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これは面白い、と思った他の方のnote記事をスクラップします。
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#ワークショップデザイン

"問いは、「良い答え」を導くためのものである"...は本当か?

"問いは、「良い答え」を導くためのものである"...は本当か?

なぜ問いを立てるのか。問いのデザインはなぜ重要なのか。問いをデザインすることの意義については、さまざまな意見があるように思います。

たとえば、問うことは人間の本能に近い営みのため、問うことは、生きることである、という意見もあるでしょう。ジョン・デューイも人間の根源的な衝動の一つに「探究的衝動」を位置付けていましたから、私自身もその考え方には共感するところがあります。

他方で、私が問いについて「

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ファシリテーションにおける「誘導」と「提案」の違い

ファシリテーションにおける「誘導」と「提案」の違い

ワークショップデザインやファシリテーションの講座をしていると、初心者の方によくいただく相談に「ここまでプログラムを作り込むと、誘導になってしまうのではないか」「参加者をファシリテーションによって誘導していないか不安なのですが..」というお悩みがあります。

今回の記事では、ワークショップデザインにおいて気をつけなければいけない「誘導」とは何か。建設的な「提案」と何が違うのか、ということについてまと

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ZOOMに慣れようVol.1  /  リアルで何気なくやっていることが実は凄いことだった件

ZOOMに慣れようVol.1  /  リアルで何気なくやっていることが実は凄いことだった件

このマガジンではzoomやslackを活用して中高生がオンライン上でグループワークを実施できるようになることを目指したトレーニングプログラムのスライドを解説を公開していきます。

今回は前回の全体についての説明に続いて、「zoomに慣れよう vol1」のスライドの公開と解説をしていきます。

マガジンの内容
0. 全体についての説明
1. zoomに慣れよう Vol.1 チャット機能でクイズゲーム

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「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案

「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案

ワークショップやファシリテーションを専門に仕事をしていると、現場の方々とコミュニケーションをするなかで「外部でこのような酷いワークショップを経験した」「こういうファシリテーションに、参加者として不快な思いをした」というような報告が、耳に入ってきます。(たまに自分たちもやっちゃってるなー..と思って、耳が痛くなることもあります笑)

そのなかでも、多く耳にする”愚痴”が、以下のようなファシリテーショ

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ファシリテーターの”芸風”の構造

ファシリテーターの”芸風”の構造

ミミクリデザインの組織学習を専門とするファシリテーターの遠又が、こんなことをツイートし、共感を集めていました。

たしかにファシリテーターと呼ばれる役割には”画一的な理想像”は存在せず、「個性」のようなものが存在します。現在ミミクリで進めている熟練したファシリテーターの暗黙知に関する調査研究でも、当日の立ち振る舞いや、背後にある価値観は、ファシリテーターによって多種多様であることが確認されています

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やる気を引き出すファシリテーション:ARCSモデルとワークショップデザイン

やる気を引き出すファシリテーション:ARCSモデルとワークショップデザイン

ワークショップ、もしくはワークショップ型の授業や研修において「参加者の動機付け」は重要な課題です。

ワークショップ形式にすればすなわち参加者の意欲が引き出せると思われがちですが、ワークショップはねらいが曖昧であったり、活動の目標と学習の目標がひねって結びついていたりするため、イントロダクションから意識的に工夫をしなければ、「ノレない」参加者が出てきてしまいます。

授業や研修設計の理論であるイン

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問いの「深さ」を測る:ワークショップデザインのシミュレーション

問いの「深さ」を測る:ワークショップデザインのシミュレーション

ワークショップの「問い」のデザイン論を考えていく上で、問いの立て方、組み合わせ方などの「作り方」の議論もとても大事なのですが、試作した問いの「評価方法」についても考えなければなりません。

デザインはプロトタイピングと仮説検証をしながら進めていくプロセスですが、「いま作っている問いは、実際に参加者に投げかけた際にうまくいくのか」についてシミュレーションができなければ、「良い問いが完成した!」と判断

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Workshop Spirit #4「組織開発からワークショップのスピリットを探る(講師・中原淳)」 【イベントレポート】

Workshop Spirit #4「組織開発からワークショップのスピリットを探る(講師・中原淳)」 【イベントレポート】

【参加者募集】
9/28(土)にて、一般公開イベント「Workshop Spirit - 次世代に継承していくワークショップのスピリットを探求する」を開催します!プログラムで得られた知見を広く共有し、多角的な意見を募りながら、さらなる検討をかさねていきます。どなたでもご参加いただけますので、興味のある方はぜひお気軽にお申し込みください!

