新村公輝

1992年生まれ。 SEICHOTSU magazine (https://seich…

新村公輝

1992年生まれ。 SEICHOTSU magazine (https://seichotsumagazine.com/)運営、 ゲイ当事者としての価値観や、仕事観等を発信しています。 noteでは、日常における雑多な感情も綴っていきます。 コーヒーとフットサルが好き。

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    僕が運営メンバーでもあるサイト「SEICHOTSU magazine」内で投稿した記事をまとめています。

記事一覧

固定された記事

自分が何者か考えた結果、「ゲイである」ことしか残らなかった話

「30歳にして転職経験3回」 この言葉は一般的にどう聞こえるのだろうか。 ほとんどの人にとって、あまりよろしくはない響きであることは確かだろう。 ましてや同じ「転職…

新村公輝
4か月前
44

僕と彼の男二人暮らし~誕プレどうしてる? 編~

「プレゼント用ですか? それともご自身用ですか?」 定型化されたこの質問に、僕の体は一瞬こわばり、身構えてしまう。 あとは支払いさえ済ませてしまえば、任務完了だ…

新村公輝
10日前
11

俺がゲイだってこと、恐らく父は気づいてる

バレている。 恐らく父は、息子がゲイだと気づいてる。 初めてその予感を抱いたのは、昨年実家に帰省した時のこと。 約半年ぶりの帰省ということもあってか、お客様待遇の…

新村公輝
2週間前
18

「俺、実は付き合ってた」〜初めて出来た同性パートナーについて〜

数年前、初めてまともに付き合ったと言える同性の恋人と別れた。 交際期間、4年。 一緒に色んなところへ行き、海外旅行だってしたが、週の半分以上はどちらかの家で過ご…

新村公輝
2週間前
18

僕と彼の男二人暮らしの家に母を入れた。

「今、同棲しています。 ですが、相手は女性ではなく男です」  数ヶ月に一度くらいの頻度で送られてくる「元気にしてる?」という母からのラインに、ずっとチャンスを伺…

新村公輝
1か月前
81

僕と彼の男二人暮らし~家事・家計編~

仕事を終えて夕食の材料を買うために早歩きでスーパーへ向かっている途中、アイフォンを右手にワードを変えては検索を何度も繰り返していた。 「蒸し器 ない」 「蒸し器…

新村公輝
2か月前
17

【記事紹介】子どもにゲイだと打ち明けられた時に読んで欲しい物語|新村公輝

前の職場で働いていた頃のとある昼休み、パートの女性陣が話をしていた。 「もし息子が交際相手に男を連れてきても私やったら全力で応援するわー!」と、誰かが陽気に笑い…

新村公輝
2か月前
8

僕と彼の男二人暮らし~初めて友人へ紹介されました編~

「今から帰ります。一人、一緒に来るからよろしく」 テレビを見ながらソファに寝そべりグータラ過ごしていた僕は友人達との飲み会へ行っているパートナーからのラインを見…

新村公輝
3か月前
37

僕と彼の男2人暮らし~家探し編~

同棲をすることになった。 自分は男、相手も男。 何がきっかけでそうなったのか覚えてないが、忘れてしまえる程度のことだったのだと思うし、その程度の軽いノリで僕たち…

新村公輝
3か月前
23

僕はこれからも小説を好きでいられるだろうか〜AI社会に向けて〜

第170回芥川賞を、『東京都同情塔』(著・九段理江)が受賞した。 昨日のニュースで受賞作が決まったということは知っていたが、今朝の通勤中にプッシュ通知されたネットニ…

新村公輝
3か月前
13

辞めない方が迷惑 ってこともあると思う

大学を卒業し晴れて社会人の仲間入りを果たしたあの頃、学生時代の仲間と飲む時の話題は専ら仕事に対することであった。 「最近仕事の方はどうよ?」 各々の不満を肴に、…

新村公輝
4か月前
13

【記事紹介】世間体の為に、僕は今日も自分をせせら笑う|新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。 SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ…

新村公輝
4か月前
1

【記事紹介】履歴書を真っ黒に汚した自分に何を思うか|新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。 SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ…

新村公輝
4か月前
4

【記事紹介】ゲイの僕が、親へのカミングアウトを決めた理由 |新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。 SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ…

