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自叙伝風小説33ポーカー基本編
「じぇいそるさんって何か聞いたことがあるような」
「ああ、きっと彼はいまYouTubeでポーカーと旅をテーマに動画を出しているからね。きっとそれかも」
「へぇ、しかもそんなすごい人のお兄さんですか・・・運命って面白いですね」
やはりあるところにはあるものだと数奇な出会いに倉田感心してメモを取っているとアカヤギも同じように頷いていた。
「今は兄そるは経営者になってるんだけど、じぇいさんは今も海外でポ
自叙伝風小説32初ポーカー編
「当機はまもなく最終着陸態勢に入ります。今一度シートベルトを―――」
僕はそれを聞いて読んでいた本を静かに閉じた。
リーマンショックを受け、僕は住む場所も変えた。生活の質もあの頃と比べればガラリと変わっただろう。まだ蓄えはあったから急いで働く必要も無かったし、生きていくのに困ることもまだない。
だが、少しずつ少しずつ人生の時間だけを削られていくような息苦しさはうっすらと感じていた。
このままではい
自叙伝風小説28株式投資編
回想
特に何か意識して情報を取らなくても、毎日ニュースでは同じようなことばかり流れている。I Tバブルが弾けて日本だけじゃなく世界はこんなにも大変だと不安を煽るようなものばかり。打ち子たちを雇ってある程度お金にも余裕が出てきたけれどアメリカに行く目処は立たない。なんだか閉塞感を感じる生活の中でそのニュースは僕の耳にもよく入っていた。
誰もがそれを話題にするときは後ろ向きな話ばかりなのだが、僕とい