▼一般公開イベント「Workshop Spirit - 次

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ワークショップの足場かけ:抽象的思考と具体的思考の変換プロセスの支援

ワークショップの足場かけ:抽象的思考と具体的思考の変換プロセスの支援

ワークショップデザインやファシリテーションの本質は、経験のプロセスデザインである、ということは以前の記事で解説しました。

たとえば目の前の「問題」について話し合ってから「ビジョン」を話し合うのか、あるいは、理想的な「ビジョン」を話し合ってから解決すべき「問題」を話し合うのか、仮に活動を構成するパーツは同じでも、そのプロセスによって経験の意味合いや話し合いの結果は異なるものになるからです。

初心

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組織の諸問題(戦略・チーム・個人)にアプローチする組織開発プロジェクトの設計

組織の諸問題(戦略・チーム・個人)にアプローチする組織開発プロジェクトの設計

株式会社テクムズの求心力向上を目的とした新たなコーポレートアイデンティティ構築プロジェクトを実績・事例ページに公開しました。

製造業や小売業向けに、人工知能(AI)を活用したソリューションを提供しているベンチャー企業、株式会社テクムズから依頼を受け、ワークショップを活用したコーポレートアイデンティティ(CI)の構築を行いました。組織の視点と個人の視点を往復することで、一人ひとりにとって納得感のあ

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創造性の土壌を耕すとはどういうことか:イノベーションの源泉となる創造性の3階層

創造性の土壌を耕すとはどういうことか:イノベーションの源泉となる創造性の3階層

ミミクリデザインの全体合宿@三浦半島が終了しました。3期目に突入し、正社員メンバーもいつの間にか10名を超え、フルタイムでない業務委託メンバーも含めれば30名弱ほどになりました。採用活動にもさらに力を入れ始め、現在進行形で新たな仲間が増え続けているため、改めて理念を問い直し、組織に求心力をもたらすための行動指針の言語化を進めています。

ミミクリデザインでは2周年を機会に「創造性の土壌を耕す|Cu

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企業内人材育成にワークショップを導入する意義を2つの変化のレベルから考察する

企業内人材育成にワークショップを導入する意義を2つの変化のレベルから考察する

企業の人材育成の取り組みに「ワークショップ」の手法や考え方を活用したいというご相談が増えています。ミミクリデザインでもこれまでさまざまなプロジェクトを担当させていただき、 たしかな手応えを感じています。

他方で「なぜ企業内人材育成にワークショップが有効なのか」と問われると、回答には少し整理が必要だと感じています。

その理由を紐解いていくと、「人材育成」が目標としている変化のレベルには、乱暴かつ

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続・問いの因数分解|問いの探索先のバリエーションと制約の効用

続・問いの因数分解|問いの探索先のバリエーションと制約の効用

イノベーションプロジェクトやワークショップデザインにおける「問いのデザイン」の性質を方法を検討するなかで、以下の記事では「問いの因数分解」という考え方を紹介し、そこから見えてくる問いの基本性質を5つにまとめました。

<問いの基本性質>
1. 「問い」は、いくつかの「前提」「制約」「小問」によって構成される
2. 「小問」は、問われた側に対して、なんらかの探索を誘発する。
3. 「制約」は、「探索

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Workshop Spirit #2「ワークショップのスピリットを体感する(講師・中野民夫)」【イベントレポート】

Workshop Spirit #2「ワークショップのスピリットを体感する(講師・中野民夫)」【イベントレポート】

全6回の講座とオリジナルワークショップの実践を通じてワークショップの源流を探求し、実践者としての“魂”を洗練させる『Workshop Spirit』。先日5/19(日)、その第2回が開催されました。

『Workshop Spirit』講座スケジュール
・4/13「キックオフ - ワークショップスピリットへの旅立ち」
▶︎5/19「ワークショップのスピリットを体感する(中野民夫)」
・6/15「創

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