ひつじ
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【ショートショート】復縁屋
「どうしても、あの人と結ばれたいんです!」
「わかりました」
「あなたのご希望を我社の優秀なスタッフがお叶えしましょう」
「代金は成功報酬1000万です」
「着手金は300万となります」
「わかりました明日には入金します!」
数日後
「ありがとうございます!」
「彼氏がまた付き合ってくれと言ってくれました!」
「よかったですね」
「では残りの成功報酬をご入金してください」
「わかりました、すぐに
連載~時間に負けた男~ 5話
「もしもし!」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「ほんとうにありがとうございます!」
男は握りしめた携帯に向かって必死にお礼を言った。
電話の向こうの男は何だか面食らったように
「はっ」
とだけぼそっと言った。
いかんつい取り乱してしまった。
「いや、まさか電話に出てくれるとは思いませんでして」
電話の向こうの男が聞いているのかどうかすらわからないが矢継ぎ早に男は話した
作家はChatGPTに勝てるのか?
巷ではChatGPTなるものが流行っているらしい
なんでもキーワードさえ入れれば自動で作文、小説を書いてくれるとのこと。
通訳、作家、会計士、数学者、ジャーナリスト・・・
多くの者がChatGPTに敗北し職を奪われるとのことである。
これから自分みたいなアナログな人間は淘汰されるのであろう。
時代の流れ変化についていけない者は必要ない時代である。
何とも寂しいかぎりだ。
ただ
ChatGPT
連載~時間に負けた男~ 4話
部屋の中央で携帯電話を握りしめそわそわする男
ただ鉄の格子がはめられた窓を見上げると、まだ日差しが低く早朝のようだ。
「こんな朝早くに電話したら、きっと嫌われるだろう」
男は電話したい気持ちを必死に耐えた。
何時間たったのだろう?
ここに来て、こんなに時間がたつのが長いと感じたことはない。
「もう、いいだろう」
男は携帯電話に昨日と同じように自分の電話番号を押した。
「プルプル、プルプル
連載~時間に負けた男~ 3話
この部屋で男は来る日も来る日も、どこにも通じない携帯で番号を押し続けた。
おぼろげに覚えている知人の番号
有名な企業の番号
警察、消防など公共施設の番号
男は思いつく番号をひたすら押し続けた。
だが一向に手にもつ携帯はどこにも繋がる気配がない。
誰かと話したい。
誰でもいいから話したい。
もう何千回番号を押し続けたのだろうか?
小さな窓を見上げて見ればいつのまにやら夏が過ぎるのを感じた
[ショートショート]SNSの怖友
また通知が来てる
先週も見覚えのない人から通知が来ていた。
SNSの通知を開くと一枚の写真が貼られている。
先回と同じだ
通知者のSNSを開いてもプロフィール欄に名前も自己紹介も何も載っていない
「一体、誰なんだろう」
そもそもフォローする人も投稿数も少ない、なかば冬眠したような自分のSNSに何か用があるのだろうか?
写真を見るとコンクリートの壁に挟まれた細い道路の写真
アスファルトの道の
[小説]AIロボットの運命
あらすじ
大きな作業所で500体ものボットたちを監視する中年の男
家からの決まった道、変わらない職場の往復
退屈な日々の繰り返しのはずだった。
突然、彼の身に襲い掛かる悲劇の始まり、
一台のロボットの暴走であばかれる真実、
想像できなかった結末を迎える。
毎日毎日続く退屈な日々、今日も作業所に向かい
しがない一日が始まる。
作業所にはたくさんのAIロボットが働いているが、ざっと見渡せば500台
パワハラする人はただ鈍感なだけです
パワハラ気質なひとは職場に一人や二人いるのが普通だと思いますが、なぜ
パワハラしていると本人は自覚しないのでしょうか?
それはパワハラ気質の人間は鈍感だからなのです。
人の気持ちを汲み取れない
自分しか見えてない
ゆえに周りとの協調性も気にしない、自身がパワハラしていることに気が付かない
今まで見てきて感じた職場でパワハラしている人たちの感性
①仕事を舐めるな型
②自分がいるから会社の
連載~時間に負けた男~ 2話
部屋には男以外誰もいないし、何もない
いや、ただ一つ彼の所持品だった携帯電話だけがある、データーはすべて削除され、どこに掛けても繋がらない
ただ白い壁に囲まれた部屋にぽつんと一日中座り続づける。
朝なのか夜なのか秋なのか春なのか、小さな窓から降り注ぐ日光で感じ取るぐらいでしか時間がわからない。
食事は決まった時間にドアの横の小窓の外に置かれている。
食事だけが彼の楽しみだ
俺はここで朽ち果
連載~時間に負けた男~ 1話
あらすじ
白い壁の部屋に何年も拘束されている男
部屋にはどこにも通じない一台の携帯だけが置かれている
彼はなぜここにいるのか?
彼は何者?
彼を拘束している者は誰?
「今日も暇な一日の始まりか」
男は独り言をつぶやいて目を開けた。
6畳ほどの白い壁に囲まれた部屋は殺風景だった。
部屋には鉄の厚い扉が一つあり、その扉の窓ガラスに格子がはめられている。
扉の窓から廊下を眺めても白い壁と薄緑色の