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旅のこと

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電車に乗って、船に乗って、まちあるき。 人が暮らしているところで旅人になろう。 何かが起こるかもしれないし、何も起こらないかもしれない、そんな旅の思い出。
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できない!を楽しむ八重山旅

できない!を楽しむ八重山旅

年がら年中ぬるっと繁忙期っぽい会社で働いている私だが、2-3月の大大大繁忙期を抜けたこの時期は、次なる大大大繁忙期との隙間時間で、比較的ゆるやかに(当社比)過ごせる時期なのである。

ということで、この期間、八重山諸島(沖縄本島のさらに南の石垣島あたりの島々)を旅することが恒例行事となっている。

と言っても、自分の性分的に、完全なる大連休はなんだかリズムが狂いそうなので、ワーケーションという名目

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なんやかんや言いながら、日常と折り合いつけてぼちぼち生きていきますわ

なんやかんや言いながら、日常と折り合いつけてぼちぼち生きていきますわ

先日、北海道出張の帰りに、新千歳空港でたくさん時間があったので、ふらりと映画館に寄ってみた。

公開したばかりというジブリ映画『君たちはどう生きるか』がちょうど始まる時間だったので、観てみることにした。
ちなみに、公開していたことも知らなければ、広告宣伝を一切していなかったことすら知らず、図らずも世の中のみなさんと同じ、つんつるてんの状態で鑑賞することとなったのだ。

感覚的に、『夜は短し歩けよ乙

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春の読み鉄|赤穂線でゆく牛窓〜坂越

春の読み鉄|赤穂線でゆく牛窓〜坂越

乗り鉄、撮り鉄、いろいろあれど
我が鉄道の旅は「読み鉄」なり。

読みたい本がある時、鈍行列車の旅に出るのである。
(ちなみに本来読み鉄というのは、時刻表や鉄道雑誌などを好む鉄道オタクという意味で使われるのが一般的らしい。)

家でじっとしながら読書するより、列車の心地よい揺れに身体を預けながらの方が文章や物語に没頭できる。
ふと顔を上げた時に目に入る車窓の風景もまたよし。
読書とは身体感覚と連動

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年の瀬、四国の右下旅〜悲喜交々のモードチェンジ〜

年の瀬、四国の右下旅〜悲喜交々のモードチェンジ〜

2022年最後の旅は、四国の右下の方へ鉄道&バス旅に出掛けることにした。

一応今回のメインは、列車と車がひとつになり、線路と道路の両方を走る阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)。
世界初となる営業運転開始からちょうど1周年を迎えた、すごい乗り物に乗りに行く。

1日目:徳島駅〜日和佐駅

とはいえ、いつも通りゆらりゆらりと適当に車内で過ごしたり途中下車してみたりといった旅のスタンス

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愛が溢れまくる伊予灘線〜双海のばあちゃんち〜

愛が溢れまくる伊予灘線〜双海のばあちゃんち〜

盆休みに、青春18きっぷで愛媛県を旅することにした。

今回のメインの目的地は、上灘にある喫茶ポパイである。

きっかけは、たまたまクラウドファンディングのサイトにて、
大学を卒業したての若い娘さんが田舎のおばあちゃんの営む商店の2階部分を喫茶店兼ゲストハウスに生まれ変わらせ、双海の地域を盛り上げる!!というプロジェクトを見つけたことだ。

大好きな予讃線沿いということもあり、企画に共感した私はす

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長良川鉄道②「おどり」という名の没頭

長良川鉄道②「おどり」という名の没頭

前回の続き。

郡上八幡を満喫し、長良川をさらに北へ。
美濃白鳥へ到着。

美濃白鳥でも、「白鳥(しろとり)おどり」という盆踊りが開催されている。

郡上おどりも白鳥おどりも江戸時代から踊り継がれる伝統的な盆踊りで、下駄をならしながら、シンプルな動き(曲ごとにフォーマットがある)を繰り返し、櫓の周りをぐるぐる進む。
地元民も観光客も、誰もが気軽に参加できることのできる懐の深いイベントだ。

白鳥お

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長良川鉄道①ゆら〜り眺めて濁流列車の旅

長良川鉄道①ゆら〜り眺めて濁流列車の旅

6月の怒涛の連続土日勤務が一段落ついたかと思えば、7月から始まった資格取得の養成講座が思いの外ヘビーで、休日もPCに向かう日々だった。

そんなタスクに追われる日々を過ごしていると、とある研修のアイスブレイクで「好きなもの・ハマっていること」というお題を振られた際に何も浮かばず頭がショートし「これはヤバい」と危機感を抱いた。

自由に遊ぶために仕事をし、より面白く遊ぶために教養を蓄積する人生を送り

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においで味わう京都のまちを

においで味わう京都のまちを

毎日聞いているSpotifyで、くるりの岸田さんが
「うちの彼氏は北区の役所務めの20歳(by京都の大学生)」だの
「錆びた線路際 涙枯れた六地蔵(by虹)」だのと言うたびに、京都に行きたい気持ちがじわじわと熟成されていた。
くるりを聴くと、ふわっと京都が香ってくるのだ。

以前はかなりの頻度で京都に足を運んでいたが、引っ越して距離が離れてしまったことや感染症の影響もあり、いつの間にやら京都は、遠

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縁のゆくえ

縁のゆくえ

気分転換にぷらっと京都を散歩した際、東山の建仁寺のほど近く、通称「縁切り神社」と呼ばれる安井金比羅宮に立ち寄った。

境内には“縁切り縁結び碑”なる3mほどの絵馬の形をした巨石があり、参拝者はその中心部にあいた人ひとりがくぐれるサイズの穴を往復する。そして願い事を書いたおふだをその表面に貼る。訪れる人々に貼られた膨大な数のおふだで碑の地肌は見えない。

チラリと覗き見えた感じでは「息子をたぶらかす

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