新村公輝
4か月前
4
自分が何者か考えた結果、「ゲイである」ことしか残らなかった話

自分が何者か考えた結果、「ゲイである」ことしか残らなかった話

「30歳にして転職経験3回」
この言葉は一般的にどう聞こえるのだろうか。
ほとんどの人にとって、あまりよろしくはない響きであることは確かだろう。
ましてや同じ「転職3回」でも、向上心溢れるアクティブ転職モンスターと、防戦一方逃げ足の速いネガティブ転職モンスターの2つに分かれるが、僕の場合は後者であるので目も当てられない。

人生で4回目の退職届を提出した時、「もう正社員として働くのは厳しいな」と思

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僕と彼の男二人暮らし~誕プレどうしてる? 編~

僕と彼の男二人暮らし~誕プレどうしてる? 編~

「プレゼント用ですか? それともご自身用ですか?」

定型化されたこの質問に、僕の体は一瞬こわばり、身構えてしまう。
あとは支払いさえ済ませてしまえば、任務完了だというのに。

出来ることなら、自分用だと言ってしまいたい。
しかし、そう言い切ってしまうには、今店員さんが手にしているメンズ服は僕にはオーバーサイズすぎる。
何より、そうするとせっかくの誕生日プレゼントが少しばかり質素に映ってしまうだろ

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俺がゲイだってこと、恐らく父は気づいてる

俺がゲイだってこと、恐らく父は気づいてる

バレている。
恐らく父は、息子がゲイだと気づいてる。

初めてその予感を抱いたのは、昨年実家に帰省した時のこと。
約半年ぶりの帰省ということもあってか、お客様待遇の豪勢な晩御飯を頂き、さて帰ろうかと家を出ようとした時に玄関先で父はこう言った。

「次は彼女連れてこいよー! 彼氏はあかんぞー!!」と。

……今までも、彼女のことや結婚のことは何かにつけて言われてきた。
社会人となり実家を出て、年に1

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「俺、実は付き合ってた」〜初めて出来た同性パートナーについて〜

「俺、実は付き合ってた」〜初めて出来た同性パートナーについて〜

数年前、初めてまともに付き合ったと言える同性の恋人と別れた。
交際期間、4年。

一緒に色んなところへ行き、海外旅行だってしたが、週の半分以上はどちらかの家で過ごしていたこともあってか日常の些細な風景の方が懐かしく感じられる。

晩飯を豪勢にする為に横並びで打ったパチンコ。
言い合いになりながらも二人でどうにかクリアまで漕ぎつけたバイオハザード。
毎年の恒例行事みたくなっていたフェス。

夜中に目

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僕と彼の男二人暮らしの家に母を入れた。

僕と彼の男二人暮らしの家に母を入れた。

「今、同棲しています。 ですが、相手は女性ではなく男です」 

数ヶ月に一度くらいの頻度で送られてくる「元気にしてる?」という母からのラインに、ずっとチャンスを伺っていた僕は今しかないと思い、脈絡もない言葉を返信に添えてカミングアウトを実行した。
そして、今日が母の日であるということに気が付いたのはメッセージの送信ボタンを押した後だった。

よりによって母の日に僕は、花を贈るでも日頃の感謝を伝える

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僕と彼の男二人暮らし~家事・家計編~

僕と彼の男二人暮らし~家事・家計編~

仕事を終えて夕食の材料を買うために早歩きでスーパーへ向かっている途中、アイフォンを右手にワードを変えては検索を何度も繰り返していた。

「蒸し器 ない」 「蒸し器 代用」 「フライパン 蒸せる?」

思いつく限りの組み合わせで試してみたが、どの検索結果もイマイチしっくりこない。

家にココットのような耐熱皿は無かった気がするし、鍋の中にザルを逆さ向きに入れる方法なんてサイズ的に大丈夫だろうか。

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【記事紹介】子どもにゲイだと打ち明けられた時に読んで欲しい物語|新村公輝

【記事紹介】子どもにゲイだと打ち明けられた時に読んで欲しい物語|新村公輝

前の職場で働いていた頃のとある昼休み、パートの女性陣が話をしていた。

「もし息子が交際相手に男を連れてきても私やったら全力で応援するわー!」と、誰かが陽気に笑いながら話している声が聞こえてきて、「万が一その状況が現実のものとなってしまっても、その想いが変わらないでいてくれるといいな」なんて勝手に思いながら、僕は遠くで一人カップ麺をすすっていた。

