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LOG(ログ)と申します。 ライトノベル作家志望。 不定期にオリジナル小説を更新する予…

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LOG(ログ)と申します。 ライトノベル作家志望。 不定期にオリジナル小説を更新する予定です。

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  • 光と闇と、魔法使い。

    長編オリジナル小説『光と闇と、魔法使い。』をまとめたものです。 魔法が禁じられた大陸に住む少年の、祖父の失踪から始まる物語。

記事一覧

「光と闇と、魔法使い。」第35話

ワタライは失敗しない  体が揺れている。奇流が目を覚ますと、そこには自身の体を揺らすキリハラの姿があった。慌てて飛び起きる。窓に目を向ければ、眩しい太陽の光が部…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第34話

到着  どのくらい歩いただろうか。キリハラが休憩を提案した。奇流にとっては一刻も早く村へ向かいたかったが、なれない道を長時間歩き続ける体力もなく、その提案に首を…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第33話

猛獣  ご自由にお通り下さい。まるでそう言っているかのように、マリベル村へ続く町の出口は奇流の目の前にある。奇流は思わずその場に立ち止まった。そして約束の時間に…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第32話

母親  それからの授業。奇流は全く集中せず、ドクターの事を考えていた。風丸は至って冷静にペンをすらすら走らせる。全ての授業が終わった時、時刻は午後五時に差し迫っ…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第31話

一筋の光  奇流は息が詰まりそうだった。朝からぶっ続けでヘブンズヒルの歴史学、魔法学、経済、地理……ありとあらゆる物が自身の脳内にぶつかってくる。しかし他の者は…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第30話

特別授業開始  成績優秀者十名とその保護者。その中で奇流は圧倒的に浮いていた。ひそひそと話す者さえいないが、その視線は好奇心を物語る。どうして風丸君と一緒なんだ…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第29話

提案  するとノック音が響く。風丸だ。 「どう? いい作戦思いついた?」  風丸はリュックを下ろし、いそいそと奇流の傍に座る。空乃が差し出したお茶を礼を言ってから…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第28話

国王の椅子  国王選挙の公示がなされ、それは街中に張り出される。奇流はスイと一緒に、空乃の家の傍に張り出されたその紙を眺めた。そこには風丸の予想通り、週明けすぐ…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第27話

柚の願い 「王牙は容赦ない。簡単に人を殺せる。俺はそれを目の当たりにした。柚が言ってたサイガも、そんな男だった」  奇流はあの時の血の臭いを忘れていない。今まで…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第26話

命   家に帰る気がなかった奇流は、空乃の家に寝泊まりさせてもらった。家族は心配するだろうか。しかし合わす顔がない。一方空乃は一人暮らしだった。詳しい話は奇流に…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第25話

スイと空乃    風丸は湯呑を持って「なるほど……」と納得して頷いた。「うん、もちろん僕も奇流君に協力したい」と力強く言う。 「いや、いいって。何度も言うけどこれ…

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6か月前

「光と闇と、魔法使い。」第24話

狂歌 「号外ー、号外だよおー」  細い声が辺りに響いた。空乃は「号外だって!」と外に飛び出す。すぐに一枚の紙を持って戻ると、奇流とスイにも見えるようにちゃぶ台に…

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6か月前
2

「光と闇と、魔法使い。」第23話

契約 「我が名はスイ。ワタライ奇流を主として主従の契約を、今結ばん――」  神々しい眩さが辺りを包んだ。奇流とスイは両手を取り、光がおさまるまでそのままの姿勢で…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第22話

和代の記憶 「お母さん?」  柚は即座に理解ができず、和代の顔を覗き込み無言で説明を求めた。 「傭兵はね、商人が雇うとは言っても、申し込みをしたら城が管理する傭兵…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第21話

協力者   朝日が目に染みる。奇流は起き上がると、背中に軽い痛みを感じた。冷たいコンクリートからは冷気の他に、硬さによる痛みも伝わる。背伸びをして息を大きく吐き…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第20話

名案?  殺風景だなと、奇流は来る度に空乃の部屋を見て思う。天板の丸いちゃぶ台が中央に一つ。床には空乃が愛用する座布団が一枚置かれていた。 「好きに座って」  空…

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6か月前
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「光と闇と、魔法使い。」第35話

