記事一覧
【感想】大滝瓶太『その謎を解いてはいけない』~語ること/語られることについての小説として【小説】
界隈(?)で話題の一作、大滝瓶太氏の『その謎を解いてはいけない』(実業之日本社)。「異常本格推理」という物々しいキャッチを引っ提げての初単著とのこと。
一体どんな小説なんだ……と恐々手に取りましたが、「第一話 蛇怨館」から「キャラクター」たちの軽快なやり取りに声を出して笑いました。深刻な(?)推理場面でも引くくらいに「ふざけ」ていて、なるほど、これは「ピュア」な読者は怒り狂ってAmazon低
【知りたい!】GARNET CROWサウンドのルーツはどこにあるのか?
はじめに
GARNET CROWは、私が初めてハマった音楽アーティストです。それはもうハマりにハマりました。GARNET CROWしか音楽は聴かない! という時期さえあった。
その後ロックと出会うことで、様々な音楽を知ることができた今でも、GARNET CROWはフェイバリットの一つであり続けています。何故か帰ってきてしまう確かな魔力があるのです、このグループには。
しかし、以前からずっと
【雑感】仮面ライダーギーツは平成ライダーの敗北なのか?
はじめに
論理立てられた話ではないのでご注意ください。
久しぶりに仮面ライダーを追う
ライダー好きと言っても全作品を見ているわけではなく(昭和はBlackだけ視聴、平成は響鬼・エグゼイド未視聴)、Vシネマなんかも殆ど追えていません。私が熱中して見ていたのは主に平成初期の作品群、そう、要は平成一期の亡霊なのです。
ゼロワンの最終回で一度仮面ライダーから卒業したのですが、未練タラタラで戻っ
【批評】フィクションが課す運命性からの解放について——劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』(『輪るピングドラム』)試論——
はじめに
この論は決して「作品の隠された真実といったものへの接近ではなく、作品がもちうる無数の豊かさのひとつへの接近」[i]を目指すものである。
『輪るピングドラム』とは
テレビアニメ『輪るピングドラム』(以下『テレビ版』なお、テレビ版および劇場版を含めたコンテンツ全体としての呼称を『ピンドラ』とする)は、2011年7月から12月にかけて放送された。「家族」をテーマに、運命に翻弄される子ども