている光太がキャッキャッとはしゃぐ声。子どもとはいつの時代も現金なもので、ついさっき「おねしょしちゃった……」とめそめそしながら起きてきたことはもう忘れたようだった。体を洗いながらふざけている二人の楽しそうな声が風呂場に響いている。

もっとみる