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グラオート

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  • ポチポチ物語

    物語ってなに? 都合の良い正当化? なんでそんなものを書くの? 今時、物語に価値なんかあるの?

記事一覧

ティッシュ配り

 友人のティッシュ配りのバイトを、私が代わりにやることになる。  その友人は、風邪をひいたらしくて、私にメールで助けを求めてきた。  代わりに行ってくれないか、と…

glao_t
1か月前

異世界で砂場

 異世界って、どう在るんだろう。  例えば、アメリカとかフランスみたいに、現実と地続きで、どこかに在るのだろうか?  外国へは、飛行機に乗れば行ける。  なら、異…

glao_t
1か月前
3

どうしてそう思うの?

思うってどういうことだろう? それは、心から思う、ということか? それとも、無意識とかで、パターン化されて、 それに従ってるだけなのか? 僕が好きな小説に、 「…

glao_t
1か月前
1

与えられていた

 子供が生まれて、名前をどうするか、二人で話し合う。  俺は、女の子だから、愛とかどうかなーと、提案してみる。  すると、即却下される。  「なんで?」  「なに、…

glao_t
2か月前
1

いつわりの放火

どう思えばいいの? よく、そう思う 相手から、 なにかを言われたり、 なにかをされたり、 多分、反応がほしいのだと思うけど、 でも、どうすれば? 相手は、どんな…

glao_t
2か月前
5

僕だけ違って僕だけ良い

僕は昔から、 僕だけが、みんなとは違う、 僕だけが間違った人間なのだと、思ってた 僕だけが間違ってるから、 僕だけが怒られるし、ガッカリされるし、 ぜんぶ、僕だ…

glao_t
4か月前
1

希望の世界

希望って、良いものかな? 僕は、そうは思わない。 希望って、恐ろしいものではないかな? だって、僕が希望の通りにできなかったら? やり方、振る舞いを間違えたら?…

glao_t
5か月前

ダーツの神

 百発百中でダーツができるやつは最強だ。  だって、そいつは計算さえすれば、勝負に勝てるのだから。  計算で、勝てるのだから。  普通は、そうじゃない。  だって、…

glao_t
5か月前
1

誰かの傘

 コンビニで買い物をして、帰ろうと思ったら、雨が降ってる。  あー、傘忘れた。  このままぬれて帰るのは嫌だなあ。  そう思ってたら、傘立てに、いくつものビニール…

glao_t
5か月前
2

浦島老太郎

 おれが箱を持った老人を見つけたのは、早朝の散歩道だった。  薄暗く、人気のない散歩道で、ふと、海辺に目をやると、そこに人影があり、普段は誰もいない時間帯だった…

glao_t
5か月前
1

ハッピーエンド、という枠組み

少女が母親に盛ったのは、 大人しくさせる薬だけど、 この映画も、なんだか大人しいね それは退屈? つまらない? なら、少女が盛った薬はどう? この映画自体が、そ…

glao_t
6か月前

普通の雨模様。

 学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。  他の子たちは、なんか普通に傘を持って…

glao_t
6か月前

猫の道なんて

 学校からの帰り道、涼しく暗い秋の夜道を歩いてたら、足元に気配を感じて、見ると、一匹の猫が僕の先を歩いていた。  へえ。  僕は、歩くペースを落として、猫を後ろか…

glao_t
6か月前

ポチポチカラオケ

 私はカラオケが嫌いだ。  演奏が流れて、歌詞が表示されて、それが発音されるタイミングで、歌詞の文字が色で染まっていく、で、それを歌うのは私で、なんか心細いとい…

glao_t
7か月前

ハッピールール

綺麗事は、ルールを前提に成り立つものだ ルール通りに上手くできるから、 綺麗事にしようか、ということになる それが逆転したら、ダメである わけがわからなくなって…

glao_t
8か月前
1

帰り道について、

仕事からの帰り道、年下の男子から、 お兄さん、カードの手続き済んでますか? と、声をかけられ、 一瞬、イラッときて、 その男子は無視したんだけど、 でも、年下の…

glao_t
8か月前
ティッシュ配り

ティッシュ配り

 友人のティッシュ配りのバイトを、私が代わりにやることになる。
 その友人は、風邪をひいたらしくて、私にメールで助けを求めてきた。
 代わりに行ってくれないか、と。
 私はまあ暇だからいいんだけど、そのバイト先の人はオッケーなのかな、と思ってた。
 でも、実際に行ってみると、別にそれでもいいと言われ、じゃあってやることになった。