ワタライは失敗しない

 体が揺れている。奇流が目を覚ますと、そこには自身の体を揺らすキリハラの姿があった。慌てて飛び起きる。窓に目を向ければ、眩しい太陽の光が部屋を包んだ。持参した朝食もそこそこに、奇流達は宿屋を出る。まずどこから捜せばいいのか決めあぐねていると、ここでもキリハラが的確に導いてくれた。
「まず全体を見てごらん」
 キリハラの言葉に奇流は村の全体を捉えた。宿屋が村の南西に位置してお

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「光と闇と、魔法使い。」第34話

到着

 どのくらい歩いただろうか。キリハラが休憩を提案した。奇流にとっては一刻も早く村へ向かいたかったが、なれない道を長時間歩き続ける体力もなく、その提案に首を縦に振る。
「スイは歩かなくていいなあ。羨ましい」
 水筒を口に近づけて言う奇流に、スイははっと鼻で笑った。
「何だよ」馬鹿にした態度に奇流は唇を尖らせる。
「確かに足がもつれる事はありませんが、僕はあくまで主と言う器がないと無力ですよ。

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「光と闇と、魔法使い。」第33話

猛獣

 ご自由にお通り下さい。まるでそう言っているかのように、マリベル村へ続く町の出口は奇流の目の前にある。奇流は思わずその場に立ち止まった。そして約束の時間に現れた女性に手を振る。
「おはようございます、キリハラさん」
 キリハラは「おはよう」と返すと、奇流の隣にいるスイに目を奪われる。
「君は」
 足元が地面に接していない。そして目をスイの顔に向けると、それに気が付いた奇流が慌てて説明に入る

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「光と闇と、魔法使い。」第32話

母親

 それからの授業。奇流は全く集中せず、ドクターの事を考えていた。風丸は至って冷静にペンをすらすら走らせる。全ての授業が終わった時、時刻は午後五時に差し迫っていた。
「城内案内は今回は中止します」
 予定より遥かに時間を押したのだろう。キリハラは自身の腕にはめられた時計を一瞥し、一同に伝える。そして各々会議室を後にすると、俊成もまたそれにならい続く。奇流と風丸が小声で話をしていた時、声をかけ

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「光と闇と、魔法使い。」第31話

一筋の光

 奇流は息が詰まりそうだった。朝からぶっ続けでヘブンズヒルの歴史学、魔法学、経済、地理……ありとあらゆる物が自身の脳内にぶつかってくる。しかし他の者は聞き逃すまい、書き漏らすまいと必死の動きを見せていた。隣にいる風丸は、所々笑みを浮かべて何度も頷きながらノートを全面埋めていく。
「俊成様……。さすがにそろそろ昼食にしましょう」とキリハラの助け船が出たのは、午後一時を回っていた。ほっとし

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「光と闇と、魔法使い。」第30話

特別授業開始

 成績優秀者十名とその保護者。その中で奇流は圧倒的に浮いていた。ひそひそと話す者さえいないが、その視線は好奇心を物語る。どうして風丸君と一緒なんだろう。奇流の耳にはそう聞こえた。しかし奇流はなれっこなのだ。自分を取り巻く様々な感情を目の当たりにしてきたからだ。
「君は」
 奇流を見て、対応にあたる城の男が声を出す。すぐに風丸が割って入った。
「母が今回不参加なんです。でも僕一人では

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「光と闇と、魔法使い。」第29話

提案

 するとノック音が響く。風丸だ。
「どう? いい作戦思いついた?」
 風丸はリュックを下ろし、いそいそと奇流の傍に座る。空乃が差し出したお茶を礼を言ってからすすり、「ああ幸せー」と笑みを見せた。
「それがなかなかね。俊成が怪しいんじゃないかって話になったけど、肝心の俊成に話を聞くのが難しくて」
 空乃は先程のいきさつを説明した。すると風丸は湯呑を持って笑う。奇流はバツが悪そうに口を尖らせる

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「光と闇と、魔法使い。」第28話

国王の椅子

 国王選挙の公示がなされ、それは街中に張り出される。奇流はスイと一緒に、空乃の家の傍に張り出されたその紙を眺めた。そこには風丸の予想通り、週明けすぐに投票が行われる旨が書かれている。二枚の顔写真が並び、精悍な顔つきのサイガに比べ、まるで心中どん底と言った表情のツヅキ俊成であった。
「一国の王子とは思えないな……」
 写真から伝わるじとっとした雰囲気に、奇流は思わず苦笑する。さすがのス

