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青天の霹靂(小説)

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高校生の廉夏は16になると、幼なじみで歳上の冬眞と、結婚することに。だけど、冬眞と、結婚したことで藁人形が沢山届くことに。さらに、脅迫状まで。それに導かれるように、廉夏たちは、ホ… もっと読む
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記事一覧

青天の霹靂64(病院)

廉夏は病院に行く。
中川が付き従う。
スチュワーデスさんに、校長を呼んでもらい病院に行く旨を伝え
校長はだいぶ廉夏と中川の姿を見て驚いていた。
「中川君、大丈夫かね?」
「ええ、私は。ですが、京極が・・・」
「私は大丈夫です」
その頃電話でやり取りを聞いていた忍は廉と共に沖縄へと向かう。
そんな事、廉夏は知らない。
ただ、電話を切られたのは、終わったからだと思った。
まさか、冬眞や廉も沖縄に向かっ

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青天の霹靂63(ハイジャック)

ここは、県一番の私立高。
だから、勉強の邪魔になる修学旅行を1年でやる。
廉夏の高校は中高一貫学校だ。
途中で入ってくる子もいるから、ある意味、親睦会も兼ねているのだろう。
ズルすぎる。
まぁ、京都と言えば、八ツ橋だ。
「つまり、私は色気より食い気ってこと?」
それに、冬眞は笑う。
鼻歌混じりに自分の部屋へと帰る廉夏。
「ご苦労様です」
冬眞は、廉に笑う。
その飛行機の機内で、廉夏たちは一人一人コ

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青天の霹靂62(廉の親の思い)

「俺にすまないと思い親にはあり、俺が小学校卒業するまで、子供を作らなかったんだ。俺には何も言わなかったが、それが俺への謝罪だったんだ。両親は勝手に決めてしまったことを、申し訳なく思ってた。それがわかり、俺はグレることを辞めた。でも、戻るには、きっかけが、必要だった。それをくれたのが、廉夏だ。あいつは生まれたばかりの頃、初めて家に帰ってきたとき、一番最初に俺が抱っこするまですごく、機嫌が悪かった。俺

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青天の霹靂61(千花の思い)

会社から帰って来て、冬眞が聞いた。 
あっ、この頃には、廉は冬眞の運転する車で出勤するようになっていた。
冬眞が、廉が自分で運転することを、あの事件以降嫌がったからだ。
廉は、苦笑いしながら、冬眞の車に乗ってくれている。
「お前も粘るよな」
呆れたように、廉は言う
「廉さんの体を僕は守ります」
「さいですか。頑張って下さい」
「何かあったら、廉夏に恨まれそうですから」
「本当に頑張って下さい」

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青天の霹靂60(千香の思い)

本宮がいなくなると、千花は勝人に抱き付いた。
「もう、放さないから」
勝人は顔を真っ赤にしながら、驚いている。
「こんなに思われているのに、お前は死ぬ気か?」
「でも、俺、良いのかな?」
「誰が悪いと言った?」
「それは・・・」
「どうせ、本宮さんだろう? あの人はセコいんだよ」
「セコい?」
「ああ、そうだ。そんなのに、お前コロッと騙されすぎだぞ」
「私を置いて何処にも行かないで」
千花が泣きな

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青天の霹靂59(白の貴公子)

青天の霹靂59(白の貴公子)

それは、皆で買い物に来ていた時だった。
お店で、何故か驚いた声がかかる。
「えっ、白の貴公子?」
そう呼ばれて、廉は驚く。
「君は?」
「すいません。呼び止めてしまって、でも、探してたんです。お話ししたいことがあって、聞いてもらえませんか?」
相手は何か焦ったように言う。
それを見て、廉もただ事でないことを感じ、相手を促す。
「どうぞ」
「ありがとうございます。あの、私、勝人様から伝言を預かって来

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青天の霹靂58(会社のパーティーで2)

青天の霹靂58(会社のパーティーで2)

「はぁん、従業員はそうかもな。でも、てめぇの御内にも同じことが言えるかな?」
従業員の前に廉夏が連れて来られる。
「お前ら粋がっていられるのも、今だけだ」
廉夏の頬をナイフで叩く。
普通の女の子は普通ここで脅えるものだろう。
ただ、廉夏は違かった。
「何それで、脅しているの?」
そう言われ、犯人は廉夏の頬を叩く。
さらに、犯人はナイフで脅すように、ブラウスのボタンを一個ずつ切り落とす。
「まだるっ

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青天の霹靂57(会社のパーティーで1)

青天の霹靂57(会社のパーティーで1)

廉夏は、本日、京極グループの企業祭に廉や冬眞、じい様達と来ていた。
じい様と廉、冬眞は着いたそうそうに重役連中に捕まった。
そうすると、廉が言った。
「冬眞、悪いが廉夏に会社内を案内してあげてくれ。悪いが私達はちょっと離れる」
そう言って、冬眞を重役達から抜けさせてくれる。
「はい、畏まりました」
そう廉に頭を下げる。
そして、廉夏には手を差し出す。
「お嬢様、この後僕に付き合ってくれますか?」

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青天の霹靂55(16進法6)

青天の霹靂55(16進法6)

彼女が残したモノを探して、廉夏たちは預かっていると思われる人の元へと行く。
すると、深川は怖かったと泣く。
それもそうだろう。
まさか彼女が死ぬとは、思わなかったんだ。
彼女に託されたモノを及川に渡す。 
それは、及川宛てに一つ、そこには何故今回の事件が起こったのか、そもそもの彼女の思いが綴られていた。そして、謝罪。
そして、犯人に向けて一つそれはなぜ彼女が気持ちが受け入れられないのかの彼女の真摯

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青天の霹靂53(16進法4)

青天の霹靂53(16進法4)

「じゃあ、取りあえず、私が先生の家の斜め下の喫茶店に行くから」
それだけ言うと、廉夏は切る。
返事も聞かずに、それに、冬眞は笑う。
「廉夏さんらしい」
クスクス笑う冬眞に中川が、「如何した?」と、聞くと、笑いながら、冬眞は言う。
「いえね。京極さんらしいなと思って。今から、そこの喫茶店に来るらしいですよ」
「今からか? まだ、8時にもなってないぞ。早いだろう?」
「それが、京極さんでしょう?」

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青天の霹靂52(16進法3)

青天の霹靂52(16進法3)

中川の警護に付いた冬眞は、夜中川の部屋で話す。
「お前も辛いな」
「ええ、でも、僕は今幸せ何です」
本当に嬉しそうに笑う。
「僕は京極さんに忠誠を誓えて」
「忠誠ね。俺には分からんね」
正直に中川は言う。
「そうでしょうね。普通は?」
冬眞は頷く。
「なぜ忠誠を誓うことが幸せなんだ?」
「これは、僕だけだと思いますけど、忠誠を尽くすことで、京極さんのご両親を守れなかったという僕の両親のリベンジがで

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青天の霹靂51(16進法2)

青天の霹靂51(16進法2)

今朝のを分けました。

「やり込めた?」
「そうよ。先生とパソコンでどちらが早く打ち込めるかの勝負で優香は、先生に勝ったのよ。凄かったんだから、二人ともブラインドタッチで、全然キーボード見ていないんだから」
恍惚(コウコツ)としながら、廉夏は言う。
「もしかして、対決した先生って中川先生ですか?」
「そうよ。そう」
「確かに、卒業生の間でも、噂になっていました。1年生が中川先生をパソコンの早打ちで

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