記事一覧
掟と真実 〜ガリレオ・ガリレイに捧ぐ〜 あらすじ
火の無いところにこそ、煙を立てろ!常識こそ疑え!
400年前に存在した熱いROCKERの話。
真実は既存の情報の中には無い。
答えは小賢しい人間世界にではなく、大きな宇宙の中にあった。
学者は、それゆえという言葉をしきりに使うが、なにゆえ、それゆえなのか俗人には分からない。なにか、偉そうな言葉で誤魔化されているようだ
どうして君は他人の報告を信じるばかりで、自分の眼で観察したり見たりしな
掟と真実 〜ガリレオ・ガリレイに捧ぐ〜 ③
一五八五年 十月 フィレンツェ ガリレオ 21歳
結局、大学を中退し、フィレンツェに帰る事にした。貧しいガリレオ家にこれ以上負担を掛けさせる訳にはいかないというのも理由だったが、同じくフィレンツェに居る、リッチ先生の助手として数学をもっと学びたいというのが本音であった。当然両親は反対した。
父親は言った。
「途中で辞めるというのが一番無駄なんだぞ。一体何の為にお前に金を掛けてきたか分からんじ
掟と真実 〜ガリレオ・ガリレイに捧ぐ〜 ②
何だか遠い過去のように思えたが、あれから一年と経っていなかった。見える一年前と同じ景色が鈍色ではなくなっていた事に、ガリレオは不思議な満足感を感じていた。何もかもが愉快に見える。あの重苦しい感覚は一体どこへ行ったのだろうか?ここが以前と同じ街とは思えなかった。
店に入ると、ガリレオが待っていたはずのマルツェッロが既にワインを飲んでいた。
「おう!ここだここだ!姉さん!ワインをもう一本追加してく
掟と真実 〜ガリレオ・ガリレイに捧ぐ〜 ①
一六三六年 フィレンツェ ガリレオ 72歳
いつの日からだろう。こうして、満天の星の下、
吸い込まれるようなこの限りなく透明な闇の中で、
ただひたすらに、全ての感覚を研ぎ澄ませ、
何かを考える訳ではなく、何かを思う訳でもなく、
宇宙(そら)の、そして闇のその先を、
ただ、そう、ただ見つめ続けるようになった日は。
そこに何かがあるような、そんな思いになったのは…。
イタリア、トスカー