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障碍理解

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記事一覧

視覚障害者の日常―点字用郵便

日本点字図書館から、定期で届く、新着情報などのマガジン(デイジー版:デイジー形式という特殊な音声データで入っているCD-R)が来ました。

写真でわかるでしょうか。これはそもそもCD-Rの形の封筒…というより紙パッケージで来るので、触っただけでCD-Rの形(というよりCD-Rが1枚入っていますよと言わんばかりの真四角)だとわかります。
そして、左上に、「点字用郵便」という文字があります(これは点字

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読書の重要性―「読書」というだけのことが如何に「ヒト」が生きる上で必要なすべての要素を育てるか

私はここ2週間程、毎日、点字図書で借りてきた「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治・著)を読んでいる。
私の目的としてはまず第一には点字を読む、ということ自体の訓練。
そこで、あらゆる事情が重なって、第一弾として宮沢賢治の銀河鉄道の夜を選ぶ運びとなった。

そのあらゆる事情というのはこの記事では割愛するが、そのうちの理由の中で大きなひとつが、今回の記事でお話したいことでもある。
元々その目的もあったのだが、毎

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視覚障害者があなたの写真も楽しめる機能―ALT 代替テキスト

先日、ふと、あるかたと話していて、私たちは案外もう当たり前のように使っていたのですが一般には実は知られていないかもしれない、と感じた発見がありました。

そのため、本日は、代替テキスト機能というものを紹介してみたいと思います。
紹介できるほど詳しいわけではありませんので、興味があったらぜひその先へその先へと、もっと楽しい面白い便利な使い方へと進んでいただきたいものです。

代替テキスト機能、ALT

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白杖使用者の冒険―通りすがりにわざわざ…!

#視覚障害者が嬉しいと感じた配慮 #障害理解 #視覚障害 #視覚障害者の日常 #バリアフリー

いつもいつも、さり気ない支えの暖かさ、本当に嬉しいのですが、これに輪をかけて感動した出来事がまた、ありました。

ある時、車通りも歩行者通りも少ないが歩道のない道路を歩いていると、後ろから自転車の車輪の音が。
ん、と思って歩く速度をゆるめると、私の右側を通り越しながら女性の声が「あ、ごめんなさいね、通り

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「痛い」「眩しい」という言葉の一般的語弊

つい先日、私の主宰コミュニティで、ゲストも交えての座談会の収録を行った。
第1回目として、まずは、私自身の「視覚」の状態について。

私は、「眼球使用困難症」という呼び方をする他ない、という、要するに国の判断基準には当てはまらないが「視覚」自体を使うことが実質困難な、文字通り「眼球(というより視機能)使用困難状態」であるわけだ。
この辺りについては私の過去の記事をお読みいただきたい。

さて、とこ

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PCや携帯電話のアプリケーションにおける「アクセシビリティ機能」の実情

G-mailのダークモード

Googleのメールボックス、やっと背景を黒&文字を白にする方法を発見。
これ自体、「テーマ設定」の中から全て見て、その中から選ばねばならないハードルの高いものだった。

が…メールボックス自体は白黒反転、つまり背景が黒、文字が白く浮き上がるようになるが、メールを開くと個別のメールは途端に背景が白になり、逆に物凄いダメージを食らう…
(白が眩しい”羞明”や、白黒反転の

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相手が見えていない・聞こえていないから、気付かれないからといって…?

時々、ふと、思い出す、交代人格たちの記憶。

恐らくはこの器自体が、昔から(自覚ではそうは思っていないままに)視機能の異常があったからであろうと思われるのですが、視覚障害人格は多かった。
更には、脳性麻痺などの影響かわかりませんが、身体障碍の人格は多かったのでした。
半身不随の人格もいたし、聴覚障害の人格も数名おりました。

その中でも、聴覚障害の人格のひとりと、全盲の人格のひとりのエピソード。

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点字:月日や時間の記し方

私はどうにも音声操作で携帯電話やPCのカレンダー機能を使いこなすことができていない。

その上、PCにいたっては(Windows11を使っている)、カレンダーアプリがなぜだかしばらく前から、Outlookに変わりますとずっと出てきて、「今のままで使う」というようなボタンもあったから一生懸命それを押していたにもかかわらず、勝手に新しいものに切り替わってしまい、それでも何度か「前のものに戻す」を選び、

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点字ブロックについて/道端でのお声かけ

本日は点字ブロックについて…と、道端での声掛けについて。

点字ブロックとは

点字ブロックは、正式名称を、視覚障害者誘導用ブロックといいます。
1967年(昭和42年)、つまり今から60年弱前ですね。3月18日に、日本人によって考案され世界初、日本に敷かれたものだそうです。
ちなみに最初に敷かれた場所、つまり発祥の地は岡山だそう。

今や、誘導ブロックは視機能を使えない・使いにくい当事者たちにと

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点字教室 第4回目


点字学習への思い

私は元々、すべてが「視覚」の問題のための支障だと思われてこなかった(脳の伝達の遅延、判断や予測の領域の問題、発達障害、解離の問題などなどと思われていた…)だけに、30年以上この状態を実は当たり前に自身に感じながらも最近やっと、眼科の権威に「視神経や脳回路による”見る”という機能回路のどこかの問題、もしくは連携不全であろう」と見立てをしていただくことができた。
「国ではこの認定

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視覚障害者の生活の工夫―コーヒードリッパー

だいぶ以前の記事なので、私自身が記事を探して掘り起こすことができずリンクできないのだが、私は毎朝コーヒーを淹れるとき、なかなか曲芸を強いられている状態で恐怖と緊張がある、という記事を2つほど書いたことがある。

あの時は、ティーバッグ式のコーヒーならどうだろうか…などと言っていたのだが、なんと、全く思わぬ方向から新たな可能性が。

写真にうつっているものは銀色の逆三角錐の金属のドリッパーなのだが…

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図書館からのデイジーマガジン

以前、地区の図書館の福祉サービス利用の説明を受けてきたという記事を書きました。

その後、図書館から電話があり、「偶数月に新着デイジー図書などをお知らせするマガジンがあり、デイジー形式で送付できるのですが、希望なさいますか?」と聞かれ、不要の際にはやめることもできるというので、デイジー図書の扱いの練習も兼ねて、お願いしておいたのでした。

それが、先日届いたので、報告。

墨字での新着図書などが印

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点字教室 第3回目/白杖使用者同士のすれ違い

#視覚障害者が嬉しいと感じた配慮 #障害理解 #視覚障害 #点字

点字教室 第3回目 内容

点字教室、第3回目の記録を共有させていただきます。

今までの記事はこちら(第一回目)とこちら(第二回目)をご覧ください。

本日は、母音+5・6点であるサ行から。
前回までに、まずは3点を使うナ行、文章の助詞ともなるワヲン(ついでに点数も少ないし下段なので特徴的)、3点に6点をプラスしたハ行、そして3

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白杖使用者の冒険―何とも奇遇な道連れのご縁

#視覚障害者が嬉しいと感じた配慮 #障害理解 #視覚障害 #白杖使用者の日常

ご存知のかたはご存知。
私は、台東区の上野浅草エリアだが、月に1回程度、文京区の本郷三丁目に出かけて行く。

今までは電車を1回乗り継いで行っていたのだが、つい最近、点字図書館のある高田馬場へ都バスを使ってみたとき、途中で「本郷三丁目駅前」で停まったので、もしかしたらここも都営バスで行き来できるかもしれない?と思い、今

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