 ティッシュ配り。
 いつもの町で、突っ立って、ティッシュの束を抱

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異世界で砂場

異世界で砂場

 異世界って、どう在るんだろう。
 例えば、アメリカとかフランスみたいに、現実と地続きで、どこかに在るのだろうか?
 外国へは、飛行機に乗れば行ける。
 なら、異世界も、そうして何かしらの手段を用いれば、行けてしまうのだろうか?
 なら、異世界を観光するとか、遊びに行くのも、アリだろうか?
 それとも、そんな俺の常識なんかとは関係ない、もっと考えられないような感じで、異世界は在るのだろうか?
 そ

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どうしてそう思うの?

どうしてそう思うの?

思うってどういうことだろう?

それは、心から思う、ということか?

それとも、無意識とかで、パターン化されて、

それに従ってるだけなのか?

僕が好きな小説に、

「悪霊」というのがある

ドストエフスキーの作品で、

江川訳が好みなのだけど、

この作品は、

思い込みや、物語についての、

小説であると思ってる。

スタヴローギンの告白によると、

ニコライと関係を持った少女、

マトリョ

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与えられていた

与えられていた

 子供が生まれて、名前をどうするか、二人で話し合う。
 俺は、女の子だから、愛とかどうかなーと、提案してみる。
 すると、即却下される。
 「なんで?」
 「なに、愛って?」
 逆に訊かれる。
 「いや、愛、良くない?」
 「どう良いの?」
 「まあ、言葉が」
 「愛という言葉?」
 「そう」
 「じゃあ、愛ってどういう意味なの?」
 「意味?」
 「わからないの?」
 「いや、まあ」
 「わから

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いつわりの放火

いつわりの放火

どう思えばいいの?

よく、そう思う

相手から、

なにかを言われたり、

なにかをされたり、

多分、反応がほしいのだと思うけど、

でも、どうすれば?

相手は、どんな反応がほしい?

僕のなかで、モヤモヤがわいてしまい、

それが相手に当てはまるのかも、

なにもわからないけど、

でも、モヤモヤはするから、

それで、わからなくなる。

どう思えばいいの?

なら、これは、モヤモヤのせい

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僕だけ違って僕だけ良い

僕だけ違って僕だけ良い

僕は昔から、

僕だけが、みんなとは違う、

僕だけが間違った人間なのだと、思ってた

僕だけが間違ってるから、

僕だけが怒られるし、ガッカリされるし、

ぜんぶ、僕だけが間違っているからだと、

そう思っていた

僕を、周りと同じ人間だとは、

とても思えなかった

なので、そんな僕が、僕は嫌いだった

みんなとは違う、嫌いな僕

だからこそ、

なにを言っても、なにをしても、

常に間違った

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希望の世界

希望の世界

希望って、良いものかな?

僕は、そうは思わない。

希望って、恐ろしいものではないかな?

だって、僕が希望の通りにできなかったら?

やり方、振る舞いを間違えたら?

嫌な目に遭ったら?

苦しい思いをしたら?

それらが全て、希望、ということで、

正当化されてしまったら?

それでいいのかな?

僕は?

正当化された希望が、

本当に正しい?

それに対して、思うとか、考えるとか、

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ダーツの神

ダーツの神

 百発百中でダーツができるやつは最強だ。
 だって、そいつは計算さえすれば、勝負に勝てるのだから。
 計算で、勝てるのだから。
 普通は、そうじゃない。
 だって、どれだけ練習しようが、気合いを込めようが、どこにダーツの矢が飛んでいくかは、やってみないとわからないのだ。
 だからからこそ、ダーツは勝負になり、競う意味が生まれる。
 はじめから百発百中なら、競うもなにもない。
 だって計算しかないの

