マガジンのカバー画像

大学改革

88
運営しているクリエイター

#近畿大学

影響するのは教育だけじゃない?近大の取り組みから考える。大学による生成AI活用のリスクと難しさ

影響するのは教育だけじゃない?近大の取り組みから考える。大学による生成AI活用のリスクと難しさ

第170回芥川賞の受賞者がChatGPTを一部使って小説を書き上げたことで話題になっていますが、生成AIの発展はほんと目覚ましいものがあります。今回、見つけたプレスリリースはそんな生成AIの大学での活用についてです。近畿大学の取り組みなのですが、今後、こういうのが増えていくのかもしれませんね。

生成AIを使って大学職員の業務効率を上げる

今回のリリースは、近畿大学でChatGPTに使われている

もっとみる
愛校心の強化から創造へ。近畿大学の同窓会コミュニティ支援から考える、これからのホームカミングデイの役割

愛校心の強化から創造へ。近畿大学の同窓会コミュニティ支援から考える、これからのホームカミングデイの役割

大学の秋の風物詩といえば、やっぱり学園祭?いえいえ、それもありますが、もう一つあります。そうホームカミングデイです。卒業生たちが大学に訪れるこのイベント、なんで秋に多いんでしょうね。やっぱり気候がいいからでしょうか。今回、近畿大学のホームカミングデイを伝えるプレスリリースを見つけて、ここまでやるのかと驚いてしまいました。卒業生とのつながりづくりは、大学にとってやはり重要トピックなようです。

まる

もっとみる
商品開発と起業をつなぐもの。近畿大学の取り組みから気づく、実学教育に足らなかったワンピース

商品開発と起業をつなぐもの。近畿大学の取り組みから気づく、実学教育に足らなかったワンピース

働くうえで役立つスキルや知識を、実社会に近い環境で身につけるというのが、現在の大学教育に求められているものの一つだと言えます。この究極的なものが学生ベンチャーのように思いつつ、それ以外にもいろいろな取り組みが、いろいろな大学で展開されています。

今回、見つけた近畿大学の取り組みも、そんないろいろなうちの一つ。よくある取り組みではありますが、ちょっとだけ視点が違うんですね。この少しの視点の違いによ

もっとみる
育てると増やすは違う?異色の講演会から感じる、ベンチャー企業創出拠点づくりをめざす近畿大学の本気

育てると増やすは違う?異色の講演会から感じる、ベンチャー企業創出拠点づくりをめざす近畿大学の本気

つい先日、近畿大学のインキュベーションの話題を取り上げたところなのですが、今回も近大のインキュベーションネタです。見た瞬間は、これってどうなの!?と感じたのですが、あれこれ考えた結果、一周まわってこれはこれで有りなのかなぁと思うに至りました。何であれ、目的さえ明確なら、そこに至るアプローチは自由なのかもしれません。

近大「KINCUBA Basecamp」で開催する異色の講演会

今回、取り上げ

もっとみる
近畿大学の新聞広告から考える。影響力のある大学が、わざわざ正月に広告を出してまで伝えるべきこととは何なのか。

近畿大学の新聞広告から考える。影響力のある大学が、わざわざ正月に広告を出してまで伝えるべきこととは何なのか。

明けましておめでとうございます。正月の新聞に、どの大学のどんな新聞広告が載っているかは、大学業界で働く人の密かな関心事ではないでしょうか。新聞の発行部数が大きく減ってきており、ひと昔前ほど大学の広告が目につかなくなってきていますが、それでも大学の“今”を知る貴重な情報源です。そして、そんな大学の新聞広告のなかで、毎年、目につく大学というと、そう、近畿大学です。今年のものも印象的だったので、新年一発

もっとみる
時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

時代は超効率重視?近大の調査から見えてきた、新たな学生の学びスタイルをどう受け止めるかについて考える。

コロナ・パンデミックがはじまって2年半が過ぎました。アフターコロナの社会はどうなるのか?みたいなことが話題にはあがるものの、コロナがどこかのタイミングできれいに収束して、コロナのない世界がはじまる、というのは、おそらくないように感じます。

