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#23 やって良かったな協力隊。私の思う地域振興エピソード(2)

「地域おこし協力隊」の活動の一環として、地域情報の発信に取り組んでいました。コンセプトは、地域の情報を、私目線で、地域の方に、楽しく届ける、です。

私の担当地区内で行っていたことなので、残念ながら、皆様の目に触れることはありませんが。

月1回、カラー印刷で、A4用紙8枚~10枚の情報量。読みやすくするため文字はデカデカと。写真もバンバン使い、雑誌のような、地域のかわら版のような。取材、構成、編集、印刷は全て私一人。印刷は公民館のコピー機で。配布は、自治会長に話を通しておき、広報を配布するタイミングに合わせ、班長さんに、広報その他の配布物と一緒に配布していただいていました。約280部。印刷代は活動交付金で。

その情報発信で取り上げる内容は、地域の名所旧所、神社・祠、自然、文化、歴史、飲食店、企業、地域の行事などです。毎月テーマを決めていました。範囲が広いな、ですが、私の担当地域には片手で数えるくらいの飲食店と企業しかありません。

その中で、地域のとある会社を取り上げました。にんにく生産・販売・加工を行っている小さな会社で、にんにく料理が楽しめる小さなカフェが併設されている作業場・加工場があります。

そのにんにくカフェへは、協力隊として着任してから、地域情報の発信に取り組む以前から、ちょこちょこランチを食べに行っていました。また、にんにくの加工品を買ったりして、社長さんにも私の顔が分かる状態でした。

なぜ、その会社を取り上げたかというと、循環農業の考えでにんにく栽培を行っているからです。もともと、酪農をしていた社長さんが、大量にでる牛糞を何とか活用できないか、それに、耕作放棄地を何とか利用できないか、と模索していたところ、牛糞がにんにく栽培に適していることを知り、にんにく栽培を始めた、という話を聞いたからです。

私は、その背景にある考えに共感し、「SDGs」というテーマで、その他私が思う地域にある「SDGs」な取り組みも集め、その月の地域情報として発信しました。

配布し終わって、しばらくして、カフェを訪れると、

「お疲れ様です。ど~も~、協力隊のななにいごです。」
「お~、お疲れ様。
 あの、情報誌だけどさぁ、お礼言いたかったんだよね。」
「は、はい。。」
「うちが最初にこの地域で作業場を建設するときさ、
 近隣の地域の人に説明会を開いたんだよね。
 地域の人が、あなた達だれ??工場が建つって??何すんだ??
 みたいに、説明してってなってさ。
 結局そんな大きな工場じゃないし、問題なかったんだけどね。
 で、今度また作業場を新しく建設するのよ。」
「ああ、今あそこで建ててるやつですね。」
「そうそう。その時、また地域の人に説明せなな~って思ってて。
 とりあえず、また近隣の人に言いに行ったわけよ。
 そしたら、『情報誌見たわよ』って。『頑張ってね』って。
 ちょっと、その家の人の反応気になってたから、
 スムーズに話聞いてくれて良かった~、って思って。
 だから、ありがとう。」
「ええ~、そんなことが。そんな効果が~。私も嬉しいです~。
 記事にした甲斐がありました!」
「そうそう。ほんと。
 で、『テイクアウト(にんにく料理の)あるの?』って。」
「あの距離で(笑)。
 でも、そんな風にお役に立てて良かったです!」

これは、とても嬉しかったです。
情報発信の企画に取り組んでよかったですし、協力隊を続けててよかったなと思える出来事でした。

この企画の目的としては、とにかく地域の人が地域を知ること。なので、期待通りですが、こんな嬉しいサイドストーリーは予想していませんでした。

地域の人が、地域を知って、身近にいる人がどんな人か改めて知る。

私は、この積み重ねが「地域振興」につながると思っています。






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