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【自己紹介】14-2 かぐや姫系男性上司が女性課長をいじめた話 国際女性デーに寄せて(中編)

先日、職員異動が発表されたそうです。
もちろんくらたは異動者リストには載っていません。それについて主治医は怒っていました。先生いい人です。
でも、くらたの代わりに人が来てくれることになりました。ああよかった。しかし、新しい人が座れるようにほっぽらかしてあるくらたのデスクを片付けに行かなければならない……ぐぬぬ、行くのやだなあ……。

と思ってひと晩明かしたら、左耳が聞こえなくなっている……!
そんなに直接的に連動しないでほしい。
これでくらたは社会復帰できるのか??!

まあそれはそれとして、こちらはこちらで進めます。
昨日に引き続き、お目汚しでございます。
しかも、今日も終わりませんでした。
気の向いた方だけ、お付き合いくださいませ。


「これはフィクションです」

くどいようですが改めて。
この日本のどこかにいるくらたというIQ125のアラフォーと、かぐや姫っぽい上司を描いた「フィクション」です。

今日こそ、3月8日の「国際女性デー」に寄せて、5年前、シンデレラ(当時課長。女性)がかぐや姫(当時部長。男性)に苛烈にいじめられた胸糞話を書きます。

昨日に引き続き、夏目漱石の名作『坊ちゃん』の超劣化版を読む感覚でご笑覧ください。蛇足ですが『坊ちゃん』では「野だは大嫌いだ。こんな奴は沢庵石をつけて海の底へ沈めちまう方が日本の為だ」というくだりが好きです。そうだそうだ沈めろ沈めろ~!

また例によって、この記事が消される時が来たら、何かあったのだなとご賢察のうえ、ご寛容をお願いいたします。

↓ ↓ 前に書いたかぐや姫系上司に関する記事はこちら ↓ ↓

↓ ↓ 昨日の記事はこちら ↓ ↓

5年前のこと

5年前のかぐや姫は現役の部長だった

さて、ようやっと本題です。

5年前当時、かぐや姫様は、くらたの課長のさらに上の、お部長様でした。
かぐや姫部長(男性)、当時はまだ定年前とはいえ現役終盤(バスケなら4Qの8:00くらい)。だというのにまだまだのし上がる気満々です。まあ確かに4Q残り2分あれば対戦相手と点差によっては充分ひっくり返せるけど。
かぐや姫というより姫に言い寄る貴公子ぐらいやる気マンマンでした。

シンデレラ課長のこと

当時のくらたの課長を仮に「シンデレラ課長」(女性)とします。
シンデレラ課長は、感覚の至極真っ当な、当時すでに定年後再雇用の60代女性・ベテラン課長でした。
たまに「ん?」ということもありましたが、「世代が違うから仕方ないかな」と思って従える程度の違和だったり、くらたや職員が上申したことは聞いてくださいました。おしゃべり好きで、残業中に話しかけられてくらたの仕事が進まないことだけは困りましたが、本当にそれくらいのものでした。
くらたが当時の課員の誰に聞いても、同じことを言いました。
また、シンデレラ課長を上司として持ったことがある人も、たいてい同じことを言いました。

昇進するためには黒いものを白いと言わなければならないこともあるのが世の常です。女性であれば、色目を使ったり、同時に、女性でありながら女性差別をすることで「名誉男性」になったりして、知恵も恥も意地もない人が不思議と上がってゆく姿もまた、世の常でしょう。
シンデレラ課長は、やみくもに官位を求めることはせず、パワハラもしない。自分でものを考える自由、黒いものを黒いと言う自由、色目を使わず・女性のままで在る自由を手放さないまま、課長でキャリアを終えました。
魑魅魍魎の棲むくらたの会社においては、片手に収まるまともな管理職のひとりでした。


それなのに……

月世界はディストピア シンデレラ課長が遭った深刻な「いじめ」

それなのに、なぜだか知らんが、かぐや姫部長は、部長の上の局長や自分の取り巻き(全員おじさん)も巻き込んで、このシンデレラ課長をいじめにいじめたのです。

いじめ1:上下関係によるパワハラ・恫喝

かぐや姫がシンデレラ課長を本社の部長室に呼びつけて怒鳴るのは当たり前。時には上司の局長も巻き込んで二人で恫喝する。
そのようすの異常さは、当時の係長たちが、同席して帰ってきたあとに教えてくれたのでした(くらたはまだヒラだった)。当時の課員はみんな知っている。
くらたのセクションは本社と離れた駅にあるので、かぐや姫からの呼び出し電話があると、シンデレラは自ら電車に乗って恫喝されにゆくのです。
どこからともなくあの歌が聞こえてくる気がします。『スラムダンク』で桜木花道がフラれたときにも聞こえてきたあの歌……

ドナドナドーナードーナー、仔牛を乗ーせーてー……
こんな歌でも歌って茶化さなければ言語化して文章になどできないくらいに理不尽
です。
もちろん交通費は経費。どこの世界に、自分が売られるために乗せられる馬車の経費を、自分で申請手続する仔牛がいるんだよ!つらい!

いじめ2:同輩課長たちによる仲間外れ

また、かぐや姫部長の取り巻きのおじさん(部内の他の課の課長)たちが、中学生みたいにシンデレラ課長を仲間外れにし、廊下の向こう側からシンデレラ課長を意地の悪い視線で見ながらヒソヒソとやるのを、くらたはその目で見ました。
なんせくらたが『籠釣瓶花街酔醒』の下男・次六みたいにシンデレラ課長にお供して本社に行ったときに、くらたも一緒にその刑を受けましたから。巻き添えのくらたでさえいい気分はせなんだ、当のシンデレラの心中は推察して余りあります。
『籠釣瓶』で主の佐野次郎左衛門が理不尽に袖にされたとき、義憤に駆られた次六が遊女八ツ橋を糾弾した気持ちがよくわかる(『籠釣瓶』胸糞と思っていたけれど意外と勤め人には見どころがあるのですね、千穐楽見ればよかったな)。

いじめ取り巻きおじさんの中には、くらたがアラサーのころ若さと頭脳に任せて賢しらに大暴れして偉い人に怒鳴られまくっていたのをニヤニヤしながら見守っていたバナナ好きのバナナ課長もいました。バナナ課長は山賊みたいな人で、くらたは彼から怒鳴られたことはありません。彼はくらたに対しては気まずそうでしたが、でもそのいじめをやめることはなかった。
「おいバナナ野郎(←本物のバナナに謝れ)、こっちは忘れてねえからな。(中村仲蔵の兄弟子に対するのと同じ怒り)」と5年たってもくらたは思う。バナナは覚えていないでしょうが、このフィクションが坊ちゃんならばかぐやと取り巻きは「沢庵石をつけて海に沈めたほうが日本のため」だし、デスノートのある世界線ならば絶対に名前を書いてやる。

前回書いた、ポッペちゃんのエピソードでも、仲間外れにされていた係長さんがいましたね。かぐや姫が長年使ってきた得意技なのでしょうね。このターゲットにされた方はたまりません。

いじめ3:シンデレラが持って来たものはすべて却下される

そもそも、なぜ当時ヒラ中のヒラだったくらたごときがシンデレラに随行したかって、「シンデレラ課長が持っていく案件は、シンデレラ課長が持って行ったからという理由でことごとく却下されていたから」です。
さすがに「シンデレラ課長が持って来たから、だから却下」とは明言されませんが、だからこそ、「何が理由で却下されているのか、何を直せば通してくれるのかがまったくわからない」のです。

もうね、かぐや姫様のご気分ですわ。

(1)初校:オリジナル資料に Aを足せ という修正指示が出た
   ↓ オリジナル+A 資料を作って再度部長に持って行った
(2)2校:今度は Aを引け という修正指示が出た
  オリジナル + A - A = オリジナル 
  なので、最初の資料に戻っただけ

ということばかりでしたから。
いや『オズの魔法使い』じゃねえんだよ。「東の魔女の銀の靴でカンザスへ帰れると最初からドロシーが知っていたら、冒険はせず、カカシ・きこり・ライオンの望みは叶わなかったよね、結果オーライでよかったネ」的な話じゃないんですよ。
それではくらたのセクションの仕事はまったく回りません。くどいようだがそんな誰の得にもならないロスでしかない上司は前職にはいなかった。
困り果てたシンデレラ課長と当時の係長たちの苦肉の策が、「さすがにヒラを連れて行けば、その目の前でそんな無体はできないだろう」作戦。そうして担当のくらたに白羽の矢が立ったのです。

なんというディストピア!
現代のディストピアを描いた名舞台に、二兎社の『パートタイマー秋子』があります(公式HPへリンク)。永井愛さん作・演出、主演・沢口靖子さん。沢口靖子さん演じる秋子が、不正のはびこるスーパーにパートに入り、最初は正義感で戦っていたけれども徐々に染まっていく、という恐ろしい話。共感で頷きすぎて首がもげるかと思った。沢口さん美しかった!
不正はその職場その職場のルールの細かい抜け穴を突いて始まるものなので、ディストピアはそこにいない人にはなかなか想像しづらいものです。
続編として『フルタイマーくらた』はいかがでしょうか。中途採用の若きくらたが、十余年の勤務を経て心を折られて休職する話(誰が見るんだよ)。

くらたがたびたび引用する『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン/サンマーク出版)でも、こうした「カリスマ的だが抑制がきかず、問題ばかりもっていて解決策をもたない人間」のことが書かれていて、「クレイジーメーカー」と呼ばれています。
本書では、とあるクレイジーメーカーの映画監督のエピソードを引いて、下記のように記しています。

才能あるセットのデザイナー、衣装デザイナー、サウンド・エンジニア、そしてもちろん俳優たち……。彼らは、製作がめちゃめちゃなコースをたどるようになるにつれ、ますます傷ついていった。スタッフが戦っていたのは、クレイジーメーカーとしての監督の個人的なドラマに対してだった。熱意のある映画人はみなそうだが、このクルーはよい作品を作るためなら長時間働くことをいとわなかった。彼らを落胆させたのは、その時間をアートではなく、ひとりの人間のエゴに捧げていることだった
狂気を生み出す力学は権力に根差している。したがって、権力を生み出しやすい集団の中では、どこにでもクレイジーメーカーが見いだされる。クレイジーメーカーはお金持ちや著名人の中でよく見かけられるが、普通の人々の間や核家族の中にも存在する。
(中略)
高圧的な母親、躁状態の社長、欲張りな友人、頑固な伴侶、どのような人物として現れようと、クレイジーメーカーはあなたの創造的な人生を破壊するパターンをもっている。

『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』(ジュリア・キャメロン/サンマーク出版)103ページ

「彼らを落胆させたのは、その時間をアートではなく、ひとりの人間のエゴに捧げていることだった」
……それな!!!!
もしかしてジュリアさん、くらたとかぐや姫のこと見てた??

明日に続く

胸糞話を長々と、お目汚しで申し訳ありません。
でもこうして書くことで、状況を整理できるし、くらたがどう感じていたのかも振り返れるし、自分の中の落としどころも探せます。

くどいですが、この物語はフィクション、ということで。

駄文にお付き合いくださった方、ありがとうございます!
似た状況にいる方、もしいらっしゃいましたら、どうぞご無理なきように。

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