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令和阿房列車論~まとめ

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紀行小説好きから『阿房列車』の沼に入り、令和の時代における『阿房列車』ならびに内田百閒先生と平山三郎先生について論じる考察コラムです。 その他、私の旅行記録や鉄道に関する様々なこ… もっと読む
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令和阿房列車論~その34『時刻表昭和史【完全版】』(4)不定期231列車横浜港行

令和阿房列車論~その34『時刻表昭和史【完全版】』(4)不定期231列車横浜港行

前回のおさらい毎週各章ごとに書評をしていく記事ですが、相変わらず読書の習慣がほとんどないのが痛いです。

第4章 不定期231列車横浜港行〜昭和12年2・26事件

この年の前年の昭和11年、宮脇俊三は自宅のある池之上から帝都電鉄(現在の京王井の頭線)を渋谷まで乗り、さらに渋谷から東京市電(現在の都電)に乗って青山にある小学校まで通学していました。宮脇俊三の父は国会議員にまでなった人物ゆえの話です

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令和阿房列車論~その33『時刻表昭和史【完全版】』(3)急行5列車下関行

令和阿房列車論~その33『時刻表昭和史【完全版】』(3)急行5列車下関行

前回のおさらい毎週各章ごとに書評をしていく記事ですが、相変わらず読書の習慣がほとんどないのが痛いです。

第3章 急行5列車下関行〜昭和10年宮脇俊三、初めての寝台車

この年、宮脇俊三は母と女学校に進学したいちばん下の姉とともに宮脇の両親の故郷である四国香川県に行ったのでした。宮脇の祖母たちに孫を見せたかったと書かれているのですが、母にとっては里帰りであっても当時から時刻表に興味を示しはじめた宮

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令和阿房列車論~その32『時刻表昭和史【完全版】』(2)特急「燕」「富士」「櫻」

令和阿房列車論~その32『時刻表昭和史【完全版】』(2)特急「燕」「富士」「櫻」

前回のおさらい毎週各章ごとに書評をしていく記事ですが、読書の習慣がほとんどないのが痛いです。

第2章 特急「燕」「富士」「櫻」〜昭和9年初めて日本の列車につけられた愛称

現代は新幹線や特急をはじめ快速までも愛称のつく列車が多くなっていますが、日本の列車、とりわけ旧国鉄(当時は鉄道省)の優等列車に初めて愛称がつけられたのは昭和4年9月の「富士」と「櫻」になります。

さかのぼること明治45年6月

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令和阿房列車論番外編(37)〜みどりの窓口混雑問題に物申す。

令和阿房列車論番外編(37)〜みどりの窓口混雑問題に物申す。

はじめにこのところ、JR各社の「みどりの窓口」が大変混雑している話題が頻繁に流れています。時期が多客期だからではなく、どの日もどの時間帯も混雑しているようです。
コロナ禍のように利用者が減っているのではなく、さらにインバウンドをはじめとする利用者の増大がさらに拍車をかけています。

JR各社は従来みどりの窓口を指定券や特急券等のきっぷも発券出来る自動券売機を増やしています。一方で、みどりの窓口の人

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令和阿房列車論~その31『時刻表昭和史【完全版】』(1)山手線

令和阿房列車論~その31『時刻表昭和史【完全版】』(1)山手線

はじめに『実歴阿房列車先生』『鉄道無常』に続く久々の鉄道読書シリーズになります。

私の鉄道の『師』と言うには大袈裟かもしれませんが宮脇俊三先生の作品について読み進めながら私なりの作品解説、ならびに私の人生に振り返ってみた自分史も絡めながらの展開を考えています。

なお、本編の人物についての敬称は省略させていただきます。

第1章 山手線〜昭和8年まさに歴史への招待!

冒頭から「玉川電鉄(現在の

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令和阿房列車論番外編(36)〜2024年問題をどちらを主体に置くか?

令和阿房列車論番外編(36)〜2024年問題をどちらを主体に置くか?

