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あの頃僕らはアホだった〜2003年・13歳前編〜

中学2年生、13〜14歳って最強の年齢だと思う。

進路、気にしなくて良し。
勉強、そこまで難しくない。
環境にも慣れて、特殊な行事も少ない。
つまり、自由な時間も多い。

こんな環境下で、バカ揃いの我々が大人しくなるわけがないのである。

僕らの学校の男子は、イケメンもオタクもスポーツマンも落ちこぼれも、かなり分け隔てなく仲が良かったと思う。
中高が一貫だったので6年間同じ環境にいる、というのは勿論あるけども。

絆が強まったのは、5泊6日の無人島キャンプが大きなきっかけだったと思う。
今ならSNSで炎上しそうな行事だけど、続いてるんだろうか。

僕らの学校では、中学2年生の夏に全員参加で無人島にキャンプに行くという決まりがあった。

これがもう、ガチの無人島である。
街灯の一本もないし、電気も通っていない。
夜になると、伸ばした自分の手が見えない。
本当に真っ暗闇なのだ。

宿泊はテント、炊事は自分たちで釜戸を作って行う。
テントを立てる作業、釜戸を作る作業に手伝いや立ち会いは一切ない。

当然、冷蔵庫なんてものはない。
海水より冷たいものは飲めない。
飲み物を冷やす手段が海水に漬けることしかない
のだ。
つまり、それ以下の温度に下げる手立てはない。
開催時期は真夏。地獄だ。

飲み水がない程に使える水も限られているため、毎日のシャワーは男女共に3分間のみ。
おまけに、教師によるカウントダウンつき。
『今から30秒数える。泡立てろ』
的な感じである。

ちなみに、シャンプーやリンスの持ち込みもできない。
シャワーの途中、教師に『手を出せ』と言われ、個室から手を出すとそこにシャンプーが少し乗せられる。
書き出して思ったけど、これって刑務所だよね?
…いや、今の刑務所はもっと恵まれてるな。

当然、虫なんて溢れるほど出る。
僕はトイレに行った時に手のひらより大きくて指より足が太いクモを見たせいで、いまだにそれがトラウマ。
あれから20年が経過した今でも、足が太いタイプのクモだけは触れない。
というか、虫どころかイノシシとかもいるらしい。僕は運良くタヌキしか見なかったけど。

おまけに、最終日には海での1km遠泳というイベントまである。
僕は泳ぎが得意な方だったので大丈夫だったが、泳ぎが苦手な人たちは夏休み中に補習まであった。

学校としては『自分の置かれた環境の豊かさを知り、自立を促すため』と謳っていたが。
33歳になった今、振り返っても思う。
明らかにやり過ぎだ。

ちなみに、泳ぎが得意だった僕は直前まで1kmの遠泳を舐め腐っていた。
この時の僕は、ガチ海の恐ろしさを知らなかったのである。

後半へ続く。


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