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食べても太らないカラダがほしい。

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中学二年生から発症し、三十歳ごろまで続いた摂食障害(拒食症・過食症・過食嘔吐症)についてを記しています。また、摂食障害を患っていた時期に関連して起きた出来事も書いています。
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しみじみ、悲しみ

しみじみ、悲しみ

有料マガジン「&JOY」を廃刊します。

もともと創刊してすぐに思うところがあってマガジン自体を非公開にしていました。購読者もおらず、存在自体がずっと宙ぶらりん。

かたずけなくっちゃな、と思いつつ、ズルズルとほったらかしにしていましたが、ようやく重い腰を上げることにしました、

2018年に書いたものなので、いろいろと書き直したいところもあるのですが、一応移しておきます。(年齢等、一部加筆修正し

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ストレスと戦っても、勝てやしない。〜食べても太らないカラダがほしい11〜

ストレスと戦っても、勝てやしない。〜食べても太らないカラダがほしい11〜

前回までのお話はこちら。病院とカウンセリングはどうやら違うと初めて知った〜食べても太らないカラダがほしい10〜

ここ最近、摂食障害についてつらつらと書いてきました。わたし自身、この悩みにここまで向き合ったことはありません。どちらかと言うと「なかったこと」にしたかったので、目を背けていました。

けれど、拙いながらも文章化できたことで、自身の精神的な弱さ、ストレスの対処法を分かっていないと、改めて

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病院とカウンセリングはどうやら違うと初めて知った〜食べても太らないカラダがほしい10〜

病院とカウンセリングはどうやら違うと初めて知った〜食べても太らないカラダがほしい10〜

前回はこちら 摂食障害時の日常生活〜食べても太らないカラダがほしい9〜

摂食障害に悩み「治したい」という気持ちが強くなった。このままじゃいけない。ちゃんと病院に相談しよう。そう思ったのは大学4年の秋のことだった。

過食嘔吐症のことは家族にも、友達にも、彼氏にも言えなかった。悩んでいたけれど、どこかで治さなくちゃいけない。大学を卒業したら社会人になるわけだし、今のままではダメだと思った。

思え

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摂食障害時の日常生活〜食べても太らないカラダがほしい9〜

摂食障害時の日常生活〜食べても太らないカラダがほしい9〜

前回のお話はこちら 吐き出すと、すっきりする。それは確かにそうだけど。〜食べても太らないカラダがほしい8〜(嘔吐に関する具体的な記述があります。ご注意ください)

思い切り食べ物を胃に詰め込んで、指を突っ込んで意図的に吐き出す。摂食障害のなかでも「過食嘔吐症」と呼ばれる症状だ。

大学一年(18歳)の冬に発症した過食嘔吐の症状は、結婚後までのおよそ十年間続いた。

ただ、十年の間、ずうっと吐きっぱ

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吐き出すと、すっきりする。それは確かにそうだけど。〜食べても太らないカラダがほしい8〜

吐き出すと、すっきりする。それは確かにそうだけど。〜食べても太らないカラダがほしい8〜

前回のお話はこちら 一人分の食事って、どのくらいが正解なの?〜食べても太らないカラダがほしい7〜

*今回は摂食障害のひとつである「過食嘔吐」について触れています。具体的で不快な描写もあるため、お食事中などに読まれるのは、あまりおすすめしません。

大学一年の12月。明日から冬休みが始まる、クリスマス目前のことだった。

その日は、アルバイトもなくて開放感に満ちていた。11月に付き合いはじめたばか

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一人分の食事って、どのくらいが正解なの?〜食べても太らないカラダがほしい7〜

一人分の食事って、どのくらいが正解なの?〜食べても太らないカラダがほしい7〜

前回までの話はこちら やけ食いはストレスのもとである。〜食べても太らないカラダがほしい6〜

高校を卒業してすぐ、三月の半ばに、私は大阪から神奈川に引っ越しをした。大学進学に伴うひとり暮らしの準備をするためだ。

この頃には過食も落ち着いていた。ひとり暮らしがはじまるというプレッシャーもあった。けれど、楽しみな気持ちの方が大きくなっていた。

わたしはそれまで手伝いこそするものの、料理をしてもい

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やけ食いはストレスのもとである。〜食べても太らないカラダがほしい6〜

