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バーの軽食レシピ集

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僕の関わったダイニングバーでお出ししたアペタイザーのレシピを紹介しています。
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記事一覧

搔き萵苣(ちしゃ)としらすの雑炊 Rice gruel with cutting leaf lettuce and baby sardines

搔き萵苣(ちしゃ)としらすの雑炊 Rice gruel with cutting leaf lettuce and baby sardines

貧乏人の歳時記
A minimalist's seasonal calendar

ストーリー
Recipe trivia

去年のこぼれ種から育ったサンチュ(搔き萵苣)が大変なことになっている。草むしりと水やりにプランターのコーナーに行くと、昨日掻いた上の葉っぱがもう大きくなって垂れ下がっている。それを掻きながら集めるとボールにいっぱいの収穫になる。ここのところ気温が上がり、毎日この状態だ。ま

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ワカモーレ Guacamole(Avocado dip)

ワカモーレ Guacamole(Avocado dip)

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

最近は日本でも、本場志向のタコス屋さんが増えて、すっかりワカモーレ(アボカドのディップ)は市民権を得ている。僕の20代の頃は、メキシコ料理店自体が珍しく、メキシコに関わる食のテーマといえば、港町横浜の外国船員御用達のバーから広まった「テキーラの一気飲み」と「テクスメックス料理

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鶏胸肉とじゃがいものローズマリーポワレ Blanc de poulet et pomme de terre poilée au romarin(Chicken breast and roasted potato with rosemary)

鶏胸肉とじゃがいものローズマリーポワレ Blanc de poulet et pomme de terre poilée au romarin(Chicken breast and roasted potato with rosemary)

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

深夜バーの軽食で提供していた鶏料理で最も人気のあった三つの料理の一つ。もも肉で作っても良いのだけど、ここでは自家用に安価な胸肉を使っている。また、付け合わせには相性の良いじゃがいもを使っている。とてもシンプルな料理だけど、余分な味付けや小細工はこの料理に関しては蛇足だ。
ちなみ

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普段使いの田舎パン 補足 Mischbrot(Mix bread) Supplement to the article

普段使いの田舎パン 補足 Mischbrot(Mix bread) Supplement to the article

以前の記事に写真の補足をしました。
紹介した田舎パンは発酵かごを使った丸型のパン(パンドカンパーニュの形)でしたが、バケット(というかチャパタかな?)の形に整形した写真です。ふわふわの切り口も確認していただけると思います。これは、バットで発酵させたあと、折畳んでからくるくる丸め、そのままオーブントレーに転がして、粉を振っておおよその形を整えたまま二次発酵させて焼いたものです。これだと、カゴから取り

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蛍烏賊のワイン煮  Firefly squid simmered in wine

蛍烏賊のワイン煮 Firefly squid simmered in wine

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

この季節は兵庫産の蛍烏賊が安く出回っているので、バーのおつまみやコースの前菜用に作っておく常備菜の一つ。ここ1、2年は日本酒というよりは、洋風のバーや中華料理関係の仕事が多く、ワインや紹興酒とのペアリングがテーマだったので、赤ワイン(紹興酒でも良い)を使った一品とした。蛍烏賊

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基本のフムスの作り方 Basic Hummus

基本のフムスの作り方 Basic Hummus

ときどきベジタリアン
I’m a vegetarian sometimes

ストーリー
Recipe trivia

だいぶ前の話だけど、これは、ベジタリアンレストラン向けにブレックファーストの提案を頼まれた時に使ったレシピ。全粒粉のパンを毎朝焼くお店だったので、ちょっと他にない提案として「フムスバー」という提案を行った。毎朝8種類のフムスを用意して、パンに塗って楽しんでもらおうというアイデ

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甘くないおつまみクッキー Non-sweet snack cookies

甘くないおつまみクッキー Non-sweet snack cookies

バーの軽食レシピ集 Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

これは、レストランのアミューズや立食パーティーのフィンガーフード、バーのウエルカムなどの用途のために提供している一品。フランス料理のケークサクレと同じカテゴリーの料理。グルテンフリーへの対応も含めて、オーツ麦と米粉をメインにして、様々なバリエーションの基点になるように考案した