人口に占めるセクシャルマイノリティの割合は大体1

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僕と彼の男二人暮らし~初めて友人へ紹介されました編~

僕と彼の男二人暮らし~初めて友人へ紹介されました編~

「今から帰ります。一人、一緒に来るからよろしく」

テレビを見ながらソファに寝そべりグータラ過ごしていた僕は友人達との飲み会へ行っているパートナーからのラインを見た瞬間、声にならない声を鼻から漏らし、一瞬の静止を経てからさほど広くもないリビングを3周ほどしてから、トイレへと向かった。

「トイレ汚いのが一番嫌だよな」

時間的に部屋全体の掃除は無理だと悟った僕はリビングを3周している間に何を最優先

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僕と彼の男2人暮らし~家探し編~

僕と彼の男2人暮らし~家探し編~

同棲をすることになった。
自分は男、相手も男。

何がきっかけでそうなったのか覚えてないが、忘れてしまえる程度のことだったのだと思うし、その程度の軽いノリで僕たち二人は、「同性パートナーと同棲」というゴールの無いマラソンのスタートを切った。

「同性パートナーと同棲している」と聞くと、さぞかし自身のセクシャリティを受け止め、振り切った生き方をしていると思われるかもしれない。
実際、僕も今まで同棲経

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僕はこれからも小説を好きでいられるだろうか〜AI社会に向けて〜

僕はこれからも小説を好きでいられるだろうか〜AI社会に向けて〜

第170回芥川賞を、『東京都同情塔』(著・九段理江)が受賞した。

昨日のニュースで受賞作が決まったということは知っていたが、今朝の通勤中にプッシュ通知されたネットニュースによると、著者である九段さん曰く全体の5%程度は生成AIが作り出した文章をそのまま使っているらしい。

AIが生み出した文章って、一体どんな感じなのだろう。気になる。
「あ、ここAIが書いた文章だな」なんて、分かったりするんだろ

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辞めない方が迷惑 ってこともあると思う

辞めない方が迷惑 ってこともあると思う

大学を卒業し晴れて社会人の仲間入りを果たしたあの頃、学生時代の仲間と飲む時の話題は専ら仕事に対することであった。

「最近仕事の方はどうよ?」

各々の不満を肴に、自らの境遇の過酷さをひけらかしあい、尿酸値のことなんか気にせずにさほど好きでもないビールを得意げに飲み続けていた22歳の自分がとても懐かしい。

それから年を重ね、友人等と会った時にかけられる言葉達は次第に「今は何の仕事してんの?」と転

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【記事紹介】世間体の為に、僕は今日も自分をせせら笑う|新村公輝

【記事紹介】世間体の為に、僕は今日も自分をせせら笑う|新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。

SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ形式で記事を発信しています。

【概要】

「あの人ホモだからさ。気に入られるとドライブに誘ってくるし、お前も気を付けろよ」
不意の忠告。
まさか目の前にいる男こそがゲイであるだなんて、思いもしていないの

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【記事紹介】履歴書を真っ黒に汚した自分に何を思うか|新村公輝

【記事紹介】履歴書を真っ黒に汚した自分に何を思うか|新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。

SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ形式で記事を発信しています。

20代で転職を繰り返し、「自分って本当ダメな奴だなぁ」と、それこそ自己否定の海に溺れかけていたところに、とある知人女性からかけられた一言で心が軽くなった……という話を書きま

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【記事紹介】ゲイの僕が、親へのカミングアウトを決めた理由 |新村公輝

【記事紹介】ゲイの僕が、親へのカミングアウトを決めた理由 |新村公輝

僕が運営メンバーでもあるサイト:SEICHOTSUmagazineにて記事を公開しています。

SEICHOTSUmagazineでは、様々な生き方や価値観にフォーカスを当て、インタビューやブログ形式で記事を発信しています。

僕は30歳を過ぎるまで、ほとんど誰にも自分のセクシャリティについては打ち明けてきませんでした。
そもそも打ち明ける必要が無いと思っていたし、白状してしまうと周囲にカミングア

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