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蓮田隆秀1961.6.16生まれ。noteを始めた日2021.3.8~。映画と読書とツ…

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蓮田隆秀1961.6.16生まれ。noteを始めた日2021.3.8~。映画と読書とツイッターのまとめnoteにしようと思います。とりあえず俳句をアップしたいな。

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「聞き書き」のスタイルを築いた森崎和江

『奈落の神々』 森崎和江(平凡社ライブラリー – 1996) ETV特集で森崎和江の番組をやっていたので再アップ。 森崎和江は、ユネスコ世界記憶遺産となった山本作兵衛の絵…

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2年前
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昼顔や詩人のコートをクリーニング

昼顔の季節なのか。どこでも咲く雑草だけどたくましさがあるよな。朝顔とか夕顔が儚いイメージなのに昼顔は、転んでもただでは起きないたくましさというか、カトリーヌ・ド…

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19時間前
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『青春18×2 君へと続く道』に芭蕉の辞世の句を捧げたい

『青春18×2 君へと続く道』(2024年製作/123分/G/日本・台湾合作)【監督】藤井道人 【出演】シュー・グァンハン/清原果耶/ジョセフ・チャン/道枝駿佑/黒木華/松…

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休みボケ休みばかりでボケるのか

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王朝百首 小野小町は夢の和歌だと思ったらさすがに天邪鬼大王(勝手に名づけた)塚本邦雄ならではの選か。小町の代表作だが、小町が小娘というよりも遣り手婆婆(おばさん…

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GW立夏駆けていく子供かな

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『西行論 』吉本隆明(文芸文芸文庫) 1 僧形論 西行の説話集『撰集抄』は今日では贋作とされているのだが、その西行像に影響を受けた芭蕉や後世の作家は「西行」その人よ…

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「バビ・ヤール」悶え苦しむタコの舞

朝散歩しようかなと思ったのだが日記を忘れていた。日記は調子のバロメーターになるから、なんとなく毎日書いた方がいいのである。 昨日も昼過ぎまでぐずぐずしてしまった…

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シン・俳句レッスン119

あやめ あやめと菖蒲と杜若(かきつばた)の区別がつかない。たぶん湿地帯に咲いているのが菖蒲や杜若でこれはあやめだと思う。 あやめのイメージは『たけくらべ』に出てく…

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多様性の旧約かと思っていたがそうでもなかった。

『物語としての旧約聖書: 人類史に何をもたらしたのか』月本 昭男 (NHKブックス) 神の似姿に作られた人間は、大地を「耕す」と現在では翻訳されているのだが、「アバード…

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GWチャイコかショスタコタコ踊り

一日置きに猫の日になることはわかっているのだが、昨日は聖書の本で躓いてしまった。最近、文学のなかで聖書に触れることが多く、モダニズムも聖書の思想がそれまでにない…

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4日前
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『悪は存在しない』は「悪人正機説」映画か?

『悪は存在しない』(2023年/日本/106分)【監督】濱口竜介 【キャスト】大美賀均,西川玲,小坂竜士,渋谷采郁,菊池葉月,三浦博之,鳥井雄人,山村崇子,長尾卓磨,宮田佳典,…

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5日前
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こいこいの鯉のぼり上げ月見にいっぱい

屋根より低い鯉のぼりだよな。GWはもう夏なんだな。半袖でいい感じだった。オーバーコートもクリーニング出さなければいけない。例年だと4月に出すのだが5月になってしま…

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ダース・ベイダーとしての光源氏の老いの世界は喜劇となっていく

『窯変源氏物語〈7〉胡蝶螢常夏篝火野分行幸藤袴 』橋本治(中公文庫) 玉鬘十帖のうちの7話。他の『源氏物語』と違うと思ったのは光源氏が「玉鬘」にあしらわれてしまうと…

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5日前
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眼球に映る新緑歪む白日

球体オブジェに映った樹木と空なのだが、「新緑」という感じか。昨日も初夏の気温だと思ったのでTシャツにパーカーで出かけたが、まだ日陰は寒かったな。今日の一句。 そ…

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6日前
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「たけくらべ」あやめ散り猫逃げる

昨日も猫の日だったな。出かける寸前まで行ったのだが雨が降っていたので出遅れた。そう思うと次の日でいいやになってしまうのだった。長い人生の一日二日の違いだけのよう…

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7日前
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「聞き書き」のスタイルを築いた森崎和江

「聞き書き」のスタイルを築いた森崎和江

『奈落の神々』 森崎和江(平凡社ライブラリー – 1996)