やけ食いはストレスのもとである。〜食べても太らないカラダがほしい6〜

前回のお話はこちらです。

高校三年生になると、大学受験に向けてがんばらなければ、といったいやでも色濃くなっていく。クラス替えでも、大学受験に向けて理系クラスと文系クラスに分けられた。ハデな格好をしていた子達も服装や髪型が少しづつおとなしくなっていった。

逆に体育祭や文化祭は、異様なほどに盛り上がった。おとなしくしなくちゃいけない雰囲気や、ただひたすら勉強しなくちゃいけない環境を、みんな叩き潰し

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高校生活は楽しかった。けれど…。〜食べても太らないカラダがほしい5〜

高校生活は楽しかった。けれど…。〜食べても太らないカラダがほしい5〜

前回のお話はこちら クラスメイトとは呼べない人たち~食べても太らないカラダがほしい4~

お世辞でも「たのしかった」とは言えない、中学三年生のころ。

静かに息をひそめて、このイヤな時間さえ過ぎ去ってくれれば。そんな風にも思っていた。学校に行くのは苦しかったけれど、休むこともできなかった。学校を休むと、自分自身で「病気だ」と認めたことになると思っていた。「ちょっとごはんを食べないくらいで、学校には

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クラスメイトとは呼べない人たち~食べても太らないカラダがほしい4~

クラスメイトとは呼べない人たち~食べても太らないカラダがほしい4~

前回のnoteはこちらをご覧下さい。食べなくなって身体におきた異変〜食べても太らないカラダがほしい3

拒食症になって、体重がみるみるうちに落たことで、見た目は明らかに変わっていった。

しかし、見た目の変化だけではなく、どうやら心もやせ細ってしまった。

中学二年生のころは、なんとなくやり過ごせていた。けれど三年生になりクラス替えがあった。一年、二年のときに仲良く過ごせていた人とは誰とも一緒にな

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食べなくなって身体におきた異変〜食べても太らないカラダがほしい3〜

食べなくなって身体におきた異変〜食べても太らないカラダがほしい3〜

前回の話はこちら。食べなきゃ、やせる。

できる限り、食べ物を口に入れないと決めると、面白いように体重は減っていった。

記憶があまりはっきりとしないのだけれど、56kgだった体重は、45kgになり、その後38kgくらいまでスルスルと落ちていった。体重が簡単に落ちることが面白かった。数字を減らしていくゲームのような感覚になっていた。

しかし、体重が落ちるとともに身体にはいくつかの問題もおきはじめ

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食べなきゃ、やせる。〜食べても太らないカラダがほしい 2〜

食べなきゃ、やせる。〜食べても太らないカラダがほしい 2〜

前回まではこちらを。(それは、夏休みからはじまった。〜食べても太らないカラダがほしい1〜)

何が何でも痩せてやる。

そう決意した私は、その日の夕食から、「食べないで残す」ことにした。ごはんを食べ過ぎているから、太ってるんだ。そんな当たり前のことに、何で気がつかなかったんだろう。食べなきゃ良いんだというのは、すばらしいアイディアに思えた。

「今日、なんかお腹痛いから。ごはん、もういらんわ」

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それは、夏休みからはじまった。〜食べても太らないカラダがほしい 1〜

それは、夏休みからはじまった。〜食べても太らないカラダがほしい 1〜

「そんなんやから、太るねん」

けらけらと笑いながら、クラスの男子に言われたひとこと。そのひとことに、ムッとしなければ、このあとから始まる摂食障害に十年以上も悩むことは、なかったのかもしれない。

幼いころから、私は太っていた。いじめられていた、という認識はない。けれど「でぶ」やら「ぶた」やらと、からかわれて呼ばれることも多かった。親戚のおばちゃんとかは「体格がいいから……」なんて、言っているのを

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