はじめに今日のつぶやきを挙げておきます。

昨今の2024年問題もあって路線バスの廃止や減便が騒がれていますけれども、ほとんどのメディアは「不便になった」等の利用者目線で世論を煽っています。

それに対して私がよく見るX(旧Twitter)の路線バス運転士と思われるポストを見ると(当然ですが)全く別の視点に原因があるのです。

それは、以前から言われている劣悪な労働環境といえる現実からほとんど変わ

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令和阿房列車論番外編(35)〜最近買った車両を走らせてみた。

令和阿房列車論番外編(35)〜最近買った車両を走らせてみた。

走らせてみた車両はこちらです。

走行前に室内照明を組み込んで走行しました。

のちほどYouTubeにもあげようと思っていますが、こちらにも走行シーンをあげておきます。

動画を挿入しようとしましたけど、うまくいきませんでした。
一応YouTubeにあげてから再度チャレンジしてみます。

室内照明を組み込んで走行するとあらためて模型の実感が湧いてきます。
左隅にはキハ40形宗谷線急行色(TOMI

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令和阿房列車論番外編(33)〜北海道とんぼ帰りの巻(帰り)

令和阿房列車論番外編(33)〜北海道とんぼ帰りの巻(帰り)

行き(前編)はこちらです。

ありあまる時間つぶし2日目の朝を迎えて10時のチェックアウトまでの間大浴場で朝風呂に入ったりして過ごしましたが、羽田行きの飛行機の出発時刻は18時なのでチェックアウトからの時間をどうするかマジで迷いました。
実家に行こうにも主の母親は病院に入院しているしその病院も体制上面会出来ないし、結局都心部をうろうろして過ごしました。

昼食〜花尻ジンギスカン狸小路店

昼食は「

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令和阿房列車論番外編(32)〜北海道とんぼ帰りの巻(行き)

令和阿房列車論番外編(32)〜北海道とんぼ帰りの巻(行き)

1月26日から27日の2日間で北海道に行ってきました。

もともと予定を入れていた今回の渡道は(最近の記事に書いた母親の急変とは関係なく)AIRDOのバーゲンセールで格安に飛行機に乗れるということで決めていたものでした。
何しろ通常運賃片道3万から5万はする東京〜札幌間の航空運賃が(空港利用料別とはいえ)片道5千円で乗れるのは私のようなものにとって朗報でした。

そこで亡き父親の月命日に合わせて1

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令和阿房列車論番外編(31)〜都心部直通路線がなくなりました。

令和阿房列車論番外編(31)〜都心部直通路線がなくなりました。

(厳密には「少なくなりました」ですが)

先日の「令和阿房列車論番外編」で書いた記事ですが、ついにこの日を迎えてしまいました。

北海道にある北海道中央バスの札幌市内を走る路線の中でJR札幌駅がある都心部に直通していた路線の多くが今日12月1日から札幌市営地下鉄の近隣の駅まで短絡することになったのです。

これはバス利用者の減少によるものではなくてバスドライバー不足による改訂(注:あえてダイヤ改正

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令和阿房列車論番外編(30)〜京急エアポート急行の終焉

令和阿房列車論番外編(30)〜京急エアポート急行の終焉

こんばんは。

明日、11月24日をもって京急の「エアポート急行」という呼び方が、翌日11月25日のダイヤ改正からは「急行」に変わります。

これはタイトル画像の「急行」の前にある飛行機マークが、インバウンド等の海外旅行客には羽田空港行きだというふうに捉えられて乗ると逗子・葉山方面に行ってしまう誤乗につながるそうです(私のような鉄道ファンは間違いませんけれども)。

11月25日からは、急行「(飛

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お口直し〜さっそく営業運転している神奈中バスの新塗装色

お口直し〜さっそく営業運転している神奈中バスの新塗装色

こんばんは。
先日「バス利用感謝デー2023」でお披露目された神奈川中央交通の新塗装色の車両がさっそく営業運転についていました。

同一車番の車両がまさか見られるとは…

なお新塗装色を追っかけていた訳ではなく通院で偶然見かけたので…念のため。

令和阿房列車論~その30『鉄道無常~内田百閒と宮脇俊三を読む』(11)

令和阿房列車論~その30『鉄道無常~内田百閒と宮脇俊三を読む』(11)

前回までのおさらい
…半年以上ものブランクを空けてしまいましたが、今回で完結します。

セクション19〜子供の心、大人の視線百閒先生は東京駅の名誉駅長を、宮脇先生は取手駅の駅長の体験をしたことをこのセクションの冒頭に書かれています。

百閒先生の東京駅での名誉駅長についてですが、国鉄から依頼を受けるとすぐさま快諾したうえ、当日に何と発車する特急「はと」の展望車のデッキに乗り込んで行ってしまったエピ

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