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玉子焼器で焼くズッキーニオムレツ Zucchini omelette cooked in an japanese egg pan

玉子焼器で焼くズッキーニオムレツ Zucchini omelette cooked in an japanese egg pan

バーの軽食レシピ集 Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

日本のバーの軽食にはスペインオムレツはちと大きい。飲酒の合間に、小さくカットしたいろいろな料理を箸で摘んで一口で食べるのが好きな人が多いからだ。だからオムレツも一口サイズで提供する。その場合、丸い大きなフライパンで焼いてカットするよりも、日本の寿司屋が使う玉子焼き専用のフライ

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鶏胸肉のリエット  Chicken breast rillettes

鶏胸肉のリエット Chicken breast rillettes

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー
Recipe trivia

夜も深くなると、ちゃんとしたご飯はいらないけれど、ちょっと何か摘みたいという方が多い。居酒屋なら、塩辛とかお浸しというようなことになるのだろうけど、深夜のバーでは洋酒やカクテル、ワインを飲む人も多い。
だから、洋酒とも組み合わせられてちょっと小腹が満たされるよう、自家製パンを

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トースターでも焼ける普段使いの田舎パン Mischbrot

トースターでも焼ける普段使いの田舎パン Mischbrot

世界の粉もん文化考
A look at flour-based food culture around the world

ストーリー
Recipe trivia

ひと昔に比べると、パンは随分と簡単に焼けるようになった。理由は高機能の石臼の登場とオーブン(石窯)の高性能化だ。パンは手作り品の代表のように考えている人が多いが、そうではない。穀物の粒食に比べてまず製粉という工程が必要だ。また、安定

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明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

明日葉のジェノベーゼ風スパゲティーニ Genovese-style spaghetti with ashitaba angelica leaves

バーの軽食レシピ集
Bar snacks recipe collection

ストーリー Recipe trivia

このパスタのレシピは、亡き友人の縁の一皿だ。長いはなしになるのだけど、ちょっとお付き合いください。

This pasta recipe is a dish related to my late friend. It's a bit of a long story, but p

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身欠鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

身欠鰊のワイン煮 Simmered herring with wine

ストーリー Recipe trivia

世界の歴史に最も大きな影響を与えた魚は鰊かもしれない。この魚はとてつもなく大きな群を形成し定期的に北の海の沿岸に押し寄せる。捕獲できる数が半端ではないので、庶民のタンパク源としてまた肥料として、一国の経済を左右するくらいの流通量を生み出したからだ。中世ヨーロッパで勢力を誇ったハンザ同盟の主要交易品は鰊の塩漬けだったし、江戸時代から明治時代にかけて日本の農業

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筍のピクルス Pickled bamboo shoots

筍のピクルス Pickled bamboo shoots

ストーリー Recipe trivia

「雨後の筍」という成句がある。雨の後には筍が次々に出てくるので、何らかのきっかけで似たようなことが次々に起こることの例えに使う。筍という漢字は竹という漢字と旬という漢字を合成したもので、雨の後は十日間の短い期間で筍が次々に生えて来る。春先にいちどきに流通するということだ。この時期には家庭でもどこの店に行っても筍料理が出てくる。日本で一般的なのは筍の煮物や天

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摘果トマトのピクルス  Pickled cull tomatoes

摘果トマトのピクルス Pickled cull tomatoes

大玉のトマトを立派に育てるためには、実り始めたトマトの実を間引きする必要がある。知識としては知っていても、つい最近までミニトマトしか育てたことがなかったので、実感が湧かなかった。ミニトマトは間引く必要がないからだ。一房に鈴なりになった実は全部赤く成熟する。ある時大玉のトマトを育ててみて、つい勿体無くて摘果し損なったら、確かにどの実も大して大きくならず大玉にならなかった。栄養が行き渡らないのだ。一房

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