ETV特集で森崎和江の番組をやっていたので再アップ。

森崎和江は、ユネスコ世界記憶遺産となった山本作兵衛の絵を辿っていく映画『作兵衛さんと日本を掘る』で知った。炭鉱所で保育園を開いて女坑夫から聞き書きをして『まっくら』という本を出したというので興味を持つ。『まっくら』は絶版だった(岩波文庫で再販されるそうです)ので、さらに労働史とし

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昼顔や詩人のコートをクリーニング

昼顔や詩人のコートをクリーニング

昼顔の季節なのか。どこでも咲く雑草だけどたくましさがあるよな。朝顔とか夕顔が儚いイメージなのに昼顔は、転んでもただでは起きないたくましさというか、カトリーヌ・ドヌーブの『昼顔』は主婦売春の映画だったが、ブルジョア主婦の儚い夢をファンタジーではなくカトリーヌ・ドヌーブの美しさと共に描いていた。さすがにブニュエルの映画だった。

『源氏物語』でも夕顔が人気なのは、中流階級の女が幸せを望んだのに「ものの

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『青春18×2 君へと続く道』に芭蕉の辞世の句を捧げたい

『青春18×2 君へと続く道』に芭蕉の辞世の句を捧げたい

『青春18×2 君へと続く道』(2024年製作/123分/G/日本・台湾合作)【監督】藤井道人 【出演】シュー・グァンハン/清原果耶/ジョセフ・チャン/道枝駿佑/黒木華/松重豊/黒木瞳

センチメンタルな青春映画。台湾の日本へのリスペクトがあると思ったが日本の監督だったのか?年上の女性が死んでしまう(日本映画を暗示しているのか?)のを台湾の青年がセンチメンタルな感情を抱くというようなベタな青春映画

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休みボケ休みばかりでボケるのか

休みボケ休みばかりでボケるのか

映画の割引チケット取るのに手間取ってしまった。以前のスマホの電話番号になっているから、それを変更するのに一苦労。結局、変更出来なかった。どういう仕組になっているんだ。まあ、チケットは買えたので良しとする。

昨日は予定通り猫の日だったが、雨振らなかったな。今日の方が危ないのか?いろいろやってはいるがなかなか形にはならない。形にならないことが多い人生だ。まあ、それが自然だというのなら諦念しかないわけ

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シン・短歌レッス132

シン・短歌レッス132

王朝百首

小野小町は夢の和歌だと思ったらさすがに天邪鬼大王(勝手に名づけた)塚本邦雄ならではの選か。小町の代表作だが、小町が小娘というよりも遣り手婆婆(おばさん程度か)の時に文屋康秀に言い寄られたときの一首。

そのとき文屋の歌は記述がないので、どうでも良かったのかもしれない。文屋の歌は、これまたどうでもいい理屈めいた歌が百人一首に載っていた。

小町こそは『古今集』の花であり女歌の原型とする。

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GW立夏駆けていく子供かな

GW立夏駆けていく子供かな

今日は雨予報なので、昨日はなんとしても外に出ようと映画館に行ったのだが、けっこうマイナー映画なのに混雑していた。GWはもともと映画産業が生み出した言葉だと言う通りなのだな、と感じた。「ゴールデンウィーク」は晩春の季語だとのと初夏だという説があるがどっちなのだろう。気候としては初夏でいいと思うが。夏は立夏(5月5日)からなのかな。その前は晩春ということなのか。今日の一句。

季重なりだけど、立夏の区

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吉本「西行論」は親鸞になりえたのか?

吉本「西行論」は親鸞になりえたのか?

『西行論 』吉本隆明(文芸文芸文庫)

1 僧形論

西行の説話集『撰集抄』は今日では贋作とされているのだが、その西行像に影響を受けた芭蕉や後世の作家は「西行」その人よりも「西行」の思想に触れて影響を受けたのであり、その西行の思想的なものを表現しているのが『撰集抄』であり鴨長明『発心集』であるという視点から西行の思想を読んでいく。

その中で西行の歌は重要なのだが贋作も多いという。それは一つの歌だ

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「バビ・ヤール」悶え苦しむタコの舞

「バビ・ヤール」悶え苦しむタコの舞

朝散歩しようかなと思ったのだが日記を忘れていた。日記は調子のバロメーターになるから、なんとなく毎日書いた方がいいのである。

昨日も昼過ぎまでぐずぐずしてしまったが図書館に返却本があったのでとりあえず図書館へ。読まないで返却する本は相変わらず多いな。ちょっとは読むのだが、今でなくてもいいかなと思ってしまうのである。

