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一円五十銭のことで 太宰治
月 日
語らざれば、うれい(憂い)無きに似たり、とか。
ぜひとも、聞いてもらいたいことがあります。
いや、もういいのです。
ただ、ゆうべ、一円五十銭のことで、三時間も家人と言い争いいたしました。
残念でなりません。
太宰治「悶々日記」より
太宰の浪費癖が原因か?
気持ちが揺れやすい人のようだ。
家人の苦労も、わかるような。
また「悶々日記」には、こんなものもある。
月 日
この一
さくらの花の ちり侍りけるを見てよみける
さくらの花の ちり侍りけるを見てよみける
素性法師
※素性法師:僧正遍照在俗時の子。俗名良岑玄利。
父遍照により法師とされた。古今和歌集に36首所収。
花散らす 風のやどりは 誰か知る
我にをしへよ 行きてうらみむ
(古今和歌集巻第二春歌下76)
この見事な桜の花を散らしてしまう風が泊まる宿を、どなたかお