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言葉を集めて/物語とドキュメンタリー

言葉を集めて/物語とドキュメンタリー

数年前までは、ドラマはほとんど見なかったし、映画もそんなに観る方じゃなかった。本についても、基本的にはノンフィクションのものしか読んでいなくて、小説は年に1度読むか読まないかというくらいだった。

そんな中、編集者として編集しながら自分自身も文章を書く機会が増えてきた。

伝えたいこと、伝えるべきことに向き合った時に、自分の気持ちにフィットする言葉が全然見つからないことに愕然とした。研究員として働

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ほとんどやる気はないよ、と細野さんは言った

ほとんどやる気はないよ、と細野さんは言った

先日、星野源さんのオールナイトニッポンに細野晴臣さんがゲストで出演されていたのだけど、リスナーからの質問に答えるお2人の会話がめちゃめちゃよかったので書き残しておきたい。

Q:長年創作活動を続けていらっしゃる細野さんは、どのようにして仕事に対してのモチベーションを維持してるのでしょうか?

Q:これからの目標はありますか?

目標は無いんだよね~という話を2人でした後、

細野さんの「やる気なん

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研究者と編集者のあいだ

研究者と編集者のあいだ

新卒で就職した財団法人では、研究員として働いていた。学生時代は農業土木分野で、田んぼ周辺を住みかにしている淡水魚の研究をしていた。なので、主な調査研究対象は水生生物だったけど、入社してからは猛禽類も識別できるようになって猛禽調査にも行くようになった。

植物に詳しい先輩には草花のことをいろいろ教えてもらったけど、ほとんど覚えられなかったから、毎年花が咲くころになると、「あれ?これ何でしたっけ?」と

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お金を払って学ぶ?もらって学ぶ?

お金を払って学ぶ?もらって学ぶ?

山口周さんのvoicyで、学びについて話されていた回がとてもおもしろかった。

ここでいうリスキリング(reskilling)とは、いわゆる学び直しのこと。

例えば、日本って他の先進国と比べて成功しやすいらしい。理由は、社会人になっても学び続ける人が少ないからで、学び続ければ続けるほど、周囲の人と差をつけることができる。ちなみに、社会人大学生という言葉があるのは日本くらいで、それは裏を返すと、多

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読書は言葉への投資

読書は言葉への投資

本を読むことが好きだ。子育てと仕事の合間をなんとかやりくりしながら本を読んでいるけど、仕事が忙しくなると全く読めない。本だけでなく、新聞さえ読めない日もある...

仕事でフリーマガジンを作り、自分で記事を書くようになってから、言葉の筋力みたいなものの大切さを感じる機会が増えた。

取材した内容を自分の言葉で書こうとした時、するっと書けることもあれば、うわっつらな言葉しか思い浮かばず、時間だけが過

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暮らしの最適化

暮らしの最適化

最近、自己理解が少し深まったので、そのきっかけについて書いてみます。

少し前、twitterで、研エンの仲というポッドキャストを聞き始めました。研究者のAyaka (@kayautoka)さんと、エンジニアのRyohei (@fushimir)さん夫婦が、ゆるくあれこれお話されていて、研究者やエンジニアとしての視点で語る日常生活のあれこれがおもしろいです。

で、「はっ!」と気づきを得たのがこの

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退屈と戦う

退屈と戦う

夫に紹介されて、気になっていた番組をオンデマンドで見た。

著作が注目を集める3人の識者、独立研究者・山口周さん、経済思想家・斎藤幸平さん、医療人類学者・磯野真穂さんが、それぞれの考察を語っていく50分程度の番組だった。

話は、3人がコロナをきっかけに読み返した本、「モモ」を軸に進んでいく。

斎藤さんは、モモに出てくる灰色の男たちは、資本主義の資本だと言う。そして、私たちが退屈している時に、灰

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星野源と沖縄とアーティスト

星野源と沖縄とアーティスト

twitterを眺めていたら、沖縄に暮らしている同じオンラインサロンのメンバーが、ある記事をシェアしていた。

歌手の星野源さんが21日深夜(22日午前1時)放送の「星野源のオールナイトニッポン」で、自身の楽曲でドラマ主題歌の「不思議」が、琉球大学教育学研究科の上間陽子教授の著書「裸足で逃げる」に出てくる沖縄の少女たちに届けたいと思いながら作った曲であることを明かした。

この日は、荻上チキさんが

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自己実現とSNS

自己実現とSNS

最近読んでいた本にマズローの欲求5段階説が出てきたので、久々に調べてみた。

「マズローの欲求5段階説」とは、心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化したものです。人間には5段階の「欲求」があり、1つ下の欲求が満たされると次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を表しています。(下記サイトより引用)

第1段階から

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ゆっくり、何度も本を読む

ゆっくり、何度も本を読む

最近、同じ本を読み返すタイミングが重なった。

1つは「宇宙兄弟」で、もう1つは「魔法をかける編集」だ。

宇宙兄弟は、自然にがんばろうという気持ちにさせてくれるから、読んでいて負担がない。大雑把に分けるとサクセスストーリーなのだけど、頑張りを強要する圧もない。強い人も弱い人も出てきて、人によって成功も成長も異なることがすとんと腑に落ちる。

説明しようとするとたくさん言葉が出てくるけれど、自分に

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関係人口じゃなくて、ともだち

関係人口じゃなくて、ともだち

先日、遠方から友達家族が遊びに来てくれた。1家族は、以前同じ町に暮らしていた家族。もう1家族は、私たち夫婦がまだ関東で暮らしていて、子どももいなかった頃に、ある講座みたいなもので出会った友達とその娘ちゃんだ。

彼女は、もう4回も私たちが暮らす西予市を訪ねてくれている。そのたびに海に行ったり、湧水を見に行ったり、美味しいものを食べたりしていて、先日やっと四国カルストへ行ってきた。

市外からやって

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アウトプットはふり返り時間

アウトプットはふり返り時間

毎日、手帳に今日やったことや考えたことを忘れないように書いている。

読んだ本の印象に残った部分や、読みながら考えたことも書いている。

子どもがまだ小さいので、こうして手帳に書き込めるようになったのも最近なのだけれど、自分にとってはとてもいい時間になっている。

そうやって書き残した気づきをまとめて、noteに書いたり、stand.fmで話したりすることがあるけれど、アウトプットをすることで、自

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意志だけじゃ続かないから、習慣やしくみに頼る

意志だけじゃ続かないから、習慣やしくみに頼る

人間の意志って、なんでこんなに弱いんだろうと途方に暮れることが結構ある。やった方がいいけど緊急度が低いことは、どんどん後回しにしてしまう。

続けたいことも、単発のやりたいことも、忙しくなってくると今日は休みたいなぁと、楽な方に流れてしまいそうになる。

だからこそ、予定を決めて習慣化することで、意志の弱さに左右されないようにしている。前もってやると決め、予定を確保するのだ。

例えば、森のようち

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日常とクラウドファンディングの狭間で

知人や友人をはじめ、周りでクラウドファンディングに挑戦する人が増えてきた。

みんな頑張ってるなあ、応援したい!と思う一方で、全てを応援できない財力と胆力のなさに、力不足を感じてしまうことも結構ある。

そんな時にふと考えたのだけれど、日常の消費もクラウドファンディングじゃないかということ。

好きなお店に行き、好きなものを買い、好きなものを食べる。目指したい世界にあってほしいものや、残したいもの

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