『源氏物語』は『窯変 源氏物語 7』は読み終えて返却「8」は無かった。最近何故か

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シン・俳句レッスン119

シン・俳句レッスン119

あやめ

あやめと菖蒲と杜若(かきつばた)の区別がつかない。たぶん湿地帯に咲いているのが菖蒲や杜若でこれはあやめだと思う。

あやめのイメージは『たけくらべ』に出てくる美登利をイメージする。儚さかな。そういえば「あやめ」と名前の女子がいた。それほど付き合いはなかったのだが、いじめられっ子タイプだった。なんだろう。告げ口タイプかな。そんな噂というかだから無視していたのか?「あやめ」という名前は似合わ

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多様性の旧約かと思っていたがそうでもなかった。

多様性の旧約かと思っていたがそうでもなかった。

『物語としての旧約聖書: 人類史に何をもたらしたのか』月本 昭男 (NHKブックス)

神の似姿に作られた人間は、大地を「耕す」と現在では翻訳されているのだが、「アバード」は「土を耕す」の意味よりも「仕える」「仕事する」という意味であり、それは神の奴隷となって仕えるということなのだそうだ。そして、それに逆らったために土地から呪われて代々の人間に不幸が訪れるのだという。まさしく神の僕(しのべ)とはそ

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GWチャイコかショスタコタコ踊り

GWチャイコかショスタコタコ踊り

一日置きに猫の日になることはわかっているのだが、昨日は聖書の本で躓いてしまった。最近、文学のなかで聖書に触れることが多く、モダニズムも聖書の思想がそれまでにない明るさをもたらしたのかと思い『物語の旧約聖書』をよんでみたが、そういう本ではなく古代イスラエルの歴史性みたいな話を中心とする聖書の物語だった。最初に聖書(旧約)には古代イスラエル以前のオリエントの神話が混じっているとされる。「バベルの塔」が

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『悪は存在しない』は「悪人正機説」映画か?

『悪は存在しない』は「悪人正機説」映画か?

『悪は存在しない』(2023年/日本/106分)【監督】濱口竜介 【キャスト】大美賀均,西川玲,小坂竜士,渋谷采郁,菊池葉月,三浦博之,鳥井雄人,山村崇子,長尾卓磨,宮田佳典,田村泰二郎

「悪は存在しない」というタイトルから親鸞の「悪人正機説」を連想した映画だった。それは自然描写を和歌のように感じたのであった。木々の梢や鹿の鳴き声や月の姿。それらはまさに西行の和歌であるような(ちょうど西行に取り

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こいこいの鯉のぼり上げ月見にいっぱい

こいこいの鯉のぼり上げ月見にいっぱい

屋根より低い鯉のぼりだよな。GWはもう夏なんだな。半袖でいい感じだった。オーバーコートもクリーニング出さなければいけない。例年だと4月に出すのだが5月になってしまった。

昨日も昼まで寝ていて慌てて図書館に行った。返却本があったし予約本もあったので。夜は映画を観た。久しぶりに満席状態だったな。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督だったからかな。『ドライブ・マイ・カー』のつもりで見に行くと火傷しそ

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ダース・ベイダーとしての光源氏の老いの世界は喜劇となっていく

ダース・ベイダーとしての光源氏の老いの世界は喜劇となっていく

『窯変源氏物語〈7〉胡蝶螢常夏篝火野分行幸藤袴 』橋本治(中公文庫)

玉鬘十帖のうちの7話。他の『源氏物語』と違うと思ったのは光源氏が「玉鬘」にあしらわれてしまうところが光源氏は六条院という後宮を建てながら老いの中にいてかつての精力はないように思えた。まだまだ玉鬘という娘を得ながら、その娘に手を出してしまうのだが、結局最後まで拒まれてしまったような。そこが喜劇的になっていて、紫の上との会話は漫才

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眼球に映る新緑歪む白日

眼球に映る新緑歪む白日

球体オブジェに映った樹木と空なのだが、「新緑」という感じか。昨日も初夏の気温だと思ったのでTシャツにパーカーで出かけたが、まだ日陰は寒かったな。今日の一句。

そのままだった。もう当たり前に俳句だったな。多行形式を忘れてしまうほど。短歌だと多行形式は書きやすい。

最後の「に」は似姿と偽の世界というグノーシス短歌。わからんだろうな。

二駅ではなく一駅だけ歩いて汗はびっしょりかいたのだが、まだ朝と

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「たけくらべ」あやめ散り猫逃げる

「たけくらべ」あやめ散り猫逃げる

昨日も猫の日だったな。出かける寸前まで行ったのだが雨が降っていたので出遅れた。そう思うと次の日でいいやになってしまうのだった。長い人生の一日二日の違いだけのように思えてしまうのだった。そのへんが無職の駄目な所だろうか。タイムイズマネーにならない。どうせ暇つぶしの消耗時間に過ぎないと思ってしまうのだった。

読書は、現代詩関係と俳句関係と短歌関係を少しづゝ。他にエンタメとしては船戸与一『蝦夷地別件 

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