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「光と闇と、魔法使い。」第27話

柚の願い

「王牙は容赦ない。簡単に人を殺せる。俺はそれを目の当たりにした。柚が言ってたサイガも、そんな男だった」
 奇流はあの時の血の臭いを忘れていない。今まで嗅いだ事がない、おぞましい程の人間臭さ。目がくらむ程の衝撃だった。
「だから柚には待っていて欲しい。必ず無事に戻るから」
 奇流ははっきりと告げた。風丸は柚を気遣うように、顔を覗き込む。
「……奇流の役にたたないかもしれないけど、黙って待

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「光と闇と、魔法使い。」第26話

命 

 家に帰る気がなかった奇流は、空乃の家に寝泊まりさせてもらった。家族は心配するだろうか。しかし合わす顔がない。一方空乃は一人暮らしだった。詳しい話は奇流にもわからないが、家族はいないと以前聞いた事がある。
「ねえ、奇流ちゃん」
 柚の家への訪問の翌日、朝食の準備を終わらせた空乃は、ご飯に卵を落として切り出した。
「柚ちゃんの事なんだけど」
 奇流は箸を口元に近づけて止まる。
「いいの?」

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「光と闇と、魔法使い。」第25話

スイと空乃
 
 風丸は湯呑を持って「なるほど……」と納得して頷いた。「うん、もちろん僕も奇流君に協力したい」と力強く言う。
「いや、いいって。何度も言うけどこれは俺の問題――」「奇流ちゃん!」空乃の一喝に奇流は口をつぐんだ。
「こっちも何度も言うけど、奇流ちゃんは大事な友達。だから奇流ちゃんのピンチには協力したい。当然でしょ」
 親指を立てた空乃に、口を挟んだのはスイだ。
「金をせびっておいて、

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「光と闇と、魔法使い。」第24話

狂歌

「号外ー、号外だよおー」
 細い声が辺りに響いた。空乃は「号外だって!」と外に飛び出す。すぐに一枚の紙を持って戻ると、奇流とスイにも見えるようにちゃぶ台に広げた。
『国王即位式まさかの中止!』
「何だ、そんなのとっくにわかって――」そこまで言って奇流の口は止まった。空乃も驚愕の声を上げる。
『俊成氏、国王即位を表明! 国王選挙開催決定!』
 空乃はそこに写る青年を指差し「まじ?」と漏らす。

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「光と闇と、魔法使い。」第23話

契約

「我が名はスイ。ワタライ奇流を主として主従の契約を、今結ばん――」
 神々しい眩さが辺りを包んだ。奇流とスイは両手を取り、光がおさまるまでそのままの姿勢でいた。やがていつもと同じ景色になった時、スイが口を開いた。
「これで契約は終了です」
 空乃は目を丸くして言った。
「何だかあっけない。もっとずかーんとばこーんとしたのを想像してたわ」
 奇流が苦笑いをすると、スイは眉根を寄せて空乃に目を

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「光と闇と、魔法使い。」第22話

和代の記憶

「お母さん?」
 柚は即座に理解ができず、和代の顔を覗き込み無言で説明を求めた。
「傭兵はね、商人が雇うとは言っても、申し込みをしたら城が管理する傭兵ギルドからランダムに派遣されるのさ。商人は傭兵と共に村に一泊してから町に帰る。例え荷物に紛れて村へ入れたとしても、奇流達が怪しい動きをしたらすぐに感づいちゃうだろう? かと言って今回は傭兵を雇いませんなんて言ってみな? 奇流と仲がいいう

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「光と闇と、魔法使い。」第21話

協力者 

 朝日が目に染みる。奇流は起き上がると、背中に軽い痛みを感じた。冷たいコンクリートからは冷気の他に、硬さによる痛みも伝わる。背伸びをして息を大きく吐き首を鳴らす。ひび割れた窓から差し込む光が心地いい。昨夜、空乃の話を聞き今すぐ行くと息巻く奇流を制し、空乃は宿泊を勧めたのだった。
「よし、行くか」
 奇流は二人を見て言うと、スイは黙って頷いた。空乃もまたそれに続くと、三人は家を後にした。

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「光と闇と、魔法使い。」第20話

名案?

 殺風景だなと、奇流は来る度に空乃の部屋を見て思う。天板の丸いちゃぶ台が中央に一つ。床には空乃が愛用する座布団が一枚置かれていた。
「好きに座って」
 空乃はちゃぶ台に置かれたポットのお湯を、湯呑に入れながら言った。奇流はちゃぶ台を挟んで、空乃の真正面に陣取った。スイは奇流の横で腕組をしながら浮いている。空乃は一度もスイについて尋ねなかった。明らかに普通の人間ではないと気が付いているだろ

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