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誰かの傘

誰かの傘

 コンビニで買い物をして、帰ろうと思ったら、雨が降ってる。
 あー、傘忘れた。
 このままぬれて帰るのは嫌だなあ。
 そう思ってたら、傘立てに、いくつものビニール傘が立ててあるのを見つけた。
 やった。
 おれは適当なビニール傘をとって、それをさして家に帰る。
 
 盗んだことの罪悪感はなかった。
 だって、ビニール傘なんて、どれも同じようなもんだし、どうせ安いし、盗られた人も、また買えばいいでし

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浦島老太郎

浦島老太郎

 おれが箱を持った老人を見つけたのは、早朝の散歩道だった。
 薄暗く、人気のない散歩道で、ふと、海辺に目をやると、そこに人影があり、普段は誰もいない時間帯だったから、不思議に思い、近づいてみると、その人影は老人で、手には箱を持っていて、なんだかぼんやりとした表情だった。
 おれが近づいても、おれが見えてるのか、見えてないのか、わからなかった。
 白髪で、古びた着物みたいなのを着ていて、なんとなく男

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ハッピーエンド、という枠組み

ハッピーエンド、という枠組み

少女が母親に盛ったのは、

大人しくさせる薬だけど、

この映画も、なんだか大人しいね

それは退屈?

つまらない?

なら、少女が盛った薬はどう?

この映画自体が、それへの提起では?

映画の外に、意識を向かわせる

映画とは、ハッピーエンド

ハッピーエンド、という枠組みに

とらわれる人々

そこからどうにかして、脱しようとする

遠くの古びたアパートに歩いていったり、

大海原に、車椅

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普通の雨模様。

普通の雨模様。

 学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。
 他の子たちは、なんか普通に傘を持ってきてるみたいで、または、忘れても、友達同士で相合い傘したり、男子なんかは、濡れてもいいやって感じで雨の中を突っ走ってて、それがうらやましいけど、私にはそうできない、特別な理由があった。
 特別な理由とは、スマホだった。
 誕生日プレゼントで

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猫の道なんて

猫の道なんて

 学校からの帰り道、涼しく暗い秋の夜道を歩いてたら、足元に気配を感じて、見ると、一匹の猫が僕の先を歩いていた。
 へえ。
 僕は、歩くペースを落として、猫を後ろから着いていってみる。
 薄茶色の猫で、丸々としてて、首輪がないので野良猫かも、と思うけど、野良猫でも太れるのは、近所の誰かがエサをあげたりしているからなのか。
 こんな夜道をどこへ行くのかな。
 そう思いながら、ボンヤリ歩いてたら、前の猫

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ポチポチカラオケ

ポチポチカラオケ

 私はカラオケが嫌いだ。
 演奏が流れて、歌詞が表示されて、それが発音されるタイミングで、歌詞の文字が色で染まっていく、で、それを歌うのは私で、なんか心細いというか、違和感があるなあと、昔から思ってた。
 歌は、唄うものではなく、聴くものだ。
 例えば、歌がうまいとか、カッコいいとか、可愛いとか、そういう人が歌を唄う。私たちは、それを聴く立場だろう。
 だからこそ、高い金を払って、コンサートとかに

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ハッピールール

ハッピールール

綺麗事は、ルールを前提に成り立つものだ

ルール通りに上手くできるから、

綺麗事にしようか、ということになる

それが逆転したら、ダメである

わけがわからなくなってしまう

なんでその綺麗事がいえるのか?

どう説明するつもりかな?

また綺麗事を並べるの?

どこまで?

いつまで?

嘘をつき続けるのかな?

バカみたい

綺麗事を言ってるのは、あなただけなのだ

綺麗事と感じるのも、

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帰り道について、

帰り道について、

仕事からの帰り道、年下の男子から、

お兄さん、カードの手続き済んでますか?

と、声をかけられ、

一瞬、イラッときて、

その男子は無視したんだけど、

でも、年下の男子から、

お兄さんと、呼ばれるのは、

悪いことなのか? 

当たり前?

だって、そう見えるのだから?

なら、それでいい?

僕はモヤモヤ、考えてしまった

僕は、できれば、名前で呼んでほしい。

お兄さん、ではなくて、

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