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2022年6月の記事一覧

【先行研究】キャリア・アダプタビリティの結果変数(2)ワーク・エンゲージメント

【先行研究】キャリア・アダプタビリティの結果変数(2)ワーク・エンゲージメント

エンゲージメント・サーベイが流行しているため、コンサルさんたちが、クライアントさんたちの都合に合わせて、エンゲージメント・サーベイを多様に提供している(悪く言えば好き勝手に変えている)状況です。そこで、ワーク・エンゲージメントについて整理した上で、キャリア・アダプタビリティとの関係性を明らかにした先行研究について見ていきます。

ワーク・エンゲージメントSchaufeli et al.(2002)

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twitterに上げた絵がOpenSeaでNFT販売をされたのでなんとかした の巻

事の発覚多分同じような事が今後他のジャンルでも起こりそうなので最初に自分の状況を書いておく。私はしがない同人描きでtwitterにとある企画の26枚の絵を1枚づつ毎日上げていた。嬉しいことに私のジャンルは海外でも認知度が高く海外からのコメントやらいいねが頂けて毎日ウキウキであった。

そして最終日、海外のフォロワーから唐突にこんなツイが来たのである。

よくあるtwitterの転載かタンブラー転載

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【読書メモ】『働くひとの心理学』(岡田昌毅著)

【読書メモ】『働くひとの心理学』(岡田昌毅著)

本書は著者の博士課程論文を基にした内容ですが、言葉を噛み砕いてより多くの方に理解してもらえるよう意を尽くしていることがよく窺われます。キャリア理論を実践の場で活用できるように学び直したい、という方にオススメしたい一冊です。

というのも、先行研究をまとめている第2章が極めて秀逸で、ここだけでも読み応え十分なのです。第2章を読むことで、自身が無自覚に依拠している理論の位置付けを理解することができます

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河瀬直美監督ドキュメント映画『東京2020オリンピックSIDE:B』には、なぜ「最も重要な人物」が1秒も映らないのかという話

河瀬直美監督ドキュメント映画『東京2020オリンピックSIDE:B』には、なぜ「最も重要な人物」が1秒も映らないのかという話

河瀬直美監督が東京五輪ドキュメンタリーを撮る、と報じられた時、左派からよく引き合いに出されたのはベルリン五輪におけるレニ・リーフェンシュタールだった。要はリーフェンシュタールがナチス政権にそうしたような、東京五輪を美化するプロパガンダになるのではないかという危惧である。
先月に公開された『東京2020オリンピックSIDE:A』を見た時、その心配は杞憂に終わったと感じた。そこにあるのは良くも悪くも監

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目を離した隙に迷子になった子供の末路の話

子供と接する事が多いので、困った時の為ににスマホにアンパンマンのオープニング曲「アンパンマンのマーチ」を入れていた。

ある日、親とはぐれた三歳くらいの男の子が泣きそうな顔で街中を歩いていた。
声をかけた瞬間、男の子は堰を切ったように泣き出した。
交番へ連れて行きたくとも泣き続け動かず、私が無理やり連れ去ろうとしている様に見えなくもない事態に、心配した通りすがりのおじさんも「迷子?」と寄ってきてく

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【読書メモ】『研修開発入門「研修評価」の教科書』(中原淳・関根雅泰・島村公俊・林博之著)

【読書メモ】『研修開発入門「研修評価」の教科書』(中原淳・関根雅泰・島村公俊・林博之著)

本書は、タイトルにあるように、人材開発を担当される方々にとっての研修評価の教科書です。ビジネスパーソンが気軽に読めるように事例や図を用いながら簡潔明瞭に書かれています。「媒介変数」や「et al.」などといった学術論文ワードは一切出てきませんので、安心してお読みください。

気軽に読めるものの、実務に活かせるヒントに満ちた読み応えのある書籍です。人事や人材開発に携わる方であれば、「自分ならどう活か

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青山真治をみだりに追悼せずにおくために/蓮實重彦

青山真治をみだりに追悼せずにおくために/蓮實重彦

 まだまだ元気だった頃のその人影や声の抑揚などをせめて記憶にとどめておきたいという思いから、死化粧を施されて口もきくこともない青山真治――それは、途方もなく美しい表情だったとあとで聞かされたのだが――の遺体に接することなどこの哀れな老人にはとても耐えられそうもなかったので、その旨を伴侶のとよた真帆に電話で告げることしかできなかった。そのとき、受話器の向こうで気丈に振る舞う真帆の凜々しさには、ひたす

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大学の教職(国語)の授業をしているお話 その⑤

大学の教職(国語)の授業をしているお話 その⑤

ちょっと仕事が立て込んでしまったので、6回目と7回目の大学での授業のお話をまとめて載せます。

教職課程の講義「中等教科教育法国語Ⅲ」の第6回と7回

第6回は、学校と社会の「乖離(かいり)」の話からはじまりはじまり~

学校はアジールで社会に直接接しない場で子どもたちが安心安全に学べるところ。そういう面もとっても大切だと思います。

でも、あまりにも学校と社会とを切り離してしまうのもどうかと思う

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【先行研究】キャリア・アダプタビリティの先行要因(14)ビッグファイブ/FFM

【先行研究】キャリア・アダプタビリティの先行要因(14)ビッグファイブ/FFM

キャリア・アダプタビリティに影響を与える要因として、ビッグファイブ/FFM(Five Factor Model)があります。この先行研究は、多くの国で追試が行われており、ふんだんに蓄積されています。

誠実性がキャリア・アダプタビリティと相関が高いサビカス先生は本書で13の先行研究をまとめています。その中で誠実性(conscientiousness)がキャリア・アダプタビリティと最も相関が高く出て

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【FREE】そもそも金融所得倍増計画の前に必要なこと

【FREE】そもそも金融所得倍増計画の前に必要なこと

金融所得倍増計画というお話がぶちあがっているのですが、投資に回す貯蓄が十分ない世帯が多いってのは現役世代ではかなり多くいるのは実体です。そもそも金融所得というのは、手元にある金融資産の運用によって生じる所得を指します。これを倍増させようというお話なのですが、そもそも金がねーというお話が出てきちゃうわけですね。

金融所得を倍増できれば良いことはもちろんありますが、いきなりそんなことが実現されないの

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【論文レビュー】チャレンジ・ストレッサーとレジリエンス。:池田ほか(2022)

【論文レビュー】チャレンジ・ストレッサーとレジリエンス。:池田ほか(2022)

タフな職務をアサインすれば人は成長するのでしょうか。自分自身がそうした経験によって成長したと実感したマネジャーは、良かれと思ってメンバーに対してチャレンジ経験を与えようとします。その対象となるメンバーが若手社員であれば、「若いうちの苦労は買ってでも。。。」的な価値観から、なおさらそのような傾向があるかもしれません。

本研究では、チャレンジや充実感などを生み出すストレッサーであるチャレンジ・ストレ

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