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食に関する情報と作ってみたいレシピ! 食べること、作ること、そして、栽培することにも興味ありな私の琴線に触れたマガジンを集めています。
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#コラム

あわてないで土鍋料理 「それでも焦げたら」

あわてないで土鍋料理 「それでも焦げたら」

個展前のストイカルな日々を過ごしているが、そんななかで「陶芸家のなんちゃったレシピ」(コッチョリーノ ブログに時々登場)つくってみたよ!という報告は、こりほぐしのような効果あり。恐縮しながら喜び、そしてまた調子にのって、土鍋やうつわをつくる。

心緒をうつす

かなしい日、つかれた日はなにもしたくない。土鍋に水と昆布と豆腐を入れ、立つ湯気を、ゆれる豆腐をぼうっと眺めるだけでごちそうだ。「おいしい」

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「アメリカン梅酒」─バーテンダーの視(め)

「アメリカン梅酒」─バーテンダーの視(め)

 今ではほとんど飲まなくなってしまったが、昔は梅酒にハマっていた時期があった。専門学生あがりのサラリーマンではなかなか手取りも多くはなく、安くて、飲みやすくて、量が多いからという理由で当時住んでいたアパートの冷蔵庫には必ず買い置きしていた。

 これはもう時効だと思っているので笑って聞き流していただきたいのだが、最初に就いた仕事ではあまりの激務ですぐに嫌気が差し、会社へ行くために玄関のドアを開けら

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「あー、これを食べるときが一番幸せ」

「あー、これを食べるときが一番幸せ」

今一番好きな食べ物を聞かれたら、たまご焼きと答える。
それも卵2つに醤油だけで味を付け、少し多いかなと思うくらいの油を熱したところへジュッと一気に入れたら箸で大きく混ぜて、なんとなく形作っただけの適当なのが一番で、自分にとっておいしければそれでいいもの、それが好きな食べ物かなと思う。

これまで直に接した中で最も尊敬する料理人の1人に、料理屋での修行を一度も経験せず、本からの知識と自ら歩いて得た体

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父の鶏がゆと、スクラップブック

父の鶏がゆと、スクラップブック

父が亡くなった後で、一冊のスクラップブックが出てきた。

几帳面な父は雑誌や新聞から料理の記事を切り抜いて貼り付けていた。そこには料理も多少やる父が作っていた料理がいくつもあった。雑煮、豆のスープ、味噌汁の基本。やはり汁物が多い。

そう、父はスープをこよなく愛していた。「好きだった」ではなく「愛していた」のほうに近い気がする。私のスープ好きは完全に父譲りなのだ。

料理人でもないのに築地まで足を

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