やよいひめのお返し

ふるさと納税の返礼品が届いた。

群馬県の名産、やよいひめ。
大ぶりで、形の綺麗な艶やかな苺。

普段スーパーで買う小ぶりな苺も、とっても好きだ。苺というだけで私にとってはご褒美みたいなものなのだ。
苺が家にある日は、仕事を頑張れるし、元気に家に帰れる。

そんな私が、ゴールデンウイーク中に、大きな高価な苺を食べてしまったら、どうなるんだろう。
そんな恐怖さえあった。

実際は、開封した瞬間の香り

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【ストロベリー狂詩曲】30

(*今回から試しに行間をあけて更新します)

 強制的に通話を切って二時間が経過、スマホは無言。お腹の音はきゅるきゅると派手に多言。空腹で気力のゲージは低下。倉庫で遭難は想定外だった。
 今日は、製薬会社が製造・販売している携帯型の簡易食品『カルイーメイト』が入ったスクールバッグは家でお留守番。仕事はオフで、お昼は学食にする約束をしていたから、手ぶら同然で家を出発した。

 財布はスカートのポケッ

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【ストロベリー狂詩曲】リンク一覧、番外編/~2018.12.13

新しい順から並んでいます。

▲内容が内容なだけに、受験生にはおすすめ出来ません。

▲忍の幼馴染・凛が登場します。いずれ本編にも登場する予定。

▲季節は夏。桜馬先生と理事長の、秘密の会話。

▲喫茶店でお手伝いをしている時の、忍のお話。

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【ストロベリー狂詩曲】リンク一覧、21~29話まで

各お話へジャンプしやすいようにリンクを貼っています。
文字数短めの粗筋も添えてますので、ぜひご参考に。

▲擦り剥いた傷は自分で治す他、どうしようもない。理想と現実、芸能人とファンの距離。律の口によって語られる寺田の葛藤とは?

▲いよいよCM撮影。募らせてきた感情がバレた寺田はNGを出す。代わりにチサカの出番が近付いて来た。

↑ CMの曲、イメージは「灰色と青」です。寺田総司が山野井チサカでは

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【ストロベリー狂詩曲】リンク一覧、11~20話まで

11話~20話までジャンプしやすいようにリンクを貼っています。
此方も文字数短めの粗筋を添えてますので、ご参考に。

▲忍の反応、桜馬とのレッスン。ちょっぴりドキドキの時間。

▲朝倉と桜馬の会話。チサカに深入りする理由と桜馬の本音。

▲「不都合な時だけ親子を騙るんだね」。両親の喧嘩に巻き込まれたチサカは……。

▲辛い時に一本の電話が掛かってきた。父親の差し金だと知らず、彼女は通話ボタンを押す

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【ストロベリー狂詩曲】リンク一覧、1話~10話まで

話数が増えてきましたので、一覧表でジャンプしやすくしました。
文字短めの粗筋も添えてます。

▲両親が経営する喫茶店でお手伝いをしている川嶋 忍(男の子)は店に現れた少女に恋をした。

▲月日は流れ、高校入学を控えた中学三年生。忍は困っている彼女を助けようと行動へ移す。

▲忍が助けた女の子・山野井チサカもこの日、入学式を控えていた。二人は再会をするが、それは忍にとってショックな出来事だった。

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【ストロベリー狂詩曲】29

平らな机の上、体を冷やす無感情な温度が意識を現実に貼り付かせ、安眠を妨げる。仮眠にさえ到達不可能。枕が恋しくて上着を掴む。

〜♩

 無音の暗闇に灯るショートメールの着信音と照明。顔の横に置いてあったスマホへ視線が行く。肘をついて画面を確認し、指先でトントンとアプリを開けてメールを読む。
 差出人:川嶋忍
『来週の土曜日、タケルとミニコンサートに参加するんだ。見に来る?』
 午前中は夏に都内で開

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【ストロベリー狂詩曲】タケル番外編・暗礁(高3の話)

*最後まで暗い話。本編を読まなくても、読んだことがあっても大丈夫です。チサカや忍がどうなったかについてのネタバレはありません。

 その天井を見たのは、健康診断を受けに来た一昨年の真冬が最後だった。あの日は医師に促され診察台へ仰向けになったが、今日の僕は人の指示を受けることなく既に仰向け状態。掛け布団が鎖骨の位置まで掛かっていて、此処が診察室にあらずと分かる。
 鼻腔が吸い込む酸素は無臭。清潔重視

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【ストロベリー狂詩曲】28

* チサカ視点 *

 躓き、かくん!と動いた景色。校内の一階を歩いていたら足を引っ掛けられ、危うく床の上に転倒しかけた。

「ごっめぇーん。当たっちゃったぁ」

 せせら笑いが聴こえて振り向く。”お馴染み”の女子生徒三人組みだ。

(……くだらない)

 私は見え透いた嘘にシラけ、教室へ戻ろうと顔の向きを正しい方角に直す。

「感じ悪」
「いい子ちゃんぶって」
「二重人格」

 彼女達は相

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【ストロベリー狂詩曲】27

君に指定されたい。
君の寂しさを溶かす男になりたい。

「ごめんな、会話が下手で。笑って欲しいのに、空回りばっか」

 不器用で粗雑な言葉をストレートに投げてしまい反省する。気を許して貰いたくてありのままを表現し、彼女が投げ返しやすいようにぶつかってはこじれる場面が増えるばかり。
 望んでいなかった。手を伸ばしてするりと避けられる幻めいた関わり合いは。

「優しいあなたを傷付けてばかりね……」

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