グラデーション的に変化しつつ、気がつけばコロナがあまり気にならない、コロナと共存した社会になっていた……、そういうのが現実的なのではないでしょうか。であれば、

もっとみる
メリットよりもリスクが勝る?学生に新たな可能性を提案する、近畿大学通信教育部の編入学生向けキャンペーン。

メリットよりもリスクが勝る?学生に新たな可能性を提案する、近畿大学通信教育部の編入学生向けキャンペーン。

コロナ禍によって困窮した学生たちの救済策を、たくさんの大学がいろんなアプローチで行っています。今回、見つけたのもそんな救済策の一つなのですが、よくよく考えるとなかなか興味深いし、ある意味では危険な取り組みでもあります。でも、学生のことを本気で考えると、これも必要なのだろうと感じました。

さて、なんとなく意味深な書き出しではじめてみたのですが、今回、取り上げるのは近畿大学通信教育部のキャンペーンで

もっとみる
コロナパンデミックが学生文化を断裂させる?近大の調査から考える、コロナによる地味で大きな大学の影響と変化。

コロナパンデミックが学生文化を断裂させる?近大の調査から考える、コロナによる地味で大きな大学の影響と変化。

新型コロナウイルスが大学にどんな影響を与えるのか。とても興味深いテーマではありますが、現在進行系で状況が変化しているため、なかなか落ち着いて考えにくいようにも思います。そんななかでも、なんとなく予想がつくのが、オンライン化による学びの変化ではないでしょうか。今回、見つけた近畿大学の調査結果は、そういったオンライン化による学び……ではなく、あまり深く考えていなかったけど、あーこういう変化も起こりうる

もっとみる
細かな取り組みが教育を底上げする?近大の「海外バーチャル留学体験」から感じる、アフターコロナの大学教育。

細かな取り組みが教育を底上げする?近大の「海外バーチャル留学体験」から感じる、アフターコロナの大学教育。

新型コロナウイルスによって急速に広まったオンライン教育が、大学教育にどのような影響を与えるかは、大学関係者でなくても興味深いテーマだと思います。今回、見つけた近畿大学の取り組みは、そんな少し先の大学を感じさせる取り組みです。こういう取り組みが増えていき、何年か先に、コロナは大変だったけど結果的に良かったこともあったよね、なんて笑いあえるとすごく素敵です。

どうでしょうか。この取り組みは端的にいっ

もっとみる
制度でも、プログラムでもない?旺盛な商品開発という近畿大学の風土は、これからの大学個性化のヒントになるか。

制度でも、プログラムでもない?旺盛な商品開発という近畿大学の風土は、これからの大学個性化のヒントになるか。

大学広報課の職員さんなら、だいたいがブックマークに入れていそうなサイトに「大学プレスセンター」があります。これは大学に特化したプレスリリース配信サイトで、私も毎日のぞいているんですが、なんか最近、近畿大学の商品開発のプレスリリースがすごく多いんですよね。

1月に配信されたもののみをピックアップしてみても、なんと6件もあります。おそらく秋学期がもうすぐ終わるので、学生が関わる商品開発については成果

もっとみる
関西圏の大学の序列をぶっ壊す!大学業界の“黒船”を考える

関西圏の大学の序列をぶっ壊す!大学業界の“黒船”を考える

少子化が進むなか、大学はあの手この手で生き残られるよう大学改革に取り組んでいます。なかには、受験生だけでなく、社会全体にもインパクトを与えるような取り組みをする大学もあります。大阪市立大学と大阪府立大学の統合は、関西圏でいうとこの最たるものの一つなのかなという気がしました。

****

関西圏の大学で勢いのあるところは、内容もさることながら、その過激なものいいや、尖った広告表現が目に付きます。た

もっとみる