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レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(7) 二項関係は四項関係であり四項関係は二重の四項関係つまり八項関係である
(前回の記事(第六回)はこちら↓)
レヴィ=ストロース氏の『神話論理I 生のものと火を通したもの』を深層意味論・意味分節理論として読む。今回は神話について”記述する”とはなにをすることかという話である。
神話、音楽、詩、絵画
神話に限らず、ある何かのことを別の何かで記述する場合、そこには八項関係が動いており、複数の八項関係だけがあり、八項関係たちの「外」はない。これが前回までの趣旨である。
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(6) 『神話論理』×空海『十住心論』 -言語の分節を多重化し、「心」の分節も多重化する
(前回の記事(第五回)はこちら↓)
三重のコード『神話論理I 生のものと火を通したもの』の序文に次の一節がある。
前回も少し触れたが、改めてコードが三重である点に注目して読もう。
一次的コード:言語のコード=分節システム
二次的コード:神話が語ることのコード=分節システム
三次的コード:二次的コードを設定するコード(神話の分節システムを発生させている分節システム)、と仮に言い換えておこう
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(5) 人類の思考の”底”〜ニ段重ねの四項関係としての「構造」
(前回の記事(第四回)はこちら↓)
前回は『神話論理I 生のものと火を通したもの』の「序曲」「I」を読みながら「神話は果てしなく続く」ということについて論じました。
「神話は果てしなく続く」というのはつまり、神話論理がとらえようとしている「構造」が、「始まり」と「終わり」の二項対立や、他のあれこれの二項対立の”どちらか”に振り分けられて止まってしまうような代物ではない、ということであり、神話論
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(4) 分けつつつなぎ、つなぎつつ分ける。完全に分離するでもなく、完全に一つになるのでもなく
(前回の記事はこちら↓)
・ ・ ・ ・
眠ることは、夢をみることである。
目覚めた世界での、お金の交換を加速する生産的な活動と比べると、眠っている時間は何も生産していない、いかにも「無駄」な時間に思えるかもしれない。
目覚めている時間 / 眠っている時間
生産的 / 非生産的?!
たしかに、目覚めている世界の側から見れば、眠っている時間は意識的に体を動かしたり言葉を喋ったり書いた
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(3) 二即一一即二の論理が"構造"化する意味分節の体系
今回はレヴィ=ストロース氏の代名詞ともいえる「構造」が登場します。
1回目↓
2回目↓
生のもの、と、火を通したもの
蜜 と 灰これらの「明確に定義できる経験的区別」を、何かと何かの間の「と」を、二即一にして一即二の関係にある二項の関係を”分節する動き”として読んでみようと言うのが、ここでの目論見である。すなわち、合理的な意味のある言葉という、互いにはっきりと切り分けられ輪郭を固定された語
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(2) 経験的区別を概念の道具とする
クロード・レヴィ=ストロース著『神話論理I 生のものと火を通したもの』(原題:Mythologiques - Le Cru et le cuit)は、「序曲」と銘打たれた文章から始まる。
この本については以前にも他の記事で取り上げたことがあるが、今回は細かく精読してみようということで、何年かかるかわからないが最初から順番に読んでみよう。
序曲の冒頭、私が個人的にも非常に気に入っており、ほとんど
レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(1) 空海の曼荼羅-「心」と『神話論理』を並べて深層意味論として読む
はじめに。空海の「心」と、「野生の思考」空海著『秘密曼荼羅十住心論』は、その名の通り「心」の十のあり方についての論として読むことができる。
『十住心論』を読む以前、私自身も現代人の素朴な常識に従って、”「心」のあり方は一つで、それは身体の脳神経か何かに還元して説明し尽くせるのではないか?”などというふうに考えていた。
しかし空海によれば、”心”の世界はもっと広大無辺である